桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

証拠は誰のものか?

2014-09-26 | Weblog
少し前、元検察官から話を聞いたとき、逮捕状請求時に添付する証拠資料はじめ、検察官には判らない証拠を警察は握っている、という話だった。
布川事件でも、何枚かの解剖写真が警察から出て来たし、嘘発見機検査記録用紙は、茨城県警根本町倉庫に保管していて洪水で流出したとされている。
法律的には、総ての証拠は検察に送致するようになっているが、どうもまもられていないようだ。
今、愛知県警で証拠品を山に捨てた警察官がいたことが報じられ、「手続きが面倒で捨てた」と言っているようだが、警察が犯罪捜査で収集した証拠は、誰の物だろうか。
言うまでもない。
国民の物だ。犯罪捜査で収集した証拠品は、社会の安全を守るために必要な国民の財産だ。
検察は、我が物!と思い込んでいるようだし、警察にも同じような思い込みがあるのかも知れないが、そもそも論が必要かも知れない。
そもそも警察は、なんのために存在するのか、検察の存在理由は、など、根本的な指針を法律として制定して見直さない限り、警察や検察の組織悪に染まって歪んだ現状を変え、本来の真実と正義に立脚した組織には立て直すことは不可能かも知れない。
警察や検察が行う証拠に対する独善的な行為に、改めて法律の制定を求めたいと思う。

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1 コメント

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官僚の無謬性を前提としすぎてますね (Tri)
2014-10-01 03:38:24
数々の冤罪事件を見ればわかる通り、行政・司法機関が過ちをおかさないというのは有り得ない、にもかかわらず彼らをフリーハンドで信用することを前提とした制度を続ける道理がわかりません。

警察段階にせよ検察段階にせよ、証拠を隠したり、悪質なケースだと改ざん、捏造した事実が過去に存在する以上、証拠の取り扱いに関しては改めて審議会なり国会で議論されるべきだと思います。

証拠管理は警察とは別組織を立ち上げてそこで厳重に管理させるべきですね。同時に証拠の全面開示も義務化させるべきです。それがすぐには無理ならば、少なくとも裁判所からのアクセスだけでも自由にさせるべきでしょう(弁護側への開示は裁判所の判断で、という風にできれば現行の制度よりは前進だと思います)

司法制度改革の議論は審議会から国会へ移ったので、できればそこで本来行われるべきであった全事件の全面可視化と証拠開示の義務化へ向けて審議会の案を修正して貰いたいものです。

冤罪問題は政治家の先生たちにとっても切実な問題だと思うんですけどね。検察の思惑一つで政局が引っくり返されることは誰も望まないと思うのですが(もっとも、自民党と法務省(検察)がズブズブでそういう心配がないという思惑が裏にあれば別なんでしょうけど)
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