忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

戦争が現実味を帯びる今

2014-08-21 | 共に
 
《 終戦の日 》 【 平和外交こそわが国の使命だ 】 2014/8/15 地方紙「社説」より
 [きょうは69回目の「終戦の日」。平和への誓いを新たにするのはこれまでと変わらない。違うのは、忍び寄る平和を壊す気配を多くの国民が感じ取っていることだ。
 この1年、安倍晋三首相は日本の進路を危うくする安全保障上の政策決定を相次いで強行した。戦後積み重ねた平和国家の基盤を根底から崩す恐れがあり、容認できない。
 先月は集団自衛権行使を容認する憲法解釈変更を閣議決定した。国の存立が脅かされるなどの要件を満たせば、必要最小限度の武力行使は許されるとする。専守防衛を旨とする自衛隊が海外の戦争に参加できるようになるのだ。
 安倍首相は限定容認と強調しながら、その後の国会答弁で閣議決定分にない国連の集団安保参加に踏み込んだ。政権の判断一つで対象が拡大すると認めたに等しい。戦争に巻き込まれる不安が国民に広がったのもうなずけよう。
 昨年末に成立した特定秘密保護法も看過できない。国民の「知る権利」を侵すだけでなく、共謀や教唆を処罰対象とすることで、一般市民が秘密に近づこうとする行為に網を掛ける。さらに今春には武器輸出三原則を見直し、従来の禁輸政策を撤廃した。
 これらの政策の先に見えるのは「武力」による国際紛争への介入であり、「戦争ができる国」とそれを支える監視社会の構築だ。共同通信の今月の世論調査では集団的自衛権行使容認に60%が反対し、84%が説明不足を批判した。国民の声に耳をふさいではならない。一連の安保政策を撤回するよう重ねて求める。
 布石はあった。1年前の全国戦没者追悼式。安倍首相は式辞から「不戦の誓い」の文言を外し、歴代首相が触れてきたアジア諸国への加害と反省にも言及しなかった。武力行使に道を開く意図と勘ぐられても仕方ないだろう。
 先の大戦は近隣のアジア諸国にも多大な犠牲を強いた。真摯に省みて不戦を誓うのは当然だ。きょう述べる式辞の内容を、日本国民はもとより近隣諸国も注視していると、くぎを刺しておきたい。
 安倍首相はかねて「積極的平和主義」を掲げる。世界の平和と安定に積極的に責任を果たし、わが国の平和を守るという。理念はともかく、武力を背景にする方法論には異論を唱えたい。武力による紛争介入は当事国の恨みを買い、敵を増やすだけ。ぶれることなく「戦争しない国」であり続け、外交解決を主導することこそ日本が目指すべき平和貢献の形なのだ。
 戦争体験をしていない世代が増え、悲惨さを実感しづらくなっているのは確かだが、人ごとでいてはならない。戦争が現実味を帯びる今だからこそ、平和の重みを一人一人が考えねばならない。
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やがてランプに

2014-08-21 | 共に
 
《 地 軸 》 2014/8/15 地方紙1面下段記事より
 [8月の真ん中、終戦の日。まだ厳しい暑さと日差しのただ中にあって、戦没者や先祖ら亡き人を悼む喪服の黒が毎年、強く目に焼きつく。深いかなしみの、濃い影のように。
 ▲8月は年度や夏休みの途中、中央当たりでもあり、何とはなしに「中」のイメージがある。陰暦の8月15日(今年は9月8日)は、中秋。ピークを過ぎて夏の終わりが近づく気配は、明るいのにどこか寂しい。
 ▲「中」は「あたる」とも読む。命中、的中はまさしく当たり。さらに、害を受け体が損なわれることも意味する。だから、食べ物の毒に当たると「食中毒」、熱や暑さに当たれば「熱中症」。厚い屋外で何かに熱中しているから、ではなかった。8月は、こちらの「中る」にも要注意。
 ▲心の要をつき通す「中る言葉」が、今年も本誌にあふれる季節が来た。「生ける墓場のようじゃった」 「戦争ほど馬鹿らしいものはない」(連載「元兵士が語る記憶」山田直夫さん)「焼夷弾が近くに落ちて間一髪。あんな体験はもうごめん」(門欄「終戦記念日特集」小田原正義さん)…。
 ▲一方、自論を棒読みで繰り返し、挨拶さえ使い回して、立場を異にする人の声を聞こうともしない安倍晋三首相の集団的自衛権の説明には、食あたりを起こしそう。これまた繰り返す「丁寧な説明」には全く当たらない。
 ▲「やがてランプに戦場のふかい闇がくるぞ」富沢赤黄男。嫌な予感が当たらぬことを、切に祈って。]
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ええよぉ!

2014-08-21 | 共に
 近くの果樹園で動力噴霧器を使っての農薬散布が始まった。兼業農家で年齢は定年を迎えたかどうかだ。エンジン音が聞こえている中で「おいっ」と夫の声に、すぐ妻が「はい」と応える。私には両方聞こえても、作業中の夫はエンジン音が邪魔をして耳に届かないようだ。
 「おいっ」「はい」、「おいっ」「はい」、ふつうに繰り返すだけで別に声が大きくなるとか荒げることもない。やがてどちらかが動いたのだろう、用件が片付いたのかエンジン音だけになる。
 「ええよぉ」「ええかぁ」で散布していたのは妻の方だったと分かり、農業用エンジンが止まった。しばらく静かな後軽トラの動き出す音がした。幾つかの知人夫婦の言葉を聞き、ありふれた日常の1コマにうれしい気分なった。
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米国の軍事費肩代わりをなぜ

2014-08-21 | 共に
 
《 こだま 読者の広場 》 地方紙「投稿欄」より 【 堅持したい平和国家の理念 】 男性・無職 (81歳)

 ◇安倍晋三内閣の一番の問題点は、先の大戦の痛烈な反省の上に立っていないことだ。集団的自衛権の行使容認という、国にとって最も大切な安全保障に関わることに、国民的な議論を経ることなく閣議決定というかたちで踏み切った。
 ◇歴代の内閣が手を付けなかった解釈改憲を、容認派の内閣法制局長官を起用することで決定してしまった。これは多数を占める自民党による暴挙とも言えよう。中国を念頭に東アジア情勢の緊張が高まってきているというのが理由である。しかし、尖閣諸島の領有権問題などは外交努力で十分解決できると考える。
 ◇行使容認の背後に米国の強い要請による、2019年度からの佐賀空港への米軍新型輸送機オスプレイ17機の配備や、強襲揚陸艦の自衛隊への導入計画があったのではないか。戦後日本が米ソ冷戦の中、米国の要請に抗して守り抜いてきた「平和国家の理念」を深く心に刻み込み、国を挙げて堅持したいものである。]
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