桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

馬鹿じゃないんだよな

2017-04-26 | Weblog
今村復興相、とうとう見放されて辞任に追い込まれたが、この人は灯台を卒業しているのだから馬鹿ではないんだよね。今の社会では頭が良いと評価される部類の人だ。でも、人間として欠陥を持っている人であることは間違いないだろう。
記者会見でのブチ切れ問題のとき、品格も人格も持たない輩が政治に携わるから日本の体たらくだと思った。失言だとか暴言だとかが問題なのではなくて、自分の口から語られた言葉の意味すらも理解出来ないところが問題だ。
自民党政治の本質は弱い物切り捨てだ。経済的強者と手を組んで欲望を共有するために税金を使うのが自民党政治だ。
今村復興相が語った「あの辺りで良かった」は、自民党政治の本音だろう。彼らにとって大事なのは金を生み出す地域や組織だ。東北地方の美しい自然風土や豊かな作物など、それが失われた痛みは、何ほどにも感じていない人たちなのだ。
何のために政治はあるのか、もう1度、政治家を選ぶ国民は考える必要がある。この世に失われて良い命は1つもない。奪われて良い命も1つもない。大事な1つひとつの命を守るためにこそ、政治はある。国民が税金を納めて社会を維持するのは、自分を含めた命を守り、人として満ち足りて生きられる社会を支えるためだからだ。
今村復興相の問題は、決して今村復興相個人の問題ではないだろう。

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1 コメント

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今村大臣の更迭は当然です (佐伯明彦)
2017-04-27 10:13:59
どのような事情があっても人前で、かんしゃくを起こすという事は、まだ人間として未熟であると言わざるを得ません。記者からの「それでは困っている人は、どうすれば良いのか」の問いに、「それは裁判でもしたら良いでしょう」と発言しておられましたが、多くの裁判官が、まともな判断能力を持っていない事は、桜井さんの体験で実証済みです。まして訴訟を起こすには、当事者も、お金が必要になる訳ですからね。訴訟を起こすという事が、いかに金銭的、精神的に大変な事であるかも理解しないで、簡単に「裁判をすれば良いでしょう」と発言される神経が、私には理解できませんでした。

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