桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

再開

2008-04-30 | Weblog
 2005年9月21日、水戸地裁土浦支部は、私の長い月日の訴えを聞き入れてくれた。再審開始決定!
でも、喜びも束の間、検察が決定に異議を唱えて抗告し、東京高裁での闘いになった。
あれから2年半余り。高裁での事実調べが行われ、総てが終わって、この夏には高裁の決定が下されようと言う状況の今、今までに感じなかったような怒りを感じ始めている。
そこで長く中断したブログを再開して、我が思いを書き連ねることにしました。
何を怒っているかと言えば、検察の証拠隠しと、それを許したままに進む裁判にだ。
私も経験して判ったことだけど、裁判は、総ての証拠が出されるシステムにはなってない。検察官が犯人だとして起訴した人を有罪と思わせる証拠しか出さない。
我が布川事件でも同じ。私と杉山を有罪と思わせる証拠だけしか裁判に出さなかった。ところが、今度の高裁での事実調べ(再審ってのは普通の裁判と違い、公開されないし、普通は審理と呼ばれる裁判の経過も事実調べと言う ) では、沢山の警察による証拠のでっち上げが判ったのです。詳しくは布川事件のホームページで見て貰えれば有難いけど、捜査報告書の割り印が違ってたのには呆れてしまった。我々を犯人にするのに不都合があったから、中身を差し替えたんだろうね、きっと。
それで、弁護団は検察の持ってる証拠で、存在が判る証拠を提出するように求めたらば、「不見当 」だと言うんです。
皆さん、判ります不見当って?無いと言うと嘘になるから、見当たらない、と言うんです。汚いですよね。
こんなことが土浦支部での事実調べでありました。現場から毛髪8本が発見され、桜井・杉山の髪の毛と鑑定したら違っていた、という鑑定書が35年隠されていたことが判ったんです。当然、弁護団も私も、もう1通あるだろと言いました。殺害現場で採取される指紋や毛髪と被害者のを鑑定しないはずは無いでしょ?これも不見当でした。ご丁寧にも裁判所に書面で「不見当」と解答したのですが、悪いことは出来ない。領置調書というのがあって、現場から警察に持って行った品物を書き留めた書類に「玉村象天、毛髪、若干、鑑定中」と書かれているのを弁護士が発見したのです。そしたらば、すぐに見付かったと提出して来たのです。多分、現場に我々と合わない指紋があり、更に毛髪もあったとなれば、我々を犯人にするのに不都合だから隠したのでしょうね。
とにかく検察は証拠を隠す!皆さんが我々の立場なら許せますか?

私は土方をして生活してます。っても、アルバイト。再審の活動をしながらなもので、家のことまで手が回らず、我が家の庭は草が伸び放題。そんな生活も含めて、我が闘いの月日、その思いを書き綴ります。

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