逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

特定秘密保護法の意味、同一だった原発風評担当と秘密保全法担当

2013年11月11日 | 政治

『軍事(安全保障)とは無関係な、特定秘密保護法の目的』

原子力ムラの御用学者や何も知らないインチキ有識者とは大違い。
今回、軍事や報道の専門家の田岡俊次や山田厚史が『特定秘密保護法』についての問題点や疑問点を詳しく解説しているが実に具体的である。
日本に『スパイ防止法がないは誤り』であり、今出されている特定秘密保護法は古色蒼然、焦点ボケ。
今でも安全保障関連は懲役十年の厳罰である。
今回の秘密保護法の狙いは外国の諜報機関ではなくて、政府が自国民を対象として処罰しようとしている。
目的は、ズバリ『メディアや内部告発者』の押さえつけ。
しかも、日本を日本人以上に熟知しているアメリカからの要請らしいから不思議である。
今、日本政府(アメリカ)は大慌てで、日本人の目から『何か』を隠したいと願っている。
田岡俊次は『軍事』の観点から見て、山田厚史は『報道』現場から見て、特定秘密保護法が筋違いで間違っていると具体的に指摘しているが、これ等の意見はえらく説得力がある。
田岡俊次や山田厚史が『正しい』と仮定するなら、今安倍晋三が何故か大慌てで制定を目指す、『特定秘密保護法』の目的は、軍事情報とはまったく別だと言うことになる。
両氏の主張はほぼ同一で、特定秘密保護法の趣旨は『主目的は軍事(外国)ではない』。国内メディアや内部告発者など『内部に潜む敵と戦う』というものである。

『分けないことにはわからないが、分けてもわからない』

『専門馬鹿』とか『科学バカ』の言葉があるように、有識者とは自分の専門分野に関してはとんでもなく詳しいが、専門外には疎くて素人以下の場合がある。
将棋に99%能力を使い切って仕舞い一般常識は小学生以下の米長邦雄のような極端な例も生まれるのです。
特定秘密保護法であるが、軍事問題や報道関連では『逝きし世の面影』ブログとしては書き加えることはほとんど無い。
ところが『軍事』や『報道』などに限定せず、今回の『特定秘密保護法』を見ると、まったく別の解釈も出来る。
そもそも専門家である田岡俊次や山田厚史の2人は、特定秘密保護法の目的が軍事情報とはまったく別らしいと気が付いているのですよ。
今の日本で政府が大慌てで無理やり隠したい、軍事関連で無い国家存亡の大事な秘密事項とは何か。
軍事と無関係の緊急事態なら、二年半前の福島第一原発の未曾有の放射能汚染の現実以外には、有り得ないのである。
今の日本は面積で3分の1、人口で40%が深刻な放射能汚染の危険が考えられるのです。

『パニックを起こさないようにと心配』

マスコミや左翼護憲派が言うようにTPPも大事だし消費税の増税も大事、もちろん憲法改正も機密保護法も危険極まりないが、それでもそれらは『これから起きる危機』なのです。
今生きている人間にとっては『これからの危機』よりも、今起きている目の前の福島第一原発事故の放射能汚染の危機の方が余程恐ろしいし、大問題である。
ペテン師の小泉純一郎の反原発の10万年先の心配など糞食らえ。そんなことを心配する余裕は今の日本人には無い。
これから始まる4号基プールからの燃料棒取出しは確かに危険だが、運が良ければ事故は起きずに日本が助かる可能性も十分あります。
チェルノブイリ原発事故では最悪だった9年後のベラルーシ(人口1000万人)の小児甲状腺がん発症数は91人だった。
たったの2年半後の日本の発症数は、人口がベラルーシの5分1の200万人しかない福島県の半数の子供を調べた8月20日段階でも43人(朝日新聞では44人)。
チェルノブイリに比べて、日本の方が遥かに悪い。
チェルノブイリ原発事故の何割増しとか何倍とかのレベルではなくて、我が日本国の福島第一原発事故の被害は、『桁外れ』なのである。
圧倒的に悪い日本では政府やマスコミ全員で放射能被害を隠しているのですが、多分日本人がパニックを起こさないようにと考えているのでしょう。

『中曽根康弘のスパイ防止法と森雅子担当相』

25年前の中曽根康弘の軍事や外交情報に限定した『スパイ防止法』には批判的だった谷垣貞一法務大臣や特定秘密保護法案の担当大臣である森雅子は、中曽根法案よりももっと拡大解釈が出来る、危険極まりない今度の安倍晋三法案には一致して賛成している。
弁護士時代の森雅子担当大臣と日弁連で共に消費者問題などで活動した紀藤正樹弁護士は、
『森さんは本来、情報公開に積極的ですし、秘密保護法案には反対の日弁連と今でもホットラインがある。消費者委員会畑で一緒だった荒中事務総長とは親しい仲です。
特定秘密保護法案の担当大臣とはいえ、念頭に「情報は原則公開」の考えがあるのでしょう。今の森さんは、日弁連に対する抑え役であると同時に、閣僚として力量を試されている。本人は苦しい立場でしょうね』と語っている。
森 雅子大臣は1964年(昭和39年)福島県いわき市生まれで弁護士出身の参議院議員、今年7月21日に再選。現在2期目(福島県選挙区)。
自民党の深刻な人材不足の結果であるが、新人議員、それも参議院議員で去年末に発足した安倍政権で、内閣府特命担当大臣(少子化対策・消費者及び食品安全・男女共同参画)に任命されている。

『原発風評担当大臣と秘密保全法担当大臣が同一人物』

森 雅子大臣の消費者及び食品安全内閣府特命担当とは、今の福島第一原発事故後の日本国では放射能汚染対策の意味なのです。
外交や防衛などに関わる秘密を漏洩した公務員らの罰則を強化するとの建前の、『秘密保護法案』の 法案担当の大臣は、何故か外交や軍事担当の岸田文雄外務大臣でも小野寺五典防衛大臣でも無い。
それなら特定秘密保護法案の法案担当は誰か。
外務省とも防衛省ともまったく無関係だが、福島県選出で福島第一原発の放射能汚染対策(原発風評担当)を専門とする森雅子担当相が行っているのである。
この森まさこ内閣府特命担当大臣の受け持ち範囲とは何か。
消費者及び食品安全担当、少子化対策担当、男女共同参画担当であるばかりか、はっきりと『原発風評担当』であると2012年末の総選挙で発足した第2次安倍内閣では特命事項として明記している。

『一億総現実逃避の日本人』

誰でも一目で分かる、原発風評担当大臣と秘密保全法担当大臣が同一人物である摩訶不思議な事実は、特定秘密保護法案の危険性を指摘している野党もマスコミも有識者も例外なく一切無視している。
イギリス東インド会社旗とアメリカ合衆国旗が同一だった様に、日本の原発風評担当と秘密保全法担当が同一の大臣など、これだけ子供騙しにも程がある『露骨に分かりやすい』例は滅多にないのである。
安倍自民党政府のいう『特定秘密』とは、原発風評(放射能汚染)である事実を、野党やメディアの誰一人も気が付かないなどは、有り得ない種類の馬鹿馬鹿しい話である。
しかし、その『絶対に有り得ないこと』が目の前で起きているのです。
それだけ、今の日本国の置かれている状態が絶望的に悪すぎるとの、何ものにも勝る証拠であるといえるでしょう。
何しろ通常の法案とは大違いで、何故か『特定秘密』の範囲が大雑把。
形だけ中身が書いているが最後に『その他』とあるので、時の政権によってほぼ自由裁量が無制限に出来る、とんでもない欠陥法案である。
同一大臣が、一方では『原発風評担当』であり、もう一方では『特定秘密』を守ると言っている場合、普通に考えれば福島第一原発の放射能被害こそが、『特定秘密』の中身だと中学生以上の判断力があれば誰でも推測する。
ところが危険性を批判しているメディアも野党各党も有識者も、例外なく誰一人『特定秘密と放射能被害との関連性』を指摘するものがない。
『誰も気が付かない』のではなく、多分『一億総現実逃避』に陥っている。
現実が『見えない』のではなくて『見たくない』。真実が恐ろしすぎて知りたくないのである。




(資料1)
『日本に「スパイ防止法」がないは誤り 焦点ボケの「特定秘密保護法」は古色蒼然』
田岡俊次 [軍事ジャーナリスト]

国家の安全保障にかかわる機密情報を保護するための「特別秘密保護法案」が、国会に提出された。日本には「スパイ防止法」がないためとされるが、実質的にその機能を果たす法律は多々ある。何よりも問題はその捜査能力にある。いまや情報漏洩は古典的なスパイ活動よりもサイバー技術の発達で起きる。その点でも今回の法案は1950年代を想わせる古色蒼然たる代物である。

『既に多々存在する秘密漏洩防止の法律』

政府は10月25日、主として公務員による安全保障関係の秘密漏洩を最高懲役10年の刑に処する「特定秘密保護法案」を閣議決定し、国会に提出した。だが日本にはすでに公務員の秘密漏洩を罰する法律がいくつもあるのに、それで処罰された例は少ない。
スパイがあまりいないのか、それとも摘発する捜査能力が不足なのか?いずれにせよ重罰化しても秘密漏洩の防止の効果は乏しそうだ。
今回提出された「特定秘密保護法案」に関するテレビの討論会や新聞のインタビュー等で政府・自民党の当局者は「日本には他国にあるスパイ防止法がない。スパイ天国だ」とその必要性を説く。
だが実際には日本には公務員の秘密漏洩を禁止、処罰できる法律として
①「国家公務員法」(守秘義務違反は1年以下の懲役、教唆、共謀した民間人も処罰可能)
②「地方公務員法」(罰則は同じ、大部分の警察官にはこれが適用される)
③「自衛隊法」(「我が国の防衛上特に秘匿することが必要」で「防衛秘密」に指定されたものの漏洩は5年以下の懲役、それ以外は1年以下)
④「刑事特別法」(米軍の方針、計画、部隊の編制、配備、行動人員、装備の種類などの機密を探知、収集、漏洩する者は10年以下の懲役。この法律の正式名称は「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第6条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特別法」という長い名前だ) ⑤「日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法」(自衛隊が米国から導入する装備の構造、性能、技術、使用法、品目、数量などの秘密を探知、収集、漏洩する者は10年以下の懲役)
などが存在している。
これらの法律では公務員だけでなく、秘密の収集や漏洩を共謀したり教唆、煽動した民間人も(もちろん外国人も)処罰できる。

日本には「スパイ防止法」と銘打った法律はないが、スパイ行為はこれらの法律違反で摘発、処罰することができる。
「汚職防止法」がなくても、刑法に「収賄罪」「贈賄罪」があるのだから、「汚職野放しの役人天国」ではないのと同様だ。
漏洩で起訴された公務員が少ないのはなぜ にもかかわらず、日本人には「日本にはスパイ防止法がない」とアメリカ人に言う人が多いから、米国が情報を日本に出すのをためらったり「スパイ防止法を作っては」と求めることになるのだろう。
米国には第1次世界大戦中の1917年に制定されたEspionageAct(スパイ法)があるが、それが初めて適用されたのは54年も後の1971年、戦略を研究するランド・コーポレーションの研究員ダニエル・エルスバーグ氏がベトナム戦争に米国が入り込んだ経緯を、自分が閲覧資格を持っていた米国防総省、国務省などの機密文書で研究し、政府の発表に虚偽が多かったことをニューヨーク・タイムズなどで暴露した「ペンタゴン・ペーパーズ」事件だった。彼はスパイ法で起訴されたが、捜査に不法侵入など違法行為があったため、起訴は取り下げとなった。

それ以前も米国のスパイ事件は少なくなかったが「統一軍法典」や原子力関係の法令など、他の法律で処断していた。
もし日本にスパイ防止法がないため、日本の公務員による秘密漏洩が横行しているのであれば、これまでに多数の公務員が国家公務員法、地方公務員法違反等で逮捕、起訴されていて然るべきだ。
逮捕して調べたところその内容が悪質、影響が重大で、現行法の「1年以下の懲役」では軽すぎるような事犯がもし多いのなら「刑を重くすべきだ」との論も分かるし、米軍に関する情報や、米国から導入した装備に関する秘密漏洩は最高が懲役10年、日本の秘密の漏洩は懲役1年、と大差があるのには疑問を感じるが、現実には公務員が秘密漏洩で訴追された例は少ない。
安倍総理の国会答弁では「公務員による主要な秘密漏洩事件は過去15年で5件を把握している」という。
今回の特別秘密保護法が必要な例として、しばしば挙げられるのは2010年9月、尖閣諸島沖で中国漁船が巡視船と衝突した状況のビデオ画像を同年11月海上保安官が独断で「ユーチューブ」で流した事件だ。
だがこの海上保安官は国家公務員法違反容疑で調べられたが起訴猶予になり、「命令に違反した」として停職1年の行政処分を受けて退職した。このビデオ画像は海上保安庁職員ならだれでも見られる状態だったから秘密に当たるとは言い難く、起訴しても無罪になる可能性が高かった。今回の特定秘密保護法案に照らしても、このビデオ画像は、その漏洩が「安全保障に著しい支障を及ぼす」として「特定秘密」に指定することは困難だろう。
衝突の事実、経緯はほぼ周知のことで、中国側も大要を知っていたからだ。

『安倍総理が挙げる漏洩事件とは』

安倍総理のいう「5件」は尖閣ビデオ漏洩事件のほか、次の4件を指すと考えられる。
①2000年6月、3等海佐がロシア大使館の海軍武官(大佐)に文書を渡した事件。
この3佐は防衛大学校博士課程に在籍し「ロシア海軍史」の博士論文を書いたが「他の人々が書いたものの寄せ集めで、論旨も不明確」として、審査に当たった他大学の教授から書き直しを命じられた。3佐は困惑の末、パーティーで知り合ったロシア海軍武官に相談、資料を借り、指導を受けて論文を執筆、それを見て貰うため東京・浜松町のカフェでロシア海軍武官に渡したところを、同武官を尾行中の警視庁公安部捜査官に現行犯逮捕された。
渡した文書が博士論文の下書きと分かって防衛庁では一時笑い話となったが、警視庁は3佐がそれ以前に渡した初歩的教本「戦術概説」と「将来の海上自衛隊通信のあり方」という論文が秘密に該当するとして、自衛隊法違反で送検、懲役10ヵ月となった。同3佐の子が死去した際、香典として現金を受け取ったなど、金銭の授受も判明した。渡した文書はさほど重要な秘密ではなかったが、ロシア側がこの3佐を取り込もうとしていたことは明らかで、本格的スパイ事件を未然防止した効果はあった。
②2005年5月、読売新聞は中国潜水艦が南シナ海で航行不能となったことを報じたが、その情報(多分、無線傍受・解読による)は米軍から自衛隊に伝えられたものだったため、陸上自衛隊警務隊はニュースソースの防衛庁情報本部の1等空佐を自衛隊法違反で書類送検、懲戒免職となっていたため起訴猶予となった。記者は送検されなかった。
③2005年12月「週刊文春」が報じた上海総領事館の通信担当領事自殺事件。
この館員は03年から上海のカラオケ店の中国人女性と交際、同年6月、女性は売春の容疑で拘束されたが釈放され、中国公安当局はこの女性を連絡役として館員と接触していた。館員は04年5月遺書を残し自殺した。館員は暗号公電を担当し、約1年間は中国公安当局と接触していたから、機密漏洩の可能性が考えられるが、政府は被害について公表していない。
④2007年4月、イージス艦の米国製レーダーの能力の限界や迎撃プログラムなどを示す機密のハードディスクが海上自衛隊内で広く流布していた事件。
当初は中国人を妻とするイージス艦乗組員の2等海曹の自宅でハードディスクが発見され、中国によるスパイ事件かと思われた。だが捜査が進むと「特別防衛秘密」(米国製装備に関する秘密)の取り扱い資格を持つ海上自衛隊「プログラム業務隊」の3佐が、友人の江田島の第1術科学校の教官(資格なし)に頼まれて勉強のため資料を提供、さらに教官の同僚がそれを無断でコピーして生徒らに渡していたため情報が拡散したことが分かった。最初に友人に漏らした3佐は同年12月に逮捕され有罪が確定。3人が懲戒免職、17人が停職となった。

『国際テロ捜査情報流出事件』

これらの漏洩よりはるかに悪質で結果も重大なのは2010年10月に発生した警視庁公安部の国際テロ捜査情報流出事件だが今年10月29日に時効となり、犯人不明だから「公務員による主要な漏洩事件5件」に含まれていないと思われる。
これは「ウィニー」で機密文書114点が流出した事件で、警視庁のテロ対策担当者142名の組織、階級、氏名とか「国際テロリズム緊急展開班」の要員の顔写真から住所、電話番号、特技、家族の職業など詳細なデータが載っている。
監視対象としたイスラム教徒と家族のデータ、顔写真、尾行記録、モスク、各種の協会などの監視・内偵、米FBIからの訊問要請と聞くべき事項、警察への協力者の身許と面談の内容などなど、公安警察の手法や米国情報機関との関係が全て暴露されており、漏洩は警察の捜査や対米関係の障害となるだけでなく、監視された人々や協力者の身の安全やプライバシー、人権侵害も深刻だ。
警察自身が漏洩の被害者であり、犯人もこうした情報に接しうる部内者である公算が高いが、捜査は進展せず時効になるようでは、罰を長期懲役10年に引き上げても漏洩防止の効果は疑わしい。
公務員の守秘義務違反が現在の懲役1年以下であっても、懲戒免職になれば職も名誉も失うのだから「1年だからやろう、10年になるならよそう」と考える公務員がいるとは思えない。私怨や義憤にかられ(私が扱った内部告発ではこの2つの混合が普通)「多分見つかるまい」と考えて漏洩するのが普通だから、漏洩防止に有効なのは罰則強化より漏洩の探知と検挙の可能性を高めることだろう。
秘密漏洩は省庁、部局全体の危機となり、上層部の責任問題となるから、秘匿、揉み消しが起きがちで、探知が難しい。

『自縄自縛の法案』

秘密を扱う資格(セキュリティ・クリアランス、3段階ある)を身上調査の上、軍人を含む公務員や発注先の企業に与える方法は米国が行い、自衛隊も採用している。
この法案ではそれを安全保障に関わる秘密を扱う公務員全体に適用し、その配偶者(内縁を含む)や父母、子、兄弟姉妹、配偶者の父母、子、同居人の国籍などや、犯罪・懲戒歴、情報取扱いに係わる非違歴、薬物乱用、精神疾患、飲酒の節度、経済的状況等を調べて「適性評価」をすることにしている。
米国では、共産圏の国を訪れたことがあるか、ソ連に関する本、雑誌を読んでいないか、同性愛者でないか、等も調査項目としていた。
だが冷戦時代と異なり、ロシアは日、米ともまずまずの友好国だし、中国は日本の最大の輸出市場だ。
今日の米国は「財政再建・輸出倍増」を国家目標とし、そのために重要な中国に対し「封じ込め」(コンテインメント)は考えず「抱き込み」(エンゲージメント)を目指すことを表明し、努力している。その状況の中で公務員の親族がどの国の国籍なら「適性なし」と判断するのか疑問がある。
たとえば配偶者が日本国籍を得ていても、その父母、兄弟、姉妹が中国にいれば秘密は扱わせず、事実上昇進で差別するのだろうか。また国際関係では敵味方が逆転することもよくある。
たとえばイランが米国の友邦だった時代にイラン女性と結婚した日本外交官はイランが革命後米国と敵対関係になり、妻の親族がイランにいれば、米国は情報漏れを警戒するから、秘密取扱い資格を失い、辞職するか離婚するかを迫られるのか、また最近イランと米国は和解しそうで、そうなれば「適性」が回復するのか、などなど極めて厄介な問題を抱え込むことになる。

また大臣、副大臣、政務官など政治家や、官僚出身でない補佐官らの「適性評価」をどうするか、も問題だ。
彼等の就任後、親族や行状を調査し、もし、酒グセが悪いなど「適性を欠く」となれば、この法案別表にある防衛、外交、警察行動に関する秘密は伝えないなら、決裁も貰えなくなる。
彼等を例外にしても、官僚が予算や政策への支援を求めて国会議員会館を訪れ、党の幹事長、政調会長、有力な族議員などに「ご説明」に回る慣行は、秘密の取り扱い資格のない人に秘密を漏らす行為だ。
もし政治家がこれまでにもよくあったようについ記者などに話し、漏洩問題が生じると、官僚は最高で懲役10年になりかねない。「自縄自縛」の法案だ。

ただし、現行の国家公務員法や自衛隊法でも議場での審議以外で議員に秘密事項を話すのは理論上は違反のはずで、それが慣行上「正当行為」(医師の手術やボクサーの試合が傷害罪に問われないのと同じ)とみなされているなら、法律を変えても実態は変わらない。
同じことは報道に対する「萎縮効果」についても言えよう。
従来の法令でも、公務員の守秘義務違反は処罰されたし、記者が教唆犯として訴追されることもありえた。
今回の法案は取材行為は「法令違反または著しく不当な方法によると認められない限りは正当な業務による行為とする」とする点で従来より一歩前進の面もある。この法案で取材が正当行為なら、秘匿の必要性がより低い国家公務員法等の守秘義務違反の教唆の解釈も同じであるべきだからだ。

記者などが「取材は正当行為」として処罰されなくても、情報源の公務員を捜査するため、警察、検察の参考人として呼ばれたり、突然捜査官が自宅に来て事情を聞かれたりすれば取材の萎縮を招く、との説は現実味がある。
だが考えてみれば、これは従来の国家公務員法等の違反容疑でも、警察などがやろうとすればできることだ。
これはメディアと官憲の力関係によるところが大きい。情報源を守ることは言論の自由、国民の知る権利を守ることであり、大局的には国の「警報システム」として大過を防ぐ報道機関の機能の確保につながるから、報道関係者が自ら委縮しなければよいのである。

宇宙には偵察衛星が周回し、全世界がコンピューター網でつながっている今日、情報漏洩は古典的なスパイ活動よりもサイバー技術の発達で起きる。元CIA、NSA職員で第1級の秘密取扱い資格を持っていたE・スノーデン氏による暴露事件や、米陸軍のB・マニング上等兵の「ウィキリークス」に対する米国務省公電の漏洩、警視庁のテロ捜査文書の流出などは、古典的スパイ活動に対抗するための尾行や親族、交友関係調査、購読出版物による思想調査では防げない。
コンピューター網への侵入も、最後の発信地が中国であり、中国で使用されている簡字体が使われていても、プロによるハッキングは真の発信地が分からないよう多数の国を経由し、「なりすまし」を行うのがむしろ普通だから、どの国の行為かも定かではない。
刑事警察は2012年の「なりすましメール」事件で4人を誤認逮捕(さらに「真犯人」とする1人を逮捕したから「5人逮捕」)した苦い経験から、サイバー捜査を強化しているが、公安警察もそれに重点を移す必要がある。防諜活動も冷戦的世界観から脱却し、捜査の手法や重点も旧来の慣行を捨てて、現代の情報戦に対処できるように変革する必要に迫られる状況の中、今回の法案は1950年代を想わせる古色蒼然たる代物である。


(資料2)
『秘密保護法で市民運動もテロと?』
山田厚史 [デモクラTV代表・元朝日新聞編集委員]

『公共の利益を盾に表現の自由を制約 秘密保護法の狙いは内部告発者とメディア』
特定秘密保護法案の審議が始まる。自民党は今国会で成立を目指す。28年前、中曽根政権で廃案となった秘密保全法制(当時はスパイ防止法と呼ばれた)が、安倍首相の下で制度化されようとしている。役所が勝手に機密を決め、未来永劫封印することも可能で、国民の「知る権利」を無視した法案だ。
「スパイ」から秘密を守ろうとした中曽根政権とは違い、今回の狙いは内部告発者とメディアを封ずることにある。
安倍首相は「日本を守るため」外交・安保の司令塔・国家安全保障会議(日本版NSC)を設けて、米国や英国と軍事情報を共有するという。それには日本から機密が漏れない仕組みが必要というのだ。

『「あのこと」はどうなっているか』
 
テロ対策や中国・ロシアの情報を米国からもらうには機密法制の整備が欠かせない。もっともらしいが、「あのこと」はどうなっているのだろう。
米国の諜報機関がドイツのメルケル首相やフランスのオランド大統領など友好国の首脳まで盗聴していたことだ。米国は「今はやってない」と逃げながらも、過去の盗聴は認めた。友好国の首相と笑顔で肩を抱き合いながら、裏でそんなことがありなのか、と驚いた人は少なくないだろう。
政府は「日本は問題なし」という。本当だろうか。メルケル首相は私用電話まで盗聴されていた。安倍首相の私用電話は聞かれてはいないのか。普通に考えれば「盗聴されている」はずである。だが日本政府から抗議の声は上がらない。理由は3通り考えられる。
①盗聴されていない。
②盗聴されているかどうか分からない。
③盗聴されてもアメリカに抗議できない。
①の盗聴が行われていない、としたら米国にとって日本の政治や政治家は「盗聴に値しない」と判断されている、ということだろう。
首都が他国の軍隊に囲まれている世界に稀な国柄だ。盗聴しようと思えばすぐできる。していないなら日本の首相は忠実な子分と見なされている、ということではないか。
②だとすると、日本には秘密は守る仕組みができていない。
ドイツやフランスは調査して発見できた。出来ないなら日本は、秘密漏えいする人を厳罰に処す以前の段階である。そんな国に米国が機密情報を提供するだろうか。
③なら日本は米国の植民地同然である。
米国の諜報機関は、安倍首相の私用電話を盗聴しているだろう。親しい人との無防備な会話にこそ、人格やものの考え方がにじみ出るものだ。
オバマ政権が安倍首相に冷ややかなのも、盗聴から得た情報が影響しているのではないか。憲法改正や核武装について安倍さんの本音を聞き「危ない政治家」と判断したのかもしれない。もしかして米国は、日本人が知らない安倍さんの一面を知っているのかもしれない。
核の傘に入っているように、諜報活動も米国の傘に組み込まれている、と考えれば分かりやすい。
例え首相が盗聴されても、抗議さえ起こらない仕組みになっている、ということである。
そんな日本の安倍首相が、米国と情報連携を深めるために「機密の厳罰化」を急ぐ。アメリカからの情報が漏れないように体制を固めろ、と言われたからだろう。

『権力に脅威なのは告発者やメディア』

米国は日本の現状を熟知していたはずだ。
なぜ今になってそんなことを言い出すのか。ショックな出来事が最近起きたからである。CIAで働いていたスノーデンの一件である。大量に機密を貯めこんでいる「親会社(アメリカ)」から情報流出が起きた。つながっている「子会社(日本)」でも起こらないとは限らない。重要機密が外部に漏れないよう体制を強化せよ、と本社から指示が出たのである。
スノーデンが流出させたのは国家という権力が、スパイ活動とは無縁の人たちまでコンピューターを覗いたり、電話を盗聴していたという事実である。米政府が自国民に向けられた諜報活動ではないと釈明すると、次は「友好国の首脳」への盗聴が暴露された。米国の国家権力のやりたい放題が明るみに出たのである。
権力に脅威なのは他国の権力やテロリストだけではない。
内部にひそむ告発者やそれを伝えるメディアが脅威である。電子情報を流出させたウィキリークスのアサンジや確信犯スノーデンのような内なる敵との戦い。特定秘密保護法は、そうした文脈から持ち上がった。狙いは内部告発者でありメディアなのだ。
同法案の21条の2にこうある。
「出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とする」
報道機関の知る権利に配慮しているような表現だが、ここがポイントだ。
例えばスノーデンのような内部告発者が新聞社に、原発反対運動の市民団体代表の電話を盗聴しているような事実を持ち込んだとしよう。その情報が「テロにつながる恐れ」として特定機密になっていたとしたら、漏らす行為は法令違反になる。違法行為を通じて得た情報は「正当な業務」と認めらない。
つまり機密の内部告発をメディアが報ずることを縛ることができる。
「公益を図る目的」であっても取材過程に法律違反が絡めば、報道できないようにかんぬきが掛かっているのだ。
スノーデンが機密情報の提供を英国紙ガーディアンの専門記者に委ねたのは、アメリカのメディアでは危ないと判断したからだ。
9.11以降、米国メディアは政府による監視が厳しくなり、機密の暴露に腰が引けている。暴露は「違法行為」であることから訴追を受ける覚悟が必要になる。米国の法が及ばない英国紙を選んだのだ。
例えば朝日新聞に機密情報が持ち込まれたらどうなるか。
そのまま記事にすれば「違法行為」に加担したことになる。新聞社は、特別チームを編成し「情報の裏取り」に走るだろう。本当に盗聴活動がなされたのか、何時、どの組織が、何回、どんな内容を盗聴したか、など取材し、確認できれば記事になる。
だが当局は「特定秘密」を盾に事実を語ることを拒否するだろう。誰かが話せば「漏えい」で違法行為とされる。そうやって記事を葬り去ることができる。

『沖縄返還密約・西山事件が物語ること』

1971年の沖縄返還の裏で結ばれた日米密約を毎日新聞の西山太吉記者がすっぱ抜いた。
国会で野党が取り上げ問題になったが、西山記者がこの情報を外務省審議官付きの女性事務官から入手し、二人は「国家公務員法違反」で逮捕・起訴され有罪になった。
沖縄返還で米国が負担すべき基地地権者への地代を日本政府が肩代わりする密約だったが、政府は「密約はない」と否定した。検察は「男女関係を利用した秘密漏えい事件」として取材のモラルに話をすり替え国家ぐるみで密約を隠蔽した。
後に米国の情報公開で密約の存在は明らかにされる。だが記者生命をかけて機密を暴いた西山の「国家公務員法違反」は消えていない。
西山事件が物語るのは、ことさら秘密保護法など作らなくても「国家公務員法」で漏えいを処罰できるということだ。
「公務員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならない」という同法の規定で十分ではないのか。なぜ厳罰化を急ぐのか。

『興味深い「テロ」の定義』

今回の法案の構成は、「特定秘密」という国家の最上級の秘密を「行政の長」が定める。特定秘密を扱うのは「適性評価」をパスした職員(民間人を含む)に限る。漏らしたら厳罰。特定秘密は5年ごとに見直されるが更新を繰り返せば永遠に封印することができる。
特定秘密は4つの分野に分かれる。
①防衛、②外交・安全保障、③特定有害活動(スパイ)防止、④テロ防止。以上に関する情報が対象になる。
公務員の活動全般に守秘義務を課した国家公務員法の上に、さらに厳罰の秘密を上乗せした作りになっている。
法案は特定機密を扱う公務員や民間人への厳重な調査・監視を求めている(第5章、適性評価)。
スノーデンのような人物が出ないように、特定有害活動(スパイ活動)やテロリズムとの関係について本人だけでなく、配偶者の親族まで調べることを行政の長や県警本部長に義務づけている。
興味深いのが「テロ」の定義だ。
「政治上その他の主義主張に基づき、国家若しくは他人にこれを強要し、又は社会に不安若しくは恐怖を与える目的で人を殺傷し、又は重要な施設その他の物を破壊するための活動をいう」とある。フェンスを壊して原発施設に侵入しようとすればテロと見なされるかもしれない。テロを拡大解釈すると市民運動もその対象になる。この規定なら、グリーンピースなどテロ組織と認定されてもおかしくない。

『表現の自由を公共の利益で制約する』

自民党は1985年、中曽根首相に時に「スパイ防止法」と呼ばれた秘密法制を目指し市民運動などの反撃で廃案に追い込まれた。
当時はスパイ防止が狙いだったが、時代が代わり権力内部からの告発や漏えいに神経を使うようになった。
30年余前は米ソの冷戦があり、機密を脅かすのは他国のスパイだった。冷戦が終わり失業の危機に陥った諜報機関は、友好国や市民など身内を新たな標的に仕立て上げ、職場を確保した。「国家機密」を隠れ蓑に、平穏に暮らす市民や友好国の首脳にまで監視や盗聴を続ける。そんな現実にやりきれなくなった内部関係者が告発に踏み切る。
重要書類をかばんに詰めてひそかに受け渡す、といった古典的な手口は映画の世界だけ。
電子化された大量情報が一気に流出する時代である。
内部に潜む敵と戦おうというのが特定秘密保護法である。
米国を中心としたこうした傾向に日本的な味付けをしたのが安倍政権だ。
「ニッポンを取り戻す」を合言葉に、政権のゴールに憲法改正を置いた。
憲法9条を空洞化し、表現の自由を公共の利益で制約する改憲である。
とはいえ根付いている平和憲法を国会の三分の二を取って覆すのは難しい。一歩後退し「改憲せず改憲状態を」という戦略を進めている。「平和憲法に手をつけず、戦争の出来る国に」である。
憲法解釈を変え集団的自衛権を認める。アメリカの戦争を遂行した国家安全保障会議(NSC)をまねた日本版NSCを設立する。防衛基本計画を見直して先制攻撃が出来る装備体制を作る。アメリカの戦争に協力し、地球の裏側まで進撃できる体制作り。これが出来あがれば平和憲法は空洞化する。
状況を追認する実質的な改憲は抵抗なく進む、という目算だ。
安倍流ともいえる「反動法制」が、高支持率を背に一気に進もうとしている。報道機関や野党の反撃に30年前のような力がこもっていないことが気がかりである。



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5 コメント

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子供の頃 (農婦)
2013-11-11 12:19:09
みんな子供路頃は、まっすぐみつめられたのでしょうね。でも、そんな気持ちだけでも、40年後の私達が、見つめ続けて行かなきゃ、悲しいですよ。
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戦国の世の習ひ、あるいは植民地主義 (海坊主)
2013-11-12 23:28:31
森雅子氏が福島県いわき市出身の参議院議員であること、そして原発風評担当大臣と秘密保全法担当大臣を兼務していることを今頃になって知った海坊主が、自ら無知であることを認めた上でコメント致します。

この記事を拝見して感じた事が有ります。フクシマ問題の隠蔽を福島の政治家に主導させるのかを。
戦国の世に限らない話だと思いますが、保身のため強大な敵の圧力に屈して自らの主君を裏切り敵側に寝返った者は件の主君を討伐する先鋒役を遣わされるといいます。寝返った者の忠誠心を試す意図があるようですが、それだけではないと思います。寝返り者にやらせることで将来に残るであろう禍根をその地に押し留める、という予防的な意味がありますし、何より何時でも使い捨てが出来ます。

森雅子氏は中央政府側に寝返って福島県民を裏切った、と言うことが出来ます。これは戦国の世の習いそのままの所業です。寝返り者となった氏は中央政府の信認を得るために福島県民を秘密保護法案で沈黙させつつ、世間にフクシマの現実を風評と吹聴してまわることでしょう。無論、氏には失敗は決して許されません。失敗は氏自身の破滅を意味します。寝返り者は元の鞘には戻れません。ましてや、自らを支持してくれた民衆を裏切る、という大きな実績があるのです。まあ、中央政府から捨てられるまでやり続けるしか生き残る術はないのでは。

同様に、宗主国から現地人に付託された植民地支配にも言える事です。搾取のために苛烈な支配を直接強いるのはスマートな宗主国民には格好悪いことでした。世の評判にも響くことです。そこで、優秀な現地人に支配を代行させることで手を汚さずに搾取を続けられるシステムを発明しました。現地の代理人は宗主国の信認を得るべく、支配手法をより苛烈で残虐なものにエスカレートしていくのです。宗主国は現地人同士の衝突を誘発し、現地人達が連帯しないよう上手くコントロールするのが彼らのやり方でした。

自らの手を汚さずに支配し続けようとする狡猾な安倍政権。今の日本は中央政府とその国内植民地という縦型の構造が露になり、福島は日本から切り捨てられています。
健忘と棄民を常習とする日本民族にとって、いつもの風景だったかも知れませんね。
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未曾有の、誰も経験したことが無い歴史の激動期に突入した日本 (宗純)
2013-11-14 15:35:41
農婦さん、海坊主さん、コメント有難う御座います。

2011年3月11日からの日本ですが、それまでの平和だった日本と名前も見かけも同じなのですが中身が大きく違っている。
まさに激動期であり、『戦国乱世もかくあらん』というような浅ましい裏切りやら転向だけではなくて、残虐非道な行いが横行して目も当てられない有様に。
『森雅子氏は中央政府側に寝返って福島県民を裏切った、と言うことが出来ます。』ですが、
『福島県民を裏切った』という部分は正しいが、微妙に違うようなのです。
そもそも、何処にも超越思想が存在しない我が日本国では、常に『勝ち馬にのる』ことだけが、他の全ての事柄に優先しているのですよ。
太平記のように戦場で味方が不利になれば、『義によって助太刀いたす』と、
敵方に寝返るのが普通であり、負ける側につけば、いくら正義でも命がなくなるので御終いなのです。
ですから玉音放送さえあれば鬼畜米英、一億玉砕が
一夜にして全員、アメリカの民主主義は素晴らしいに変化しても、誰も不思議には思わない。
ただ早すぎると天誅組の中山忠光のように殺される。
遅すぎると矢張り新撰組の近藤勇のように失敗して殺される。
いま、全員で風向きを判断して、いかにして勝ち馬にのるかを思案しているのでしょう。
東電や政府のプルサーマル計画に疑問をもった佐藤栄佐久前福島県知事が東京地検特捜部の国策捜査で失脚した後の知事選に自民党から出馬して落選したのが、森雅子。
この時に民主党の支援で知事に当選したのが今の知事です。
今、福島民報など地元紙も知事も市町村長も森雅子などの国会議員も敵味方全員一致で安全・安心、心配ないを連呼しているのです。
福島県民は『誰一人も逃がさない』との方針なのですよ。
悪魔の飽食、人体実験で無いとしたら。
多分病的な現実逃避。
あまりにも恐ろしくて真実を見つめる勇気が誰にも無いのです。
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世論を偽装する手間も惜しむ省略社会 (海坊主)
2013-11-14 23:50:45
宗純様、お返事ありがとうございます。

「勝ち馬にのる」との表現は全くその通りと思います。
311以前は二大政党制を意識して国民に「偽りの」選択肢を提示して格好を繕っていた国内政治ですが、今やその手間すら惜しんで以下省略するという体たらく。山本太郎氏の一件は国民にその手抜きが露になった一つの記念碑的出来事でした。

貴重な主張を提示する少数政党・グループは勢力をのばす事は全く期待出来ない程マスメディアと行政が「完全にコントロール」されていて、3年後に完全なる独裁体制に入る未来すら予見される始末です。
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裏切り、談合、妥協と先送り、最終兵器としての忘却 (宗純)
2013-11-15 16:48:22
海坊主さん、コメント有難う御座います。

今の日本ですが『3年後に完全なる独裁体制』は多分無理ですよ。3年も、そんなに長くは持ちません。
現在でも、本当は崩壊状態なのですよ。
ところが自民党から共産党まで挙国一致での大政翼賛会で必死になって隠しているだけ。
何とも日本的な、見慣れた腹立たしい風景なのです。
美しい国の美しい言葉『日本の真髄』
2008年03月04日 | 社会
http://blog.goo.ne.jp/syokunin-2008/e/8f08c08258d9fe9a3dc8d6b8aec78ba7
『終わったこと』なら裏切りと妥協と先送りを続けている内に人々が忘れてくれるので、この作戦は間違いなく成功する。
ところが、68年前と同じで、放射能では相手が悪くて、此方が忘れて何もなかったことにしても相手が忘れてくれない。
8月15日の玉音放送まで、もう残されている時間が少ししか有りません。
それにしても安倍晋三とか森担当大臣とか共産党の志位委員長とか、目の前の日本国の敗戦が見えないのでしょうか。不思議でなりません。
いったい彼等は問題点を先送りすることで、何を待っているのでしょか。
カミカゼが吹いて日本が助かるとでも思っているのか。
どれ程先送りして時間を稼いでも、絶対に奇跡は起きないし神風は吹かない。
それにしても時間稼ぎの擬装が子供騙しでお粗末であり、到底大人の鑑賞に堪えれる水準に無い手抜きのバッタもの、粗悪品が過ぎるでしょう。
インチキがばれないように、徳洲会の徳田議員とかみのもんたを各個撃破していたが今度は特別機密保護法で一網打尽に、全部まとめて隠蔽する算段なのです。
福島県検討委発表ですが、この程度の低級な手品では誰も騙せないでしょう。
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