桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

水に落ちた犬

2018-01-12 | Weblog
カヌー競技の選手が、若いライバルの飲料水に筋肉増強剤を入れて失格させた事件があった。
何でも、若いころからカヌー競技では抜きん出た選手だったが、1度は引退したけれども、家族の希望もあって東京オリンピックを目指して再起したとか。しかし、若い力が台頭して自分の地位を冒され始めたことから、筋肉増強剤の投与以外にも、あれこれの妨害行為をしていたそうだ。
この事件を批判するのは簡単だ。
クズだっただけ!と罵倒したテレビ芸者もいたそうだか、俺は可哀想だとしか思えない。悪いのは当然だけども、とても批判出来ないなぁ。
若いころから栄光を経験した選手が力の衰えから犯罪行為でライバルを蹴落とす。まるでドラマ。そうなる心理を考えると哀れだ。
この事件は、本人の自白で明らかになり、本人はカヌー競技界から除名された。これも当然のこと。身から出た錆だが、俺も昔、犯罪行為をした。恥ずかしいし、許して欲しいと願ってる。
水に落ちた犬を叩く気にはなれないよ。叩く正義の持ち主が羨ましいよな。

大谷直人長官

2018-01-12 | Weblog
新しい最高裁長官になった。
新しくなった人は、必ず、それらしい抱負を語るが、裁判所の疲弊は、営々と続いている。
大谷直人新長官は「司法への国民の信頼を強固にするという最終目標に向かい、司法機能の充実」だそうだ。
今、国民に司法への信頼があるとすれば、それは幻影を見ているに過ぎない。裁判所は国民の信頼に足りる裁判を行っていないからだ。証拠採用を誤り、事実を歪めた判断で作る冤罪が多過ぎる。
その誤った裁判の実態を知らない国民が裁判所を信頼しているだけのことだ。
更に、最高裁長官になる人の多くは経理局長を体験しているが、元裁判官であった生田氏が裁判所にある裏金問題を提訴した、昇任者数でサジ加減によって作っていたという裏金問題に、大谷新長官は無関係だろうか。
今、検察の抵抗によって松橋事件、湖東記念病院事件が最高裁に係属しているが、検察のお助けマンになっている最高裁が、どのような判断を示すかは、今後の再審裁判に多大な影響が生まれる。真に国民に信頼される裁判所を構築出来得るのか、大谷直人新長官の言葉の先を、厳しく見つめるとしよう。