だんなっちょんのブログ

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現在における最強棋士とは

2018-10-01 23:48:30 | 将棋
今の将棋界を煌びやかなものにしたのは、言うまでもなく藤井七段。
藤井七段の昨今の活躍ぶりを見ると「未来の羽生さん」を感じる一方、
それと同時に彼に闘争心をむき出しにする棋士(もちろん表向きに)が出てくることを
期待していた。その代表格は菅井七段だろう。

菅井七段は棋王戦決勝トーナメントで藤井七段を退け通算成績はこれで2-0とし
タイトルホルダー(当時)とすれば貫録を見せつけた格好ともいえる。
とまれ、通常の新人棋士は羽生さんや渡辺さんといえど1年2年目から
タイトル取れなかったように各棋戦毎に勝ち抜く回数がどうしても多くなるので
非常に困難なのは明白。
逆にタイトルホルダーは多くの棋戦でシードをもらえるので
研究に割く時間も勝ち数も短縮されるので
有利といえば有利。その為に多くの棋士は多くの棋戦でシードがもらえる
順位戦でA級を目指し竜王戦もコツコツ組を上げて自分に有利な形を作っていく。
新人は不利で当たり前だし、時間がたてばどのみち実力者は有利な位置から
各棋戦の上位スタートが約束されるわけで、1年目2年目からいきなりタイトルを狙えるのは
構造上敢えて難しくしている。(1年目でタイトルなんか取ったら素晴らしいことではあるが、
実際積み上げが大事な棋士人生を危惧して敢えて難しくしているといえるか)
不利な立場から予選から決勝Tに進んできた藤井七段に勝利しても、正直大きな顔は殆どの棋士が
できないはずである。
ただ、菅井七段だけは違う。そういう若干16歳に天才少年に対して全力で立ち向かい勝利をし

「藤井さんの序盤の一手は、どこまで自分の力で考えたものといえるのか。私も含めて、若手はコンピュータを研究に使わざるをえない世代です。でも多くの棋士はコンピュータに言われたとおりに
やっているだけ。それだと個性がなくなり、ファンから飽きられてしまう。
羽生世代は、一手への理解の深みが違う」

「私は連勝記録や勝率を評価しません。それよりもタイトル獲得や棋戦優勝のほうが価値がある。
昨年の藤井さんは、朝日杯の優勝がなかったら、自分でも納得いかなかったんじゃないかな」

「詰将棋の計算力は、彼のほうが私の10倍は速いでしょう。でも、実戦ははるかに複雑で、
直感が求められる。どこまで読んでいるかなんて、数値で証明できない。証明できないものを恐れる必要はない」

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180913-00010005-flash-peo


藤井七段のファンからすれば「なんだこいつ」と思うような挑発的な発言ともとれるが、
私は余計に菅井七段が好きで仕方なくなった。
勿論これだけで好きになりようもない。彼は超が付くほどのファン思いで有名な棋士だ。
後援会も順調に機能し、地元岡山の将棋ファンのために人並以上に精力を尽くす方だ。
そして何より三浦九段に匹敵するぐらいの大の「将棋オタク」
渡辺棋王の「将棋はビジネスであり趣味とはいえない」と豪語している姿勢
(もちろんこの姿勢も立派)
と真逆で、毎日毎日将棋研究とVSに明け暮れる「大の将棋オタク」でもある。
どこぞのサイトで見たが、なんでも一番振り飛車党として研究を重ねる
大棋士である久保王将に対して、「VSやりましょう!朝七時から!」と言ってみたり・・・
エピソードは数多くある。

ファンを大事にし将棋を誰よりも愛する菅井七段が藤井七段相手に挑発的にもとれる
言動をとったのも、藤井さんを認めるからこそ。
どうでもいい存在ならコメント一つでてこないだろう。
それは菅井さんが普段の行いから、誰もが認める「将棋プロ」だからこそ。
「一流は一流を知る」
そんなことを勝手に想像してしまった。
菅井七段に対して嫌悪感を抱く人も中にはいるだろう。
それは一つの姿勢であり問題は全くないが、
菅井さんはそういう人も大事なファンの一人と考えて寛大に受け止めそうな気がする。
それほど彼は将棋に全力だ。

そういう菅井さんが窮地に陥っている。
王位防衛は最強棋士豊島棋聖に奪取されてしまった。
最期の最後まで先手番が勝つというぎりぎりの戦いが続いての結果だ。
本当に残念でならないが、菅井さんもまだまだ若いのでそのうちまたチャンスをつかむだろう。

ただそういう期待をよそに順位戦が思わしくない。
現在1-4で、下手するとB級2組落ちもあり得る成績だ。
菅井さんはタイトル戦では徹底的に研究を施した振り飛車ばかり、
ほかの棋戦では居飛車が中心で有名だが、そろそろ本腰入れないとやばい状況だ。
B-1以上に安パイと呼べる相手は存在しない。
タイトルまで奪われてB-2まで落ちてしまうようでは目も当てられない。
A級昇級は無理にしてもB-1残留は何とか決めてほしいものである。