忘却への扉

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桶つくり

2005-07-20 | 追憶
 今のわが家で木の桶や樽は、現役では一つも使用していないが、プラスチック製品にその座を譲るまで、木製品や竹製品がほとんどだった。
 米びつ、たらい、洗い物に貯蔵用にと桶も何種類もあって使い分けていた。年に一・二回真新しいきれいで香りのよい大小様々な桶を担いで売りにも来た。
 昔は各に一軒か二軒の桶屋があったくらいに、生活の必需品でもあったのだ。たがが緩んだり板も縮み腐りもする。
 多少の傷みは祖父が自分で修理していたのを、子供の頃よく見ていた。板を削ってはめ込み、切ってきた竹を割り編んでたがを造って木槌で叩きこむ。
 修理だけかと思っていたら、ある時祖父が桶を造ると言って家にある材料でほんとに大きな桶を一人で仕上げたのには感心した。
 少し表面が粗いのと水漏れを止めるのに手間取ったが、祖父の腕前も大したもんだった。桶造りの道具が一揃い家に有ることをそのとき初めて知った。