忘却への扉

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ヒットの延長がホームラン

2017-07-31 | 共に

 【 地 軸 】 2017.7.26 地方紙1面下段コラムより

[ 会見の苦々しい表情は、悔しさがありありだった。日銀の黒田東彦総裁が、物価上昇率2%目標の6回目となる達成時期先送りを発表した。
 ▲物価目標は従来、上昇を抑えるために設けてきた。逆に、現在の目標はデフレ脱却に向けて引き上げようとする異例のものだ。値上げに慎重な企業、節約志向の消費者の姿勢はなかなか変わらない。
 ▲広告でも、格安スマートフォンの様に低価格のPRが目立つ。そもそも、日本では質素倹約が美徳。県内既婚サラリーマンの小遣いは増えず、無い袖は振れない。
 ▲一方、1年で3倍の値上げになったものがある。夏の高校野球愛媛大会の65歳以上の入場料だ。200円から、一般の大人と同額の600円へ。本誌投稿欄には、年金生活という男性の「手弁当と茶持参で行くことだな。そして大会中は晩酌をひかえ」とのつぶやきが載っていた。【野球王国】を盛り上げてきたオールドファンにはつらい夏。
 ▲球場でも同様の声が聞こえる。「JRではなく自転車で来た」「去年は妻と一緒だったが、今年は1人で」。家計防衛策を講じる姿がつつましい。
 ▲日銀の目標に、専門家は2%は高すぎるとして「1%を当面の目標にすべきだ」と指摘する。野球では大量リードを奪われた時、ホームランで一気に差を縮めるのではなく、1点ずつ返すのがセオリー。プロ野球本塁打歴代2位、野村克也さんのモットーを思い出す。「ヒットの延長がホームラン」。

 ( 忘却への扉 ) 安倍政権の数字だけの人気取り政策に、体裁(ていさい)よく利用されている日銀総裁。一応専門家だけに首相の策略は見抜けても、その意に反する発言をするわけにもいかないジレンマ。
 物価上昇率2%目標の6回目の達成時期先送り。元はといえば原因は安倍政権の経済政策の失敗にあるに、改めようともしない。
 政府による大企業への優遇税制で格差社会の蟻(あり)地獄に滑り込まれるばかり、何も美徳で質素倹約をしているのではない。質素にしなければ生きていけない現実がある。


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