桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

今市事件3

2016-03-10 | Weblog
昨日は、検察官が「被告は自発的に自白した」と証言して、今日、その録画を見るらしい。
これ、意味があるのかなぁ。
自分の体験でも思うけど、なぜ嘘の自白をしたのか、その原因となる場面が録画されていないのでは、何の証明にはならない。心が折れてしまった後、「はい、こうして素直な自白ですよ」と見せられた裁判員は、果たして真実を見抜けようか。
そもそも警察で痛め付けられて「やった」と言わされるのが冤罪の始まりだ。警察での取り調べを完全に録画しなくては、その自白の真偽は測れないのに、殴ったり脅したりの場面は撮影しないで、ただ自白部分だけを見せるのが、今の可視化だ。百害あれども一理すらもない。
裁判員、騙されないかなあ。
今、参議院で審議が始まろうとしている刑事訴訟法改正案は、脅したりの殴ったりの場面を撮影しないで良いとするものだ。認められるはずがない。
裁判では警察も検察も嘘を語る。被告を有罪にするたむならば、平然と証拠を捏造する組織なのだから、彼らの証言を信じてはならないと、過去の冤罪事件は教えているが、今市事件でも同じ轍を踏まないかなぁ。危うい、危ういねぇ。

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1 コメント

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実態を知らしめるためには (柳田 豊)
2016-03-10 20:51:16
 産経新聞の加藤元ソウル支局長の「なぜ私は韓国に勝てたか」と言う本に取り調べに弁護士を同席させて録画するくだりがありました。

 この点を韓国嫌いの人たちに突き付けると沈黙します。

 「取り調べの被疑者の人権保護については韓国に後れを取っているんだぞ」と言ったら、結構反応がありました。

 中には「外国の警察のことを言ってる場合じゃないな」と言った人もいました。

 さすがに、「勾留の期限が23日と5日のどちらがいいか」と言われれば考えるまでもないでしょうから。

 そして、「取り調べも歴史問題も思い込みにとらわれずに、記録や証拠を慎重に吟味すべきだ」と言ったら、皆が同意してくれました。
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