桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

弁護士

2008-06-21 | Weblog
昨夜は「冤罪弁護士」という本の出版記念パーティーに参加した。
筆者は今村核弁護士。
先生は、ホントに金になりにくい冤罪裁判に熱心に取り組まれ、これまで8件の無罪判決を得ておられる。俺は冤罪生活41年、いかに冤罪裁判の戦いが困難で、それに関わった弁護士の負担が大きいかは骨身に染みて知っている。我が弁護団長の柴田弁護士は、とうとう弁護士生涯を布川事件とともに過ごすようなことになり、その負担は数字に表したら大変なものだろう。なのに、今村先生は自ら冤罪を求めて弁護され、経済的な理由で古い背広で過ごされたというエピソードには、俺の知る実態以上の話で、こうまでされるのかと、今村先生の正義に対する法曹家としての一途さには、本当に感動した。弁護士は金持ち。経済的に困るはずがないという世間の認識を越えたエピソードを持たれる先生の存在は、俺たち冤罪者には、こんなに有り難くて心強いものはない。
ぜひ皆さんにも、先生の本を読んで欲しいものだ。
もうすぐ床が抜け落ちそうな家に住み、かなり無理して闘ってる俺にも、もっと頑張れよ!と喝を入れられた夜だった。
裁判員制度に絡む諸問題などを話し、時間を忘れて終電を逃してしまい、取手からタクシー帰りの散財!痛かったなぁ。でも、今村先生に触れられて嬉しかったし、楽しかった!
布川事件の宣伝に見向きもせずに通りすぎる司法修習生たちに、今村先生の爪の垢を飲ませたいとも思った夜だった。

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