桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

冤罪仲間

2009-07-27 | Weblog
昨日は、狭山事件の石川さん夫婦が布川に現地調査に来てくれた。
この前、俺が狭山を訪ねたときに、布川に行きたいと言っていたのが実現したのだが、毎日新聞記者も交えた少人数でコースを歩いた。
布佐駅傍の顔見知りの商店では、母をしる夫人から「旗を立てて歩かなければダメ」と笑って注意された。現場近くに住む幼なじみとも会って話したが、もうすぐ終わる闘いを認識してくれていて、我々の真実は理解されていると、改めて思った。
歩いた後、中華料理店で食事しながら話した。
狭山事件が勝てたとき、日本の冤罪が解決される手段を得られたと言える日になるだろうと、俺は思っている。それだけ特別と言うか、難しい問題を抱えているのが、狭山事件だと思っているのだが、だからこそ、ぜひ勝って欲しいし、勝つために石川さんが為すべきこと、石川さんにしか為し得ないことなど、俺が思い続けていることも、率直に話した。
石川夫人の勝たせたいと涙を滲ませた瞳を見て、石川さんに俺の思いも伝わったと感じたが、冤罪仲間として、本当に頑張って欲しいし、力を併せたいと思いながら別れた。