桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

名張事件集会

2021-03-29 | Weblog

昨日の名張事件笹倉交差点での宣伝は200名の参加だったとか。
ビルに反響してマイクで話す人の声は、残念ながら良く聴こえなかったが、それでも各地から来た人が集まり、マスコミも来て、今度こその想いが名古屋が人に伝わったことだろう。
ウインクあいちに場所を移した集会も、用意された会場に一杯の人だった。
昨日、60年目に書いた糊の問題は間違いがあって、分析で明らかになったのは葡萄酒の封緘紙から発見されたのは「製造会社で使われた工業用糊と一般家庭で使われている洗濯糊の2種類」だった。
どちらにしても、最早奥西勝さんの自白は嘘で、勝さん以外の誰かが「密かに葡萄酒を開けて毒薬を入れて、また洗濯糊で封をした」ことが明白になった。
弁護団の報告では、検察が「存在しない、不見当」と主張していた葛地区住民の事件当時の証言調書が提出されて、そこには「葡萄酒には封緘紙が付いていた」と書かれていたことも報告されて、ますます勝さんの無実は明白になったことを知った。
勝さんは「集会場で1人になったときに火挟みで葡萄酒を開けて封緘紙を破り捨て毒薬を入れた」と自白しているからだ。何人もの人が葡萄酒には封緘紙が付いていたと言うのだから勝さんの犯行自白は成立しない。
しかし、更に裁判所が「証拠が存在するのか」と検察に質したところ、「提出すべき証拠は存在しない」と回答した検察には、猛烈に腹が立った。
提出すべきか提出すべきでないかは、検察が決めるのか‼️
こんな裁判を愚弄する態度をして正義を掲げる検察があるから冤罪は作られるのだ。
また奥西勝さんの無実を示す証拠は隠されている。
全面証拠開示法を作り、嘘を語って証拠を出さない検察を裁く法も作り、この諸悪の根源を無くしたい。
名張弁護団は「提出された証拠物にある番号を勢力して欠番部分を分析した」と、かなり得意気に報告した話は「遅いよ」と思った。
布川事件弁護団でも、それはやって証拠開示の力になったし、もう10年以上も前に報告してあったのに、今後になって始めたのは、何をやってたのよ❗️の思いだったな。
冤罪弁護団同士の体験は、意外と共有されないのかも。
リモートで話した袴田秀子さん、会場に行った青木さんと西山さんと俺。
1日も早い再審開始を願う参加者と想いを重ねて来た。
写真は、灰色部分が証拠の欠落番号部分だという物、2枚。