桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

国賠裁判

2013-02-01 | Weblog
今日は、徳島刑務所にいる冤罪者、星野文昭さんに対する面会拒否や手紙黒塗りなどの損害賠償裁判だった。
久しぶりに行ったが、国側は裁判所からの問にも答えないなど、不誠実な対応をしていて、本当に検察官の支配する組織の汚さを痛感するばかりだ。
今、苛めやバワハラが、今社会を賑わせているけども、徳島刑務所のやり方は刑務所による苛めであり、パワハラだ。
素直にやり方を改めれば良いのに、アホやなぁ!だね。

再審シンポジウム

2013-02-01 | Weblog
昨夜は、日弁連の主催する連続シンポジウムだった。裁判所の責任を問うとしたシンポジウムは、初めてだったが、元裁判官の安原弁護士、名張事件の鈴木弁護士、江川紹子さんのパネリスト。報告は名張事件と東電OL殺人事件。会場発言として袴田事件と日野町事件が報告された。
なぜ冤罪が作られるのか、裁判所の責任は、言うまでもない。しかし、そこには裁判官が背負った枷がある。最高裁からの昇給や昇進管理。検察官が統制する法務省の下にある裁判所の地位。無罪判決を行う反動で地位も昇進も不利になった先輩たちを見ていれば、なかなか冤罪と向き合うことは難しい。
でも、だからと言って誤判の責任を免れようはない。東電OL殺人事件で1審の無罪判決を覆した判決に関与した右陪席裁判官は、今も東京高裁で、左陪席裁判官は東京地裁で、同じような裁判長をしている!と、江川さんから指摘があり、誤判に無責任でいられることも裁判官のいい加減を増長させていると再確認だ。日野町事件と袴田事件からは、検察が隠し続けて来た無実の証拠が明らかになった、と報告があり、警察と検察に浴びせるべき捜査過失罪、特別公務員証拠干渉罪の、早急な制定の必要も再確認した夜だった。
社会の感心も深まってか、昨夜は席が満席近くになり、補助椅子も出された。
ますます感心が集まり、冤罪がなくされる法制度の実現を早めたいものだ。

苛め社会、日本!

2013-02-01 | Weblog
女子柔道のパワハラ、体罰問題が、園田監督の辞任と記者会見で、今朝はテレビが大騒ぎだ。
今日の報道で印象的だったのは、アメリカで同じようなことがあったときには、即座に監督の休養、利害関係のない第三者に調査を依頼し、たった3ヶ月で解決したという話だ。日本の、この問題は選手の告発を4ヶ月も隠していた。
総てが同じだよな、日本は。
死刑囚が4人も再審で無罪になったとき、何も検証されずに、やったことはと言えば、冤罪を作った検察が幹部会議をして「無罪になったのは証拠を出し過ぎたから。今後は隠している証拠は出さないようにしよう」と決めただけだった。
大津市での苛め自殺があったときも、学校や教育委員会は隠し続けただけだった。
村木厚子さんを犯人にしようとして前田検事が証拠を捏造したことが判って大騒ぎになり、今の法制審議会も作られたが、そこを仕切る連中はと言えば検察官たる法務省出身者ばかり。結局は、取調室での不正を防ぐ手段たる可視化すらも中途半端な結果になりそうだ。
大企業の中にある「追い出し部屋」と呼ばれる存在が明らかになり、経産省だったかが調査を指示したとのニュースもあったけど、会社が辞めさせたいと思う人を、その部屋に入れて、何もさせないらしい。
刑務所の懲罰も、部屋に閉じ込めて何もさせないのだから、日本の会社は刑務所と同じだ。
昔から反会社活動だとして組合活動をする人を部屋に隔離し、賃金差別し、強引に解雇するようなことをして来たのが日本だが、今や多くの会社が刑務所化したようだ。
人を大事にしない会社に明日はない。人を大事に出来ない社会に明日はあるのだろうか。
苛めが人ためにあるかのような錯覚は、あの戦争当時の軍国主義から生まれて来た。神、天皇の名前によって人の命が粗末にされた時代の影は、今も日本を危うくしている。
優しさこそ、人の人たる存在だろうに、人の痛みに無神経で無自覚な日本、哀しいよなぁ。