桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

名張事件の今

2020-09-27 | Weblog
遠慮仲間である名張事件の奥西さんが亡くなられた後、妹さんが再審を引き継いで闘っているが、あの事件の真犯人も明白だ。
故人となられた武田百合子さんは、その事件の日、早くに葡萄酒のあった奥西楢雄さん宅に手伝いに行った。
そのときに葡萄酒は土間からの上リ口にあったと語っている。その土間には茫然と立つ人がいたとも語るが、その人こそ、地元では「晴着を着ていた人が犯人らしいわな」と囁かれている人だ。
奥西勝さんは、楢雄さん宅から葡萄酒を公民館に運んだことから犯人にされたが、誰も来ないうちに葡萄酒の詮を開けて農薬を入れたと自白した内容が正しいとすれば、葡萄酒の封緘紙な破っていることになる。
ところが、今度、検察が開示した集会参加者の地域民の調書には「封緘紙が貼ってあった」と書かれていた。
自白は違っていた。
更に、裁判所は、この封緘紙の鑑定を認めたのだ。
もし、この封緘紙から2種類の糊成分が検出されたならば、これまでに弁護団が主張する「勝さん以外の第三者が封緘紙を開けて、更に貼った」ことが証明される。
もう何十年も前に武田百合子さんがテレビ取材に語った言葉の正しさも、また証明されることになる。そして、地元民が晴着を着て死んだ人の犯行だと噂する事実の正しさも証明されるのだ。
これまで真実に蓋をして来た検察の罪は重いし、事実に背を向けて来た裁判所の責任も、また重い。
名張事件における検察の犯罪行為は故意、裁判所の犯罪行為的な判断は未必の故意になるのかも知れないが、どちらも裁きたいし、裁く法律が欲しい。

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1 コメント

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Unknown (ishii)
2020-09-28 13:19:56
奥西さんが真犯人だと断定されるや、村人たちの供述が変わったのもおかしいですよね。

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