桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

おかしくない?

2013-09-13 | Weblog
俺も若い頃は悪さをした。犯罪になること、ならないこと、若気のいたりとは言わないが、良くやったなぁ。
今はネット社会で、自分のやる悪ふざけを写真に撮り、ネットに流して喜ぶ若者が多数いて社会的に騒がれている。
その反応を見ていると、どうも俺には過剰反応としか思えない。店で裸になって座ったからと、それで閉店とは、どんな考えなのだろうか。
俺には理解出来ない。
タレントのみのもんたさんの息子が窃盗未遂。親父はタレント活動自粛だと言う。
みのもんたはテレビの中で、良く高所賢所からの高説を垂れる人だから、自分の息子が犯罪と来ては、恥ずかしくてテレビになど出演出来ない気持ちになるだろう。それは判るが、息子とは言え、もう成人した社会人だ。息子は息子、親は親ではなかろうか。
それはそれ、これはこれとして本質の違うことを一緒くたにして処分すれば潔いとでも思うのかも知れないが、何だか俺には一族郎党を粛清するみたいな気味悪さ、おぞましさを感じてならないなぁ。

水戸駅宣伝

2013-09-13 | Weblog
昨夜は、北陵クリニック事件守る会の駅宣伝に行った。
水戸駅南口では、布川事件も定期的に宣伝活動をしたが、その闘いをしてくれた皆さんが、今、 同じ思いで北陵クリニック事件を勝たせようと頑張っている。
つい、人様の前に立つときは正装、背広を着なければ!と思ってしまうが、昨夜は普段着で行った。
参加者は13名だったか。1時間、声を上げてビラを配った。
南口の広いデッキにたむろする高校生が署名に来たり、それなりの関心は得られるが、そうビラの受け取りは良くない。
他人事ではない冤罪問題を、もっと広めなければ。

可視化集会

2013-09-11 | Weblog
今夜は、日弁連で取り調べの全面可視化を求める連鎖集会だった。
今夜は、講堂ではなくて3階の部屋だったが、開始の15分前に行ったらば、もう満員に近くてビックリ。多分、会場には160名はいたと思うが、違う部屋も用意してテレビで見て貰ったとか。
参加者には、若い人たちが多くて、俺にも力になった。

1億火の玉

2013-09-11 | Weblog
戦争中、そんな標語があったとか。
村社会日本は異論を許さず、少しでも反戦を語れば、すぐに密告されて特高警察に逮捕され、拷問で殺されもした。
1億火の玉だ、責任は1億の日本人全員だ!
かくして日本人は戦争責任を、自ら正すことはなく、今日に来ている。
東京オリンピックが決まり、火の玉日本は、その開催に異を唱えたりすると、水をさすな!とか言う輩が、必ず出るが、でも、さすがに安倍首相の大嘘発言には、批判や揶揄する新聞記事も散見される。それはそうだよね、汚染水は完全にコントロールされてる、なんて、どこをどう見て生まれる発言だか、少しでも現実を見る目があれば疑問に思うだろう。
国連の中で平然と嘘を語る政府代表を見ている俺は、安倍首相が世界の注目する中で嘘を語るのにも驚かないが、こんな大胆な嘘を言って国際信用を失わないのかと、日本人として不安になるねぇ。
排水タンクに近く掘った井戸からは、また高い放射能が観測されたと言う。数年でダメになると言われる粗製のタンクから漏れでる汚染水は、これからが本番。メトルダウンした燃料棒の存在すら確認出来ず、地下水の汚染も止まる見通しはないんだもの、安倍首相の発言は夢物語りだよなぁ。責任はどうなる?どうする?
1億火の玉、みんなの責任なんて、俺は拒否するからね。たとえ、安倍首相の願う憲法改悪が実現して憲兵や特高警察が復活しても、俺は否を唱えるよ!

司法か行政か

2013-09-11 | Weblog
警察官は、調書を作るときに「司法警察員」と書く。司法って訳だけど、警察ってのは行政だよね。
警察を悪く言うとき、権力の犬とか言うけど、確かに警察は権力に近い。自民党政治の護衛隊、財界の番犬的な部分がある。
警察官の天下り先は、最後は企業になる訳だから仕方ない心理だろうが、司法として厳格に正義や真実を守るのではなくて、利益に寄り添ってしまうところが、司法警察の泣き所だろう。昨日、福島原発捜査に終了宣言をした検察、ここも司法だが、この組織も警察以上に歪んでる。
なぜ東電に強制捜査も行わないで無罪放免としたのか、色々と言い訳を語っているようだが、組織を犯罪者にしたくなかったのかも知れないね。もし、東京電力という組織自体を罪に問うならば、今、 検察の行っている組織的犯罪行為も問われる論理が生まれるのを怖がったように、俺には感じられた。
本来、司法として社会悪に対して、厳格な正義と真実を基とした捜査を行う組織に甦って欲しいけどなぁ。

ほとんど報道されないニュース

2013-09-10 | Weblog
世の中には報道されないニュースが沢山あって、何事もないかのように見逃されていることも多い。
俺は、冤罪と闘い、今も警察や検察の不正を正したいと願って頑張っているから、その類いのニュースには注目しているが、残念ながら見逃されている情報が多くある。
今、 最も再審開始に近いのは大阪の東住吉事件だが、浜松の袴田事件と鹿児島の大崎事件も進展して、この両事件は、同じような話がある。
どちらも裁判所が証拠開示に積極的になり、検察に証拠開示を求めたのだが、検察は裁判所に対して、「開示を命じる法的根拠を示せ」と反発したのだ。
検察は裁判所の上位にあると増長し、完全に裁判所を見下している。甘く見ているのだ。
これまでの司法の歴史が、そういう歪みを生んで来たのだが、一般の人は、裁判所が事実を判断するために必要と考えたことに対して、検察が逆らい、証拠を提出しないなんて事実は知らない。知らないからこそ、社会に知らせるニュースにして欲しいのだが、マスコミが、この歪みを見つめる目は弛い。
結局、検察は、裁判所の命令は拒否するが、自分から進んで提出するとして証拠開示に応じたのだが、証拠を公開しない条件を付けたそうだ。
検察が「一般に公開するな」などと言うときは、必ずプライバシー侵害の恐れとか理屈を付けるが、プライバシーを侵したならば、侵した人が責任を負えば良いことだ。検察は自分たちの有罪論が負けそうになる証拠の開示を拒否する理屈としてプライバシー問題を利用しているに過ぎないのだ。
俺には大問題だと思うが、ほとんど社会には知られなくて、今日も検察は正義面をして、あっちこっちの裁判所で御高説を垂れている。

外国特派員協会

2013-09-10 | Weblog
昨日は、外国特派員協会で記者会見をした。
菅家さん、川畑さんにも来て貰い、全面的な可視化と証拠開示を求めるネット署名を開始することでの会見だった。
外国特派員協会と言っても、外国人らしき記者は数名、日本人が多かった。それでもスポットライトが当たったりする雰囲気のせいか、菅家さんが異常に上がっていたが、それでも無事に終わった。
ネットという手段で活動も始めることになるが、まあだからと言って俺に変わることもない。今までと同じに司法に当たり前の正義が通用するようになるまで、声を上げ続けるだけだ。

オリンピック

2013-09-09 | Weblog
東京開催が決まったと、昨日からテレビは大騒ぎだ。運が強いねぇ、安倍首相は。
俺が17歳のとき、東京オリンピックが開催された。東京の高円寺に住んでいて、聖火が燃える国立競技場を見ながら中央線に乗っていた記憶があるが、だからどうという特別の印象や思いはなかった気がする。
塀の中で7回ほどのオリンピックをやり過ごして、何時か自由に観たいと思っていたが、自由になっても、なかなか思うままには行かなかった。
生きている間に、まさか2度も観られるとは思わなかった。今回も福島原発事故があり、厳しいかと思っていたし、オリンピックの前にやることがあるだろ、とは思っているが、東京に決まったことは素直に喜びたい。
アベノミックスは、このまま社会のアッパークラスに金をばら蒔いただけで終わると思ったが、数々の建設が始まることで、その延命に繋がるだろう。
ただ、これで確定、安心とはならない。安倍首相は大言壮語したが、福島原発事故処理は、全く未確定であることに変わりがない。汚染水が止められず、更なる問題が発生すれば開催などは水泡と帰すだろう。
それに東南海大地震の懸念もある。それが発生したらば東京にも津波は来る。開催と決まったらば、一発アウトの大地震が来ないのを祈る気持ちだけどなぁ。

名張事件

2013-09-08 | Weblog

昨日は、日弁連の講堂クレオで名張事件を映画化した「約束」が上映されて、出演者の樹木希林さんや監督の斎藤さん、弁護団長の鈴木先生、江川紹子さんでのパネルディスカッションがあった。
今までにクレオで開かれた沢山の集会に参加したが、昨日ほど、多くの参加者があったのは、初めてだった。新聞には7百名ともあったが、超満員だった。
それだけ社会の関心を集めているのだろうが、名張事件の再審の行方は、まだ不透明だ。
科学的事実を曲解する裁判官の誤りによって、奥西さんは人生を翻弄され、今、八王子医療刑務所で病と闘っている。何度も生死を別つ状態になりながら、必死に生き続ける奥西さんは、ただひたすらに無実を証したい!という一念で生き続けていることが、弁護団報告で語られたが、証拠を偽造して有罪にし、今も無実の証拠を隠し続けている検察と、その検察の思うままにさせる裁判所を考えて、激しい怒りを味わう集会だった。
名張事件の捜査と裁判の経過を考えると、嘘を造り出す捜査権力の怖さと、それに乗せられてしまう人間の弱さを、強く感じる。
福島原発に収束宣言を出しても事故は収まっていないと同じに、奥西さんが有罪にされても名張事件は解決していない。
奥西さんを考えると、俺が先に勝ってしまったのが申し訳ないような思いになるが、奥西さんの再審を、1日も早く開始させるために、俺も力を尽くしたいと、改めて思った集会だった。

坂本貞一先生

2013-09-06 | Weblog
坂本先生は、名古屋の弁護士さん。
名古屋法律事務所が、佐藤光政さんのコンサートをしたことが切っ掛けで、布川事件守る会が名古屋に結成されたとき、先生は会長になってくださった。
それから何年になったろうか。
幸いにも再審を実現して無罪判決を勝ち取り、先生にも喜んで頂いたが、一応、闘いは終了したことから、坂本先生ともお会いする機会は減った。お元気にご活躍と思っていたが、今回の訃報だ。
日帰りで参列したお別れの会は、会場一杯に人が集まり、座れない人も沢山いたほどで、先生の生きて来た道が判る思いになった。
人の人生は言葉じゃない。小賢しく言葉を操る、同じ弁護士だけど橋下みたいな奴もいるが、人の本質が評価されるのは行動なのだと、今日は教えて頂いたなぁ。
俺も、もっと頑張って行動しなくては。