逝きし世の面影

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ためしてガッテンNHKムペンバ効果成功のコツ(裏技の裏技)

2008年08月09日 | 擬似科学・ムペンバ効果

NHKの番組ためしてガッテンでは、常識逆転! お湯は水より早く凍る、として『誰にでも出来る裏技』として、次の様に説明しています。

「驚きの氷早作り技」
急に氷が必要になったとき、氷をもっと早く作る方法はないものでしょうか?
常識逆転! お湯は水より早く凍る
※ご注意:お湯は熱いほど早く凍りますが、やけどには十分ご注意ください!
(となっている)
しかし裏技の成功例は限りなく低く、このNHKの裏技(ムペンバ効果)を成功させるためには、下記の別の『裏技の裏技』が必要です。






裏技を成功させる為の裏技其の1『熱湯を単体で入れる』

やってみました。確かに、お湯のほうが早く凍りました。『幸運な裏技成功者其の一の証言』
実験のコツは、絶対にお湯と水道水を一緒に冷凍庫に入れないことです。そうすると影響しあって違いがあまり出ません。
最初に水道水で時間を計る。次にお湯で時間を計る。
そうすると確かに違いが出ます!
NHKの予備実験でも冷凍庫のなかに冷凍食品などが入っていない状態の所に入れると「10回中、10回成功したので放送する事にした」との番組の製作責任者の言葉でした。
多分此れがNHKの実験と同一実験であろうと思われます。
単体で熱湯を入れて場合では、ある種の冷蔵庫では10回トライして10回とも成功するらしいですよ。
しかし、これは家庭用冷蔵庫の熱感知システムが、冷蔵庫としての使用例では全く予定外の熱湯を入れることで誤作動する『オーバーシュート』ではないかとの説が一番有力ですね。
昔の真空管ラジオを叩いて治したみたいな話で、誤作動による暴走ですから「機械に悪い」うえに「電力の浪費」をするので一般には余り勧められる方法ではありません。

AT車の場合に高速道路での追い越し時のテクニックとして、アクセルを床まで瞬間的に踏み込んで、変速機のギアをトップからセカンドに切り替え(ギアダウン)して加速力を増す方法に似ていますが、一般向きで無いだけでなく番組で何度も言っていた『科学的に未解明なムペンバ効果』とは何の関係も無い現象のようです。

成功例はあるにはあるが、実用性は限りなく低いうえに再現性も乏しい。
急ぎの時の直ぐ「氷が欲しい時の裏技」は、ヤッパリ無理が有りそうです。
裏わざとしては、どんなに贔屓目に見て法螺話でしょう。
厳しい評価ならペテン、インチキの類いですね。
ですからNHKの『熱湯から氷を作るムペンバ説』ではなく『氷が急いで欲しい時にはコンビニに行く』が正解です。



裏技を成功させる為の裏技其の2『熱湯と冷水を同時に入れる場合』

一度目はムペンバ効果に成功し二度目に失敗した「幸運な裏技成功者租其の二の証言」
『冷凍庫の中の置く場所でも影響がありそうだと思っていましが、ここまであからさまに影響があるとは想像以上でした。』
NHKのペテン放送の秘密に迫れた様です。
あれは性能の良い冷蔵庫では、高い温度ほど急激に冷える為に、0度(凝固点)に達する時間が、見かけ上の温度差ほどには時間差が無い事が大きく影響しています。
また水の相の変化の為のエネルギー(潜熱)が大きいために、初期の温度の違いよりも冷凍機の構造や其の他の影響の方が『結氷までの時間』には、より大きく関係してくる。
同じ冷凍庫内でも冷え方には其々特徴が有り、一様ではない。
熱湯を置く場所の微妙な設定が、一番大きな影響を与える。
基本的に厳密な温度管理が行えない家庭用冷蔵庫では、精密な実験は元々無理があると言う事です。





『手品のネタ』

手品のネタとは、ばらされると大概の場合は『エ!。そんな簡単な仕掛けですか!』みたいな話が多いようです。
だから手品を見るときはネタを知っていると面白くない。

幾つかの条件が揃えば、冷たい水より熱い水が先に凍ることは有りうる話ですね。
普通では問題にされない微妙な条件の差で、非常に大きな変化が起こるのが科学の世界です。
何らかの条件が重なれば、再現性は低くとも、温度の高かった容器の水の方が先に凍る現象は、十分に有りうる話です。
だから科学は面白い。

しかし9日放送の番組は、其の逆の話ですね。
何らの条件設定はなし。(条件は温度差だけ。其れも逆さま)
実験での注意点もなし。(火傷の注意だけ)
科学的な説明もなし。(科学的に未解明なムペンバ効果ですからね)
勿論、科学的解明努力は最初からなし。
しかも肝心の製氷実験すらもなし。
ないない尽くしでも観客からの『木戸銭返せ』の声もなし。

しかも観客は有りもしない熱湯から出来た氷を見ている。
昔は夏には怪談が付き物でしたが、此れは正に現代の怪談話ですね。

色々な可能性が有りますが、ただ単に科学の断片は教えても科学する心を教えなかった、現在の学校におけるの科学教育の根本的(致命的)な欠陥の結果ではないでしょうか。?




『オウム事件との類似点』

確かに、ある事を証明することは簡単ですが無い事を証明するのは難しい。
ただし『NHKが主張する範囲のムペンバ効果』のある無しなら簡単に判断できます。
誰でもできるのが裏技ですが、現実問題として再現出来ていないんですよ。
因って、『NHKの氷作りの裏技(ムペンバ効果)』と称するものは存在しません。

ペテンや奇術ではなく現実に人間が空中浮遊する事もあるかも知れないと思っていた高偏差値の理科系大学院生が沢山いたオウム事件を笑ってばかりは居られない状態になってきているようです。
サリン事件が起こるまでは、マスコミは今回のNHKムペンバ事件と同じように、オウムの空中浮遊をあるかもしれない面白い出来事と好意的に報道していた。
『喉元すぎれば熱さ忘れる。』
オウム事件も、忘れられた遥か昔にもう済んでしまった、過ぎ去った過去のエピソードの一つになってしまっているのでしょう。
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18 コメント

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コメントありがとうございます (kafukanoochan)
2008-08-11 16:10:32
ムペンバ効果なんて、
「日本有数の物理の掲示板」
http://hpcgi2.nifty.com/eman/bbs080321/yybbs.cgi?mode=by_date
には、一言も出ませんでした。
安心して下さい。
本当の科学者は、
http://blogs.yahoo.co.jp/cat_falcon/25015901.html
と考えるようです。
でも、科学者が積極的にインチキを潰さないと、
どんどん世の中は、非というか反 科学的に
なると思います。
コメント有難う御座います (ブログ主)
2008-08-11 17:42:45
全く仰られるとおりです。
科学者が積極的にインチキを潰さないいけません。

kafukanoochanさんが「水よりもお湯の方が早く氷になる」騒動 http://blogs.yahoo.co.jp/kafukanoochan/57602989.html
の記事の中で、

>欧米には、新聞記者とグルになったエセ科者が、たくさんいて、変な説がよく記事になります。
まともな学者は、いいかげんな事は言いませんから「否定するデータ」がないと口出しません。
「否定するデータ」というのは、上記の通り、まず、ありません。
仮にデータがあっても、誤差もあります。雑音の影響もあります。

エセ学者は、99.7%無視できる部分を採り上げて、私の説は正しいとかいいはり、
論破されると、「現代科学では説明できない」と言って逃げます。
TVの視聴者も、99.7%じゃ「絶対」じゃないという意見に組します。
まぁ、連中は、結果はどうでもいいので、有名になるだけも、記事が売れるだけでもいいのです。
しかし、
説を否定する学者の方は、こんな連中と係わり合いになるだけで、不名誉ですし、
へたをすれば、学者生命を失います。

で、日本のマスコミは、欧米人で且つPhd.がついてさえいれば、
「視聴者に信用させるような」とりあげ方をします。

これは、「現代の迷信」の作成・流布であり。
「反社会的行為」である、と思います。


このkafukanoochanさんの記事が今回のNHKムペンバ騒動に対する一番的確な判断ではないかと考えています。
これからもよろしくお願いします (kafukanoochan)
2008-08-11 18:22:22
拙記事を、引用頂き、お礼申し上げます。
勝手ながら、
お気に入りに登録させて頂きました。
科学者の責任 (ブログ主)
2008-08-12 13:28:51
科学的な正確さより面白可笑しい映像を喜ぶ一般市民にもある程度の責任は有るでしょうが、やはり科学者の責任は重大だと思っています。
マスコミに流れるニセ科学やオカルト、超常現象,超能力などを馬鹿馬鹿しいと一言で片付けず、科学者には自分たちが当時者であるとの認識を持ってもらいたいものです。
此処は一つ科学的な見方が出来るkafukanoochanさんのような方に頑張ってももらわないと日本が変になるばかりですね。
その意味では、この番組を監修した北大低温科学研究所の前野紀一名誉教授の責任は大きい。
前野さんは、熱湯をまな板に垂らして凍結させる実験も、空中散布して瞬間凍結する実験もムペンバ効果で有ると公言しているようですが、あんなもの位なら私でも簡単に解説出来ますよ。
相手がNHKだからとしり込みせずインチキはインチキ、駄目なものは駄目だ、と指摘する勇気を持ってもらいたいものですね
ムペンバ効果は本当だった (アイディアプロデューサー)
2008-08-12 14:52:44
ムペンバ効果の実験を実際にやって見た。再現できました。詳しくは
http://www.ideaproducer.jp/page1-1-2.htm
をご覧ください。はっきりと熱湯だったお湯の方が水より早く凍っています。同じ水で同じ容積、同じ条件で実験しました。なんどやっても同じ結果が得られました。
アイディアプロデューサーの推論に対してのご意見をお願いします。
成功おめでとう御座います (ブログ主)
2008-08-12 17:03:57
ムペンバ効果を試して成功する人は極少数です。
改めてお祝い申し上げます。
樹脂の容器では失敗し、ステンレス容器では成功したわけですね。
成功率50%でもたいしたものです。
これはもう、成功のコツを是非ともNHK広報か、NHK視聴者コールセンター(0570-066-066 )に教えてあげるべきでしょうね。
NHKでは単に熱い方が凍るとしていますが、現状では成功者は残念ながら殆んどいません。

NHKに電話する前に、この記事を読みましたか。?

同時に冷水と熱湯を入れた場合では、温度の高低よりも場所の良し悪しが一番影響します。
冷凍庫に入れる場所が一番の影響があるんですよ。
もう一度試される事をお勧めします。
すばらしいですね! (なでしこ頑張れ)
2008-08-12 22:11:28
アイディアプロデューサーさん、すばらしいですね!

成功率100%とはすごい結果です。
遂に見つけましたね。おめでとうございます。
何かのビジネス (ブログ主)
2008-08-13 08:36:09
なでしこ頑張れさん。
アイディアプロデューサーさんの結果は樹脂の容器では失敗していますから、成功率100%ではなく50%です。
また、冷蔵庫の種類にも因りますが、水の温度差よりも置いた位置の差の方が凍る速度には大きく影響してきます。
だから、同じ方法(位置)で成功するのは、ある意味当たり前なんですよ。
この記事に書いてある裏技の内容を、把握しておられないようですね。



アイディアプロデューサー氏へ、

何かの発明ビジネスをなさっておられるようですが、他人のブログで自分のビジネスの宣伝をされても迷惑です。

これからは掲載記事が違っていても同じ内容の同文のコメントを何通も送ってきた場合、商売の宣伝活動と看做して全文を削除します。
やりましたね! (海の家)
2008-08-13 19:30:22
アイディアプロデューサーさん、すごいと思います。

ムペンバ君でなくても成功しましたね!!!
再現させ説明してみる (ホネホネロック)
2008-08-15 04:17:32
「ガッテン」騒動から、たまたまこのブログに行き着きました。初参加させていただきます。

私も科学を専門としていますが、ムベンバ効果は知りませんでしたし、納得がいきません。内容が簡単だったので、中2の息子に実験させてみたところ、3回やって2回、お湯のほうが水より早く凍りました。水とお湯、比較のため食塩水をアルミカップ(20ccほど)を同時に冷蔵庫の冷凍室に入れ、5分ごとに20秒ほど扉を開けて中の様子を観測させました。条件は、できる範囲で同じにしたつもりですが、カップを置く場所は冷凍室内で実験のたびに変えさせました。冷蔵庫の冷却能力が置く場所によって違うと考えたためです。どの回も食塩水は実験時間内では完全には凍りませんでした。

お湯が水より先に凍った場合があったのだから、科学者なら理由を説明しないといけないと思います。過冷却説はお湯が水温まで落ちた後、凍るまでの現象が水と異なることになるので説明がつかないように思います。水中の気泡による対流熱伝達の違いはあるように思いますが、定量的にどうでしょうか。

このブログを見ていて、冷蔵庫の機能説が正しいように感じます。冷凍室内で温度が高い部分があったら、その部分の冷却量を高める機能がついていると考えていいのではないでしょうか。今時、局所的に冷やす機能ぐらいあるように思います。メーカーに確認してみたいですね。

当方でお湯が先に凍るのを再現できましたが、いわゆる「ムベンバ効果」ではないと思います。NHKの実験はTVを見ていないので内容を知りませんが、冷蔵庫を使ったのなら、当方と同じ現象ではないでしょうか。

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