忘却への扉

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あけっぴろげ

2012-11-03 | 追憶
 いつも満員のバスと列車が移動手段だった私の子供時代、その後バスは続くが煙の匂いと汽笛が好きだった列車は電車へと代わる。
 やがて運転免許を取り家にまずダットサントラックを購入した。乗用車兼用で、荷台の左右に折りたたみ式椅子とホロを取付ると雨を心配せず6人は乗れた。
 本物の乗用車は何年も経ってからまずは中古車だった。そのせいかよくエンジントラブルを起こし未舗装の道路ではパンクも多く、タイヤ取り替えは自分でするのが当然のこと。  道路も自動車の性能も現在は良くなり、長距離を安心して走れるようになった。蒸気機関車から電車とバスに乗用車など、利用する乗り物も外の景色も変化を見せる。
 この何年間も自動車で長距離を走る場合、私は運転せず後部座席に座るかたまに助手席。『せっかく連れて行って もらいよるがやけん 眠らずに ように外を見ときなはいよ』 と毎回注意される。
 先日のドライブのさいも半分夢見心地で時折暗くなった外を見ていて、窓ガラスを透して室内の見える住宅がある。アパートでもカーテンを閉めてない部屋を見る。
 エアコンで現代は夏冬関係なく窓を閉じている家庭は多いが、人が居てもカーテンをかけている家が増えた。山に建つわが家も窓は開けてもカーテンまで開けていることは夏でも少なくなった。
 乗り物に乗るのも珍しかった頃は、特に外を見るのが好きだった。暖かくなるとカーテンのなかった住宅はどこも雨戸を開ければ開けっぴろげで、温もりを感じられた。ガラス戸になっても透明ガラスが多いので寒い季節が来ても、電灯の明かりにほっとする屋内が見えた。