桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

工藤会事件判決

2021-08-25 | Weblog
北九州の戦闘的な暴力団が利権 確保のために一般人を殺したりした事件で会のトップ2人に死刑と無期懲役の判決が出された。
暴力団の事件だけに殺人の証拠はない。殺した組員が、誰の指示だとかを語るはずがないのだし、このような犯罪は犯人が特定出来ないままに終わることもあれば、蜥蜴の尻尾切りで終わるのが、今までの結末だった。
今回の一連の犯罪は、工藤会が行ったことは間違いない。ゆえに会のトップとナンバー2が逮捕されて有罪とされたのだが、俺は証拠がないままに状況証拠で下した、この判決に反対だ。
日本の警察や検察、裁判所は危うい。このような状況証拠で犯行を認定しているから冤罪は作られることを、俺は、余りにも沢山見て来た。だから、工藤会の犯行を許せないし、被害者の無念には慰めの言葉もないが、このような認定には賛成できない。
そもそも暴力団が看板を掲げて存在し得る日本は間違っている。
任侠などとして昔から大手を振って社会に存在するが、悪事を行い、暴力で人を言うがままにする組織なのに社会的な存在にして来たことが間違いなのだ。
安保闘争などでは国民のデモに対して警察と手を組んで鎮圧したのが暴力団だった。日本の暴力団は自民党の政治権力と結び付いてもいた。警察権力とも結び付いていた。
そのような歴史が工藤会を生み、今回の一連の事件と一般人の被害者を作ったのだ。
今でも暴力団が政治権力に近いことは、誰もが知っているはずだ。このような日本の描こからの歴史を反省して諸外国のように暴力団を社会的に存在させないことを考えるべきだと俺は思っているよ。

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