忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

覚えているよ

2009-09-02 | 追憶
 弱いものや自分より下の年齢の子供に対して「いじめ」をするなど恥ずかしいことだと、軽蔑される子供時代を過ごした。現代であれば私は「いじめ」の対象者なっていただろうと想像できる。
 あの時代は遊びの子供社会は縦型社会だった。弱者を助け育てるのも上の役目のようなもの。だから私が先輩を怖いと思うことはなかった。上の者たちは喧嘩をすることがあっても、私を巻き込みはしなかった。
 そう喧嘩はあってもいじめは知らない。兄が亡くなってからも気づかってくれる兄の友人など、年上の人にことばで守ってもらっていたのかとも思う。ご無沙汰ばかりで申し訳ない小中学校時代の同級生中のいじめも聞いてはいない。
 先日私より年下の知人から、いじめ体験を聞いた。彼の場合は決まって同級生数人からのしつこいいじめ。先生もいじめる側の話を信用して、2重の悔しさと苦しさを味わった。
 何年生の時に○○と△△からこのようないじめをされ、先生にはお前が悪いと水の入ったバケツを持たされるとか竹のむちで強く叩かれたりした。その程度のいじめだったら何とか乗り越えたのかと軽く考えていた。
 長く続いたいじめに耐えきれず彼は数年間不登校になってしまったと言うのだ。反論でも喧嘩でも本気でやれは彼が勝ったかもしれないのに、彼は黙って限界まで耐えた。誰からもいじめ易い相手だと、大人になってもいじめられる側。
 同窓会で再開し当時の状況を話すと、「そうだったかな」と知らんぷり。彼の中には焼きついているのに、初めて聞いた話に心が痛む。