忘却への扉

 日記? 気づいたこと 何気ないひとこま 明日への伝言 願い 子供たちに 孫たちに そしてあなたに・・ 

ルビのおかげ

2005-07-28 | 平和を
 戦時体制下で消えるルビの秘密との新聞記事を読んだ。日本語のようなルビ(ふりがな)が付いている文字は世界に一つもない。劣っている。という発想からふりがなを追放することになっていったとか。
 生まれて初めて読んだ小説は、直木三十五の【大阪落城】だった。小学生になるかならないかの頃より、拾い読みをしていた。
 家に小説本など他に無かったかもしれない。本自体が希少価値で誰もが活字に飢えていた。こっそり箱から取り出しだいじにページをめくった。
 戦前の大衆小説が子どもでも読めたのは、ふりがなが付いていたからだ。大人の本への興味もあったが、なにより丁寧に描かれた大きな挿絵は子どもの好奇心を膨らませてくれた。
 戦前の新聞や単行本はふりがなのついていることが多かったが、ある時を境になくなったという。まだまだ文字を読めない人のいた時代、ふりがなまで奪われる庶民の気持ちなど冷たく踏み躙ってまっしぐら。こんなとこにまで戦争の影響があったのか。