<今話は一部に性描写を含みます。18歳未満の閲覧はご遠慮下さい>
ヒスイさんは俺の陰茎を両手で支えるように持ち変え、目を伏せた顔をゆっくりと股間に近づけて来る。
そしてっ! ついにっ! 桜色の柔らかい唇が俺の性器に触れたっ!!
「ん……ちゅっ……」
凄すぎる……本当にヒスイさんが俺のペニスにキスしている……。
ヒスイさんの真摯な表情からは愛情がひしひしと伝わって来て、まるで神聖な儀式でも行っているような神秘性すら感じられる。
「はぁ……トシ様の男性器に、口付けを捧げています……」
先走りと精液で汚れている亀頭に、瑞々しい唇が二度三度と啄ばむ様なキスを繰り返し、ヒスイさんは快感に震えるペニスを見詰めながら、まるで夢見るような、うっとりとした表情で言葉を紡いだ。
「ごめん、もう我慢できない! すぐに咥えてっ!」
その姿が途轍もなく綺麗で、妖艶で、清楚で、卑猥で、もう一秒でも早くヒスイさんに、俺の肉棒を咥えて貰いたくて我慢できない。
この清純で淫靡な淑女に、一刻も早く口内射精がしたくて堪らない。
「はい、仰せのままに……」
羞恥からか、か細い声で答えたヒスイさんだが、迷いも戸惑いも見せずに小さな口を開いてくれる。しかし、過去最大のサイズにまで膨らんだ自分の男根と見比べ、改めて口内に入るのか不安になって来た。
「……はぁ」
熱い吐息と共に、控えめに開かれた艶やかな唇の隙間からは、真珠のように輝く歯列と珊瑚色の舌が覗ける。こんなにも華麗な口腔で、俺の赤黒い一物に奉仕して貰えるなんて……感動どころではない。
「んっ……」
徐々に開かれる姫君の唇が肉棒を這うかのように進み、俺の亀頭を口内に迎え入れてくれる。海綿体が四方八方から熱い粘膜に包まれ、手淫とは次元が違う快感に、男根から脳天まで電流が走ったようだ。
衝撃で呻き声すら詰まり、俺の目は大きく見開かれる。
「――っ! 痛かったのですか!?」
俺の過剰反応に驚いたヒスイさんが、おろおろしながら上目遣いで尋ねる姿は、普段なら途轍もなく萌えているけど、今はただフェラを中断されたことが辛い。一度知ってしまった快楽は手放せないのだろう。
「気持ち良過ぎただけですから、咥えたままでっ!」
俺の切羽詰った声に応えて、ヒスイさんは再び亀頭を咥えてくれた。
「あぁ……いいですよ……そのまま舐めてください……」
「んぅっ……こく……れろれろ……ぬるっ、れろ……ぴちゅっ……」
俺の亀頭を口に含んだままで、素直にコクリと頷くヒスイさんがエロかわい過ぎる上に、舌で立て続けに裏筋を舐め上げられ達しそうになる。童貞の俺にはキツ過ぎる刺激で、危うくイキそうになった。
「それ以上は、深くしなくて良いですから、くぁ、しゃぶってっ!」
俺がそう指示した理由は、頑張り屋さんのヒスイさんが深く咥えようとして喉を突いてしまうようだと、嘔吐いてしまい肉棒を吐き出されるかも知れないからだ。既に自分の欲求を満たすことしか考えていない。
「はむ、じゅっ、ちゅるっ……くちゅ、ぺちゃ……んっ、ちゅ……」
このフェラチオの快感が途切れることが、今は何よりも恐ろしい。
「あむ……むぅ、ちゅぅ、ちゅっ……ずちゅっ……ちゅぅ、んんんっ」
亀頭を舐めしゃぶられながら鈴口を吸われると、さっき出し残した精子が尿道から吸いだされ、ヒスイさんが唾液と精液の混合物を飲み込む動作により、口内が複雑に震えることで齎される快感は度が過ぎている。
「んっ……ぴちゅ……ちゅぱ、ちゅ、ぺちゃ、んくっ、んくっ……」
この最後に残った汁まで吸い出して貰える感覚は、フェラ以外では絶対に味わえないだろう。俺は今、ローレル王国の女王陛下にチンポをしゃぶらせている上に、残り物の精子を飲ませているんだっ!!
「はむ、じゅっ、ちゅるっ……んく……れろ、くちゅ、じゅちゅ……」
その圧倒的な愉悦は射精欲求を我慢しようという気すら起こさない。長く口内の感触を愉しみたい気持ちも少しはあるが、ヒスイさんは俺が頼めば何度でもしてくれるだろうから、また次も咥えて貰えば良いだけだ。
「はぁ……このまま口の中に……うぁっ……出しますよっ!!」
俺は情けない大声を上げると同時に、ヒスイさんの頭を両手で押さえ付けると、ヒスイさんの柔らかくて温かい舌に亀頭を押し付けながら、なんの遠慮も躊躇も我慢もせず口内に汚液を吐き出した。
――ぴゅるるるっ! どくんっ!! どくっ! どくっ!
今までとは比較にならない勢いで、過去最大量の精液が迸っている。
――びゅっ、びゅく、びゅくっ、びくんっ!! びくびくっ!
射精により口内でビクビクと暴れる剛直が、口腔内の粘膜にぶつかることで歓楽を持続させ、軽く歯に当たる感触ですら快感一色だ。
体中が震え頭も真っ白になり、海綿体は蕩けそうになっている。
「――んんっ!? ……んぅっ、んくっ……こくっ、こくっ……」
察しの良いヒスイさんは俺が頼む前、射精が続いている途中から喉を鳴らして精子を飲み込み始めてくれた。それによりチンポの痙攣と同時に口内が連続して蠢くことになり、相乗効果で凄まじいことになった。
「んむぅっ……んっ、んっ……こくっ、ごくっ……」
健気にも亀頭を咥えたまま精飲し続けるヒスイさんは、勢いよく飛び出し続ける劣情に目を見開きながら蒼眼を揺らめかせ、穢れを知らない聖女の口内に射精しているという事実を、否が応にも強調する。
「んくっ、うむっ……!?」
それにしても、いつまで経っても止まらない射精に、俺は快感で体感時間が引き伸ばされてるのだとしてもマズイんじゃないかと思い始め、ヒスイさんが苦しそうだと気が付いたので慌てて腰を引いた。
「…………はぁっ!」
ヒスイさんの口から剛直を引き抜いても、尿道口から発射されるスペルマは途絶えず、好き放題に暴れる肉棒がヒスイさんの頬を叩きながら精液を撒き散らし、その美麗な尊顔を汚し尽くして行くのが止まらない。
――どくっ、ぴしゃ、どくっ、びしゃ、どくっ、ぴしゃ。
さっき顔射した時の精液をまるで上塗りするように、おでこにも瞼にも睫にも鼻にも、白濁液がべったりと付着した。そんな穢されきったはずの顔さえ美しいのだから、もう反則的な美貌と言うしかない。
口を閉じたまま射精を受けきったヒスイさんは、目を伏せながら僅かに顎を上げ、口内に残った精液を飲み込もうとしてくれた、けれど……直に左手を口元に当て咳き込んでしまった。
「……んくっ……んっ……けほっ、こほっ……」
苦しげな咳と共にヒスイさんの口辺と左手が白く染まっていく、てっきり全て飲み込んでくれるものと思い込んでいたので、俺の勝手な本音を言ってしまえば、期待を裏切られたようで凄まじくショックだ。
「はぁ、はぁ……もうしわけ……はぁ……ありません……」
荒い呼吸を繰り返しながら沈んだ声で謝るヒスイさんは、未だ掴んだままの男根を呆然とした表情で見詰めていた。
やがて目尻に涙が溜まり……声もなくぽろぽろと涙を流し始める。
その涙を見て、俺は一気に頭が冷えて行くのを感じた。俺は全て飲み込んで貰えなくてショックだったけど、よく考えなくても一途で献身的なヒスイさんの方が、飲み込めなかったことで傷ついたに決まっているっ!!
「あの、ヒスイさん……焦りすぎました……すいません……」
今日までヒスイさんとの性行為が上手く行っていたので、いつの間にか俺は調子に乗っていたらしい。これまでは段階を踏んで進めていたのに、慎重さを忘れ暴走してしまえば失敗するのは当然だ。
今回は、処女でフェラが初めてのヒスイさんに、いきなり肉棒を咥えさせた上にしゃぶらせ、そのまま口内に射精したかと思えば、咥えさせたまま精飲させようとした訳だから、鬼畜の所業と言われても仕方ない。
「いいえ……わたくしこそ、自身の想いに自惚れておりました。
全ての精液を飲んでさし上げられなかった、どころか……、
あまつさえ吐き出してしまうなんて、トシ様の恋人失格です」
もの凄く深刻な顔で俯いて、静かに泣いてらっしゃる……。
「ええと、前に練習とかはしない方が嬉しいと言いましたし
急に無理をさせてしまった訳ですから、仕方なかったかと……。
それに、その……ヒスイさん以外と恋人になる気は全く無いので、
失格だと言われてしまうと、私は一人になってしまいます」
あっ……まだ泣いているけど、少しだけ顔を上げてくれた。
「すんっ……ご奉仕の最中に泣いてしまう等と不調法を晒した上に、
お手間を取らせてしまい、申し訳ございせんでした。
ですが、トシ様が慰めて下さり、とても嬉しかったです……」
ややぎこちないながらも、ヒスイさんは笑顔を見せてくれる。
「こちらこそ、慰めさせて貰えて、お礼を言いたいぐらいです」
「何故でしょうか……?」
きょとんと小首を傾げるヒスイさんが可愛くて、改めて萌えた。
「保護欲とかが満たされたんですよ。情けない男の見得です」
「……くすっ♪ でしたら、時々は泣いた方がよろしいのですか?」
やべぇ、超絶にかわえぇ。泣き顔と笑顔の落差にやられた……。ここ最近は色々な意味で、上げ膳据え膳の上に、至れり尽くせりヒスイさんの世話になりっぱなしだったから、俺としては心苦しくも思っていた。
「ふふ、冗談ですけれど、寂しい時はトシ様に慰めて欲しくなり、
嘘泣きをしてしまうかも知れません♪」
そんな状況になったら、俺の方が寂しくて我慢できなくなりそう。
「ヒスイさんが寂しがっているのなら、嘘泣きだろうと慰めますよ。
それに……ヒスイさんを慰められるのが、俺で嬉しいです。
他の相手には、慰められて欲しくないとも思っています」
あえて口に出すことで独占欲がより肥大化していく。俺の自分勝手な欲望に過ぎないのだけど、ヒスイさんの方も被独占欲が強そうなので、二人の相性は良いんじゃないかと思ってる。
「わたくしが、涙が出るほど切なく想うのも、
涙が出るほど嬉しく想うのも、トシ様だけです……」
うっとりとした表情で、ヒスイさんは期待以上の台詞を言ってくれた。
「それなら、ヒスイさんを慰められるのは、俺だけの特権ですね」
「あぁ、トシ様……わたくしは、五ヶ国一の幸せものです」
そろそろ心も身体も盛り上がって、我慢の限界に近づいて来た。
「良ければ、また口でしてくれませんか? 実は辛いので……」
いや、たぶんヒスイさんの性格を考えるに、この提案が一番効果的なんですよ。まあ、ヒスイさんの泣き顔にグッと来て、股間をおっ立ててた俺は人でなしかもだけど、涙にくれる美女は色っぽいんだもん……。
「挽回の機会を与えて下さり、ありがとうございます。
今度こそは全て……」
復調したヒスイさんに感謝までされてしまうと、嬉しいやら申し訳ないやら少し複雑だけど、結局は嬉しい。
【前話 西へ強行軍】 【目次】 【感想掲示板】 【次話 車中の口淫(後)】
ヒスイさんは俺の陰茎を両手で支えるように持ち変え、目を伏せた顔をゆっくりと股間に近づけて来る。
そしてっ! ついにっ! 桜色の柔らかい唇が俺の性器に触れたっ!!
「ん……ちゅっ……」
凄すぎる……本当にヒスイさんが俺のペニスにキスしている……。
ヒスイさんの真摯な表情からは愛情がひしひしと伝わって来て、まるで神聖な儀式でも行っているような神秘性すら感じられる。
「はぁ……トシ様の男性器に、口付けを捧げています……」
先走りと精液で汚れている亀頭に、瑞々しい唇が二度三度と啄ばむ様なキスを繰り返し、ヒスイさんは快感に震えるペニスを見詰めながら、まるで夢見るような、うっとりとした表情で言葉を紡いだ。
「ごめん、もう我慢できない! すぐに咥えてっ!」
その姿が途轍もなく綺麗で、妖艶で、清楚で、卑猥で、もう一秒でも早くヒスイさんに、俺の肉棒を咥えて貰いたくて我慢できない。
この清純で淫靡な淑女に、一刻も早く口内射精がしたくて堪らない。
「はい、仰せのままに……」
羞恥からか、か細い声で答えたヒスイさんだが、迷いも戸惑いも見せずに小さな口を開いてくれる。しかし、過去最大のサイズにまで膨らんだ自分の男根と見比べ、改めて口内に入るのか不安になって来た。
「……はぁ」
熱い吐息と共に、控えめに開かれた艶やかな唇の隙間からは、真珠のように輝く歯列と珊瑚色の舌が覗ける。こんなにも華麗な口腔で、俺の赤黒い一物に奉仕して貰えるなんて……感動どころではない。
「んっ……」
徐々に開かれる姫君の唇が肉棒を這うかのように進み、俺の亀頭を口内に迎え入れてくれる。海綿体が四方八方から熱い粘膜に包まれ、手淫とは次元が違う快感に、男根から脳天まで電流が走ったようだ。
衝撃で呻き声すら詰まり、俺の目は大きく見開かれる。
「――っ! 痛かったのですか!?」
俺の過剰反応に驚いたヒスイさんが、おろおろしながら上目遣いで尋ねる姿は、普段なら途轍もなく萌えているけど、今はただフェラを中断されたことが辛い。一度知ってしまった快楽は手放せないのだろう。
「気持ち良過ぎただけですから、咥えたままでっ!」
俺の切羽詰った声に応えて、ヒスイさんは再び亀頭を咥えてくれた。
「あぁ……いいですよ……そのまま舐めてください……」
「んぅっ……こく……れろれろ……ぬるっ、れろ……ぴちゅっ……」
俺の亀頭を口に含んだままで、素直にコクリと頷くヒスイさんがエロかわい過ぎる上に、舌で立て続けに裏筋を舐め上げられ達しそうになる。童貞の俺にはキツ過ぎる刺激で、危うくイキそうになった。
「それ以上は、深くしなくて良いですから、くぁ、しゃぶってっ!」
俺がそう指示した理由は、頑張り屋さんのヒスイさんが深く咥えようとして喉を突いてしまうようだと、嘔吐いてしまい肉棒を吐き出されるかも知れないからだ。既に自分の欲求を満たすことしか考えていない。
「はむ、じゅっ、ちゅるっ……くちゅ、ぺちゃ……んっ、ちゅ……」
このフェラチオの快感が途切れることが、今は何よりも恐ろしい。
「あむ……むぅ、ちゅぅ、ちゅっ……ずちゅっ……ちゅぅ、んんんっ」
亀頭を舐めしゃぶられながら鈴口を吸われると、さっき出し残した精子が尿道から吸いだされ、ヒスイさんが唾液と精液の混合物を飲み込む動作により、口内が複雑に震えることで齎される快感は度が過ぎている。
「んっ……ぴちゅ……ちゅぱ、ちゅ、ぺちゃ、んくっ、んくっ……」
この最後に残った汁まで吸い出して貰える感覚は、フェラ以外では絶対に味わえないだろう。俺は今、ローレル王国の女王陛下にチンポをしゃぶらせている上に、残り物の精子を飲ませているんだっ!!
「はむ、じゅっ、ちゅるっ……んく……れろ、くちゅ、じゅちゅ……」
その圧倒的な愉悦は射精欲求を我慢しようという気すら起こさない。長く口内の感触を愉しみたい気持ちも少しはあるが、ヒスイさんは俺が頼めば何度でもしてくれるだろうから、また次も咥えて貰えば良いだけだ。
「はぁ……このまま口の中に……うぁっ……出しますよっ!!」
俺は情けない大声を上げると同時に、ヒスイさんの頭を両手で押さえ付けると、ヒスイさんの柔らかくて温かい舌に亀頭を押し付けながら、なんの遠慮も躊躇も我慢もせず口内に汚液を吐き出した。
――ぴゅるるるっ! どくんっ!! どくっ! どくっ!
今までとは比較にならない勢いで、過去最大量の精液が迸っている。
――びゅっ、びゅく、びゅくっ、びくんっ!! びくびくっ!
射精により口内でビクビクと暴れる剛直が、口腔内の粘膜にぶつかることで歓楽を持続させ、軽く歯に当たる感触ですら快感一色だ。
体中が震え頭も真っ白になり、海綿体は蕩けそうになっている。
「――んんっ!? ……んぅっ、んくっ……こくっ、こくっ……」
察しの良いヒスイさんは俺が頼む前、射精が続いている途中から喉を鳴らして精子を飲み込み始めてくれた。それによりチンポの痙攣と同時に口内が連続して蠢くことになり、相乗効果で凄まじいことになった。
「んむぅっ……んっ、んっ……こくっ、ごくっ……」
健気にも亀頭を咥えたまま精飲し続けるヒスイさんは、勢いよく飛び出し続ける劣情に目を見開きながら蒼眼を揺らめかせ、穢れを知らない聖女の口内に射精しているという事実を、否が応にも強調する。
「んくっ、うむっ……!?」
それにしても、いつまで経っても止まらない射精に、俺は快感で体感時間が引き伸ばされてるのだとしてもマズイんじゃないかと思い始め、ヒスイさんが苦しそうだと気が付いたので慌てて腰を引いた。
「…………はぁっ!」
ヒスイさんの口から剛直を引き抜いても、尿道口から発射されるスペルマは途絶えず、好き放題に暴れる肉棒がヒスイさんの頬を叩きながら精液を撒き散らし、その美麗な尊顔を汚し尽くして行くのが止まらない。
――どくっ、ぴしゃ、どくっ、びしゃ、どくっ、ぴしゃ。
さっき顔射した時の精液をまるで上塗りするように、おでこにも瞼にも睫にも鼻にも、白濁液がべったりと付着した。そんな穢されきったはずの顔さえ美しいのだから、もう反則的な美貌と言うしかない。
口を閉じたまま射精を受けきったヒスイさんは、目を伏せながら僅かに顎を上げ、口内に残った精液を飲み込もうとしてくれた、けれど……直に左手を口元に当て咳き込んでしまった。
「……んくっ……んっ……けほっ、こほっ……」
苦しげな咳と共にヒスイさんの口辺と左手が白く染まっていく、てっきり全て飲み込んでくれるものと思い込んでいたので、俺の勝手な本音を言ってしまえば、期待を裏切られたようで凄まじくショックだ。
「はぁ、はぁ……もうしわけ……はぁ……ありません……」
荒い呼吸を繰り返しながら沈んだ声で謝るヒスイさんは、未だ掴んだままの男根を呆然とした表情で見詰めていた。
やがて目尻に涙が溜まり……声もなくぽろぽろと涙を流し始める。
その涙を見て、俺は一気に頭が冷えて行くのを感じた。俺は全て飲み込んで貰えなくてショックだったけど、よく考えなくても一途で献身的なヒスイさんの方が、飲み込めなかったことで傷ついたに決まっているっ!!
「あの、ヒスイさん……焦りすぎました……すいません……」
今日までヒスイさんとの性行為が上手く行っていたので、いつの間にか俺は調子に乗っていたらしい。これまでは段階を踏んで進めていたのに、慎重さを忘れ暴走してしまえば失敗するのは当然だ。
今回は、処女でフェラが初めてのヒスイさんに、いきなり肉棒を咥えさせた上にしゃぶらせ、そのまま口内に射精したかと思えば、咥えさせたまま精飲させようとした訳だから、鬼畜の所業と言われても仕方ない。
「いいえ……わたくしこそ、自身の想いに自惚れておりました。
全ての精液を飲んでさし上げられなかった、どころか……、
あまつさえ吐き出してしまうなんて、トシ様の恋人失格です」
もの凄く深刻な顔で俯いて、静かに泣いてらっしゃる……。
「ええと、前に練習とかはしない方が嬉しいと言いましたし
急に無理をさせてしまった訳ですから、仕方なかったかと……。
それに、その……ヒスイさん以外と恋人になる気は全く無いので、
失格だと言われてしまうと、私は一人になってしまいます」
あっ……まだ泣いているけど、少しだけ顔を上げてくれた。
「すんっ……ご奉仕の最中に泣いてしまう等と不調法を晒した上に、
お手間を取らせてしまい、申し訳ございせんでした。
ですが、トシ様が慰めて下さり、とても嬉しかったです……」
ややぎこちないながらも、ヒスイさんは笑顔を見せてくれる。
「こちらこそ、慰めさせて貰えて、お礼を言いたいぐらいです」
「何故でしょうか……?」
きょとんと小首を傾げるヒスイさんが可愛くて、改めて萌えた。
「保護欲とかが満たされたんですよ。情けない男の見得です」
「……くすっ♪ でしたら、時々は泣いた方がよろしいのですか?」
やべぇ、超絶にかわえぇ。泣き顔と笑顔の落差にやられた……。ここ最近は色々な意味で、上げ膳据え膳の上に、至れり尽くせりヒスイさんの世話になりっぱなしだったから、俺としては心苦しくも思っていた。
「ふふ、冗談ですけれど、寂しい時はトシ様に慰めて欲しくなり、
嘘泣きをしてしまうかも知れません♪」
そんな状況になったら、俺の方が寂しくて我慢できなくなりそう。
「ヒスイさんが寂しがっているのなら、嘘泣きだろうと慰めますよ。
それに……ヒスイさんを慰められるのが、俺で嬉しいです。
他の相手には、慰められて欲しくないとも思っています」
あえて口に出すことで独占欲がより肥大化していく。俺の自分勝手な欲望に過ぎないのだけど、ヒスイさんの方も被独占欲が強そうなので、二人の相性は良いんじゃないかと思ってる。
「わたくしが、涙が出るほど切なく想うのも、
涙が出るほど嬉しく想うのも、トシ様だけです……」
うっとりとした表情で、ヒスイさんは期待以上の台詞を言ってくれた。
「それなら、ヒスイさんを慰められるのは、俺だけの特権ですね」
「あぁ、トシ様……わたくしは、五ヶ国一の幸せものです」
そろそろ心も身体も盛り上がって、我慢の限界に近づいて来た。
「良ければ、また口でしてくれませんか? 実は辛いので……」
いや、たぶんヒスイさんの性格を考えるに、この提案が一番効果的なんですよ。まあ、ヒスイさんの泣き顔にグッと来て、股間をおっ立ててた俺は人でなしかもだけど、涙にくれる美女は色っぽいんだもん……。
「挽回の機会を与えて下さり、ありがとうございます。
今度こそは全て……」
復調したヒスイさんに感謝までされてしまうと、嬉しいやら申し訳ないやら少し複雑だけど、結局は嬉しい。
続く
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