桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

同じ思いを知る身

2022-02-20 | Weblog
我が家の2匹目の同居猫のヒメは避妊手術をした。
手術跡を舐めないように頸枷を嵌められて、歩くたびに物に当たり、可哀想うだが、今日は5日目。かなり歩いたり、走ったりも慣れて来たようで、昨夜は2階にも自分で上がって来て俺のベッドに入って来た。
今朝、俺のヒザにいたとき、突然、激しく暴れ始めた。頸枷を取ろうとしている。
その狂ったような動きを抱きしめて落ち着かせようとしたが、頸枷は半分が抜けて口に入ってしまうほどに、必死に暴れた。
連れ合いが来て撫でたら落ち着いたが、その動きを見て刑務所にいたときの俺の体験を思い出した。
外に出たい、自由になりたいと思ったとき、骨が折れようが、砕けようが、この鉄格子を壊してでも出たい、と思った。目を閉じて深呼吸し、俺の上に空がある、自由な空があると思って気持ちを鎮めたあのとき。
きっと今朝のヒメも、あのときのオレと同じなのだと思ったら胸が熱くなったなぁ。

春の雨 

2022-02-20 | Weblog
余命宣告
明日は二度目の
  春になり
先日、立春を前に寝ていて、こんな句を思った。
2年前に余命1年を宣告されたが、まだ死なないでいる。だからと言って、また春が来たことに特別の思いがあるわけではなくて、ただあれから2年になるんだなぁという思いだけだ。
癌は、ホントにしぶとい。良くなったように感じることもあるし、全く変わりないも感じることもある。メタトロンでは悪い数字が出なくて良くなっていると示されるが、発覚した当時と癌は変わらないで存在しているのも事実だ。
食事療法も、当初に較べれば、大分緩んで肉や魚も食べている。
なかなか貫き通すことは難しい。これでどうなるかは判らないが、とりあえず2回目の春を迎えて俺らしく時を重ねるだけ。
そんな今日だ。