桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

現地調査

2018-10-21 | Weblog




大仙市事件の発端とされた「道の駅神岡」に来て、畠山さんと進藤美香が40分ほど、一緒にいた時間を過ごし、それからリョウスケちゃんを用水路に投げ捨てた現場を回った。
印象的だったのは、道の駅で畠山さんのスズキアルト車内でリョウスケちゃんを殴ったとされているが、かなり車の出入りが激しい。
当日は小型車駐車場が満車で、進藤美香が一晩車を置いてあった隣は空いていないため(畠山さんの車で遊びに行った)、大型車駐車場スペースに駐めての暴行だとされたが、その理由はセックスに及ぼうとして邪魔をされた怒りという。
進藤美香の男遍歴や病歴の異様さは、リョウスケちゃんの死因を推測することは容易なのだが、畠山さんが主犯にされた背景があるのを知った。秋田県警の責任逃れだ。
畠山という姓で思い出すのは畠山鈴香の虐待殺害事件だ。自分の息子を殺害しながら被害者のように装った姿は、当時のテレビを賑わした。
秋田県北で起きた鈴香事件で虐待情報を見逃した秋田県警は、進藤美香の虐待情報を知っていながら、またまた虐待殺害事件となれば批判を免れない状況となり、実際に批判的なマスコミ報道もあったことから畠山博さんと進藤美香の男女関係での殺害事件に作り上げて責任逃れをしたというのだ。
冤罪事件は、みな同じだ。
警察の誤った取り調べによって嘘の自白が作られて犯人にされる。
事件当日の進藤美香の軌跡を追って車を走らせると、畠山さんと道の駅で4時40分に別れた後、5時22分ころに近所のコンビニで弁当を買った事実から測ると、リョウスケちゃんを用水路に遺棄するには、ほとんど時間的な余裕がない。
道の駅で別れる際、母親が恐いと泣いて畠山さんと一緒にいたいと言ったらしいリョウスケちゃんを考えると、進藤美香は、畠山さんと別れた後にリョウスケちゃんに暴行を行い、瀕死の状態にした、結果、用水路に遺棄したストーリーが見えて来た。
リョウスケちゃんの頭に傷があり、それは畠山さんがコーヒーのスチール缶で殴ったとされたが、遺棄された用水路はコンクリート性の2メートル脂肪くらいのU字溝だ。うつ伏せの溺死体で発見されたリョウスケちゃんに投げ捨てたられた傷があって当然だ。
進藤美香の嘘の自白で犯人にされた冤罪を晴らすのは容易ではないだろうが、この事件にも隠されたままと思われる証拠がある。
必ずや勝つ日が来ると確信出来た現地調査だった。

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1 コメント

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ふりがな表記のお願い、です。 (神月・拓海)
2018-10-22 21:43:07
桜井さんが、遠方の、色々な・えん罪事件の現地調査に参加されている事に敬意を表します。今回のは、大仙市(だいせん・し)事件でしょうか? 熊本の・松橋は、熊本県人以外では、マツバセ――と読める人は、先ずいませんので。
 布川事件の地名=布川(ふかわ)も、かの・中澤 宏御大が事務局長に成った時には、印刷物上に  ”ふかわ”とフリガナを付けて表記し、知らしめた…と、私に言うておりましたので。
 因みに熊本の八代は、平板的な、ヤツシロで、良いのですが、熊本県人は皆、ヤッチロ!――とダイナミックに発音しますので。そう、八代・亜紀さんの・故郷です。夜の海に、不知火が見える、絶景の地です。
 余談の余談:桜井さんの「獄外記」は、今や、地方警察の・若い警察官には、毎日見るように指導されている・・・といふ・噂も聞きましたので、桜井さん、本当に客観的な物書き=作家に成った心算で、これからも快調に書いて行って下さいませ、マセ。
 それにしても、西武は残念でしたね。辻 監督は、表でも裏地でも、号泣されたとの由です。以上。

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