安倍晋三首相は、これまで拒否してきた国会閉会中の予算委員会における審議について応じることになった。
先の都議会議員選挙で惨敗した後、それまで自ら取ってきた態度を反省、加計問題など丁寧に説明すると言ったが、その後もなしのつぶてだった。
このままでは低落している支持率の低下に歯止めがかからないとみてか、前日、竹下国会対策委員長が民進党の要求を突っぱねた後、これではまずいと思ってか、安倍氏自身が休会中審議に応じることを決断したようだ。
ただ、これにより安倍首相が加計学園の経営する岡山理科大学に獣医学部新設をゴリ押ししたと証言する筈はない。
むしろ、経済特区や獣医学部新設については、それぞれ専門会議がありそこで審議するため自身が口を挟む余地はないと従来からの主張を繰り返し、言葉巧みに自身の関与を否定することは明白だ。
野党側は、10日の休会中審議に参考人として出席した前川喜平前文科省事務次官の証言と対立する和泉洋人首相補佐官、木曽功内閣官房参与を証人として出席するよう求めているが、政府側は和泉氏の招致には応じる見込みだ。
何しろ、証拠になりそうなメモがあるのに、政府側の関係者は「知らぬ存ぜぬ」「記憶にありません」の一点張りでは、和泉首相補佐官が出てきても、安倍首相に合わせ逃げの一手を使うだろう。
自民党の竹下国会対策委員長は、休会中審議を断る理由として、水掛け論になるためと言っているが、実際にそうなる可能性は否定できない。
前川氏は、証人喚問にも応じる姿勢を見せているので、水掛け論に断を下すためには、前川氏と羽生田副官房長官、和泉補佐官ら関係者の証人喚問付けで休会中審議を行う必要がある。「関連:7月11日」