電卓屋さん

電卓屋さんの電卓日記。

2005年公認会計士二次試験民法

2005-12-18 21:15:57 | Weblog
―会計士試験史上最悪だったと噂の民法
今更ながらその時会場で何が起きたのかをここに印す―

『試験開始5分前』
経済が簡単だったらしいし、焦らず落ち着いていつも通りやれば、多少のアドバンテージが得られるハズだ

『試験開始』
問題を開く

『開始5分』
第二問が請負か
第一問はまだよくわからないな

『開始15分』
第二問の問題に見た事もない条文が入ってる
第一問いまだよくわからず
会場の空気が一気に変わる
きっと皆同じなんだろう
だから落ち着け

『開始20分』
会場がざわつく
第一問のこれ…
動機の錯誤か?
にしては解答欄がせますぎる…
錯誤と瑕疵担保か?
だが交換に瑕疵担保ってあるのか?

『開始45分』
退出者第一号

『開始一時間』
いまだ四分の一しか埋まってない
解答に自信があるものがない
第一問
員外貸付が頭をよぎるが、問題に定款規定について書いてない
利益相反は論証に自信がない
あれはどうしようもない僕のミス

『開始75分』
既に三人は退出しただろう
その場にいる事自体が苦痛
第一問の最後の問題の登場人物がやたら多い事に気付く
しかもこれ…
大半どうでもいい人じゃないか?

『開始90分』
転用物訴権の論点
気付きもせず

『開始100分』
まだ半分白紙
とりあえず動機の錯誤で行こう…
ペンの音はもう全くしない
聞こえるのはため息だけ

『ラスト5分』
とりあえず問題文だけでも写そう

『試験終了』
の合図と同時に
「試験委員ぶっ殺す!」
と叫んだ奴がいた
騒然とする会場
「知ってる論点ゼロ!」
「何だったんだありゃ…」
「来年…」
「悪い夢なら覚めてくれ…お願いだから…」

少なくともあの時の敵は受験生ではなかった
僕らの敵は試験委員だった
実際、会場の何人かと仲良くなった

会場を出る時、何人かが余りのショックで放心状態になって、立てなかった人をみた
―絶望の顔―
あんな人間の顔を見たのは生まれて初めてだった
会場から出たら、台風がきていた

きっと世間の殆どの人にとって、八月のあの日はどうでもいい日だ
だけど、僕らにとってはあの日は忘れられない日

試験には落ちたが、あの日に、皆で試験を受けた事が、僕にとっては誇らしい
きっとこうして文を打ってる間にも、世界のどこかではまた違うドラマが起こっているのだろう
人生はきっとドラマだ
ただそのドラマを、全て見られない事が、僕には少し悔しかったりする。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿