桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

大崎事件の集会

2018-04-24 | Weblog
昨日は大崎事件の高裁決定報告集会があった。
俺は、今日に予定された金沢地裁での盛一国賠裁判のために、昨日中に金沢入りするつもりだったが、わざわざ鹿児島から報告集会のために上京される鴨志田弁護士からのご連絡を頂いて参加した。
福岡高裁宮崎支部の決定は、長く支援者や本人たちが語っていた、アナーザ・ストーリーを認定したものだった。その高裁判決の力になった証拠は、何時もながらに検察が隠して来た証拠写真が開示された結果で、改めて検察の犯罪行為に腹立たしい思いになった。
どの冤罪事件も同じだが、その始まりは警察の見立ての誤りだ。 堆肥の中に埋められて発見された死体。即、殺人事件として捜査を始めた検証写真が明らかになり、ゆえに家族の殺人事件に作られてしまい、泥酔して自転車ごと側溝に転落した頚椎の傷による内出血死という真相から外れてしまった捜査過失をも明らかにした。
側溝近くに下半身が裸、上半身はずぶ濡れで横たわる被害者を家に運んだ2人の検証写真と説明した捜査報告書では、全く違う話になっているのだ。真実を話せば違うはずはない。特に印象的だったのは、泥酔した被害者を軽トラックの荷台に乗せて家に運んだ2人のうちの1人が、まだ被害者を家に運び込む前に、なぜか牛にエサをやりに行ったと語っている話だ。
夜間、泥酔者を運んだ人が、なぜか牛に餌やりをするものか?
この人の足跡が堆肥小屋にあったからだ。
ことの真相は明白だろう。
もし警察が、堆肥の中に死体!殺人事件に違いない!と思い込まずに、単なる死体遺棄事件として現場の証拠を探り、解剖鑑定を求めていたならば、被害者の事故死と、手荒に扱っての死と誤認しての死体遺棄事件として、簡単に解決していたことだろう。
モノが言えない体調になってしまった91歳の原口アヤ子さんを思うと、ただただ1日も早く再審公判が始まり、無罪判決があることを願うばかりだ。
それに逆らって抵抗を重ねる検察庁の罪は重い!