忘却への扉

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あいたいけど

2010-09-28 | 追憶
 里道に草の育つことなどなくいつも地面は踏み固められていた頃、祖父母や母たちとよく山の畑仕事に行った。わが家から1番遠い山の畑は、少ない平らの部分とほとんどは上り坂の細い道。
 わが家を離れた人家の集まった辺りからの里道は、現在でも利用されている。でも祖父たちと歩いて一休みしたり湧き水飲み、そばの住人に会えば必ず長話になる大人たちの会話 の横に私もいた。ゆっくり時間の流れるあの頃の住民は今あの場所に居ない。
 道路の延長で歩いて通ることもない私だが、空き家に倒壊した家に崩壊寸前の家に解体され空き地になった家の跡などを別々の遠くから見ることはできあの頃を想う。
 記憶にある家々は数軒を除き、代替わりはしたが同じ内の下の方に居を移し暮らしているのもうれしい。今日は1番早くに土地を得て住宅を建てた人に出会えた。
 軍隊の体験がありもう80歳を過ぎているはずだが、現役で仕事にはげみ運転もする。その車の窓越しに短い会話で元気な声を聞けた。現在の住居はいつも車で走りすぎる場所にあり話をする機会はあまりなく、山で出会えば話す程度。
 山の道路からはその人の家族が昔住んでいた家や物置などを見下ろせる。私も入ったことのある家で通り道のすぐ横だ。他の人もそうだけど、話をしているその人の現在でなく昔の住居と家族を頭の中では思い浮かべることがある。あの頃の私の家族と家も見えて来る。

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