逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

NHK「核を求めた日本」原子力発電は核機微技術の確保目的

2011年08月24日 | 軍事、外交

『原発周辺、長期居住できず』

政府は21日、東京電力福島第1原子力発電所事故で、半径20キロの警戒区域のうち原発に極めて近い地域について、長期間にわたり居住は困難として、警戒区域の指定を解除せず、立ち入り禁止措置を継続する方針を固めた。
27日に菅直人首相が福島県入りして、地元自治体に直接説明し陳謝する。対象地域は同県大熊、双葉両町内の原発周辺3キロ圏内となる見通し。
第1原発に近接した地域は放射線量が極めて高く、長期間にわたって居住は難しいと判断。
立ち入り禁止措置は数十年続くとの見通。
避難生活が長引く警戒区域の住民からは、集団移転を念頭に、政府が方針を明確にするよう求める声も出ていた。
『政府としても『戻れない』と早く言わなければいけない』(首相官邸筋)とし、近く退陣する首相が在任中に福島を訪れ、陳謝することになった。(2011/08/21時事)

『何の為の原子力発電だったのか』

自民党政調会長で元防衛大臣の石破茂がMBSの『報道ステーション』で自民党が『脱原発』に反対する理由として、『日本は絶対に核兵器を持つべきでない』とことわった上で、原発を持つことは一年以内に核兵器を開発できるという核の機微技術の確保による『抑止力』を意味し、剣道の寸止めのようなものであると、長年日本の政権党だった自民党の恐るべき内幕を正直に説明している。
『機微技術』とは、武器、あるいは、民生品であっても大量破壊兵器などに転用できる物に関する技術のことで、国家(国際)安全保障に甚大な影響を与え得るもの。
原発推進派が懸命に隠し続けていたが今回明らかにした石破さんは、政治家としては問題だが人間が何とも正直である。
核の機微技術は、原発事業とセットで、ウラン濃縮から使用済核燃料処理など核サイクルシステムの関連技術体系で、これは米英仏ロ中など核保有国以外では世界中で唯一日本国だけが全てを保有する特別な存在なのです。

『目の前の隠されていた醜い真実』

『どうせ私を騙すなら、騙し続けて欲しかった♪』との演歌の台詞そっくりの感情的な批判が石破茂氏の『隠されていた真実』の告白?に対して出されている現状は嘆かわしい。
原発推進の今までの言動は『いささかの間違いもない』と言い切る与謝野馨財務相や『原発は必然』との谷垣禎一自民党総裁と比べてみれば、石破発言の真っ当さは段違いである。
どれ程悲惨な事柄でも、それが客観的事実であれば『いや違う。事実ではない』などと頭から否定せず、隠されていた不都合な真実を『これは間違いない事実である。』として受け入れる以外に方法が無いとの科学的判断が出来ないとは何とも情けない。
石破茂自民党政調会長が原発推進は核武装・核抑止力のためだった事実を明らかにしたことに対しては『理解不能』とか『欲ボケした低脳ミリタリーオタク』などの言葉は上質な部類で、低級な政治ブログでは『石破茂とかいうキチガイ』等と常識ある大人とは思えない見るに耐えない感情的な罵倒語が並んでいて、『何が(隠蔽されていた)真実であったのか』との視点が欠落しているのですから困った話である。

『石破と石原慎太郎との明確な違い』

報道ステーションの石破発言ですが、 機微技術の保持との原発の存在理由を述べる前に、『日本は絶対に核武装するべきでない』との前提発言を行っている。
ですからタモ神とか石原慎太郎など夢想的な右翼の現実無視の核武装論とは一線を画している事実を、護憲派が今のように完璧に無視するべきではないでしょう。
日本の原発ですが、経済性は真っ赤な嘘。
安全性に至っては正反対である事実は今では誰でもが知っている、
それなら何故、とんでもなく危険で天文学的な損害が出る原発を日本国が国策として何十年も推進していたかの謎ですが、 これは石破発言以外には無いのです。
客観的に正しい科学的事実は、善悪とは無関係に『事実である』と認める以外の選択肢は無いことに皆さんは余りにも無頓着過ぎないでしょうか。
石破発言ですが、『悪い』ことは事実ですが、同時に恐ろしいことではありますが『正しい』客観的な歴史事実に合致した発言なのです。

『半世紀前からの客観的事実』

この『石破発言が正しい発言である』との意味ですが、 自民党が半世紀もの長い間、 何十兆円もの大金かけて、 しかも半世紀前に15万キロワットという小型原発の過酷事故でも国家予算の倍以上の損害が出ると試算されていた、 下手をすれば国家滅亡の危険性がある原子力に拘った理由とは、『石破発言』以外には真実は無いとの意味です。
石破発言の中身が良いか悪いかと問われれば、間違いなく極悪発言ですが、 正しいか間違っているかの判断なら『正しい』としか答えは出ない。
半世紀もの長い間、日本国が積極的に推進した『国策』の中身とは、まさに『石破発言』なのです。
恐るべき事柄であり忌まわしい。直視出来ないほどに醜いとの理由で、今現在の目の前にある『真実』から目を背けることは正しい態度ではありません。
『悪いこと』(許せない)と、『間違いである』(事実と違う)とは同じではありません。
石破発言は悪いことですが、間違いではないのですよ。
半世紀の日本国の真実の姿を、正直に石破は語っているのです。
如何も、『悪い』と、『間違い』の二つの別のカテゴリーが『許せないとの感情論が先走り』して仕舞い、『別のもの』との違いが判らずに混同している。
石破発言を、間違いである(事実と違う)とするなら、 それならこの半世紀の間何故日本国はとんでもなく危険で莫大な経費がかかり経済的には到底採算が合わない原発を推進していた、別の合理的な理由を何か『ある』と考えないと合理的とは言えず、論理的に無理なのです。
『原発は安全で安い』と正反対の真っ赤な大嘘を付いてまで、とんでもない間違っていた恐ろしいことを半世紀も続けていた日本国の国策(原発推進)に、 もしも石破発言以外の『別の合理的な説明』が出来るなら、誰でも良いから是非ともお聞かせ願いたい。
冷静に色々な事実を突き詰めれば、石破発言以外に合理的に説明が付く原因は『何処にも無い』のですよ。
日本は『核を求めていた。!』のです。

『NHKスペシャル「核を求めた日本」』

奇しくも福島第一原発事故の半年前の2010年10月3日NHKスペシャルのスクープドキュメント『核を求めた日本』が放送されている。
1945年7月16日アメリカの人類初の核爆弾トリニティが炸裂して巨大な閃光とネバダ砂漠上空高くに舞い上がる不気味なキノコ雲の地獄絵。
数週間後には日本の広島長崎にアメリカは原爆攻撃を行っている。
このNHKドキュメント番組『核を求めた日本』では1964年の中国の初めての核実験成功に対して、衝撃をうけた当時の佐藤栄作首相が日本の核武装を真剣に模索していた驚愕の事実が関係者の証言で明らかになっている。
日本国は『核武装により超大国への道を目指すべきである』との、驚愕の『狂気の議論』が自民党政権内部では国民には内緒で密かに行われていた。
専門家の秘密研究で、核兵器の製造は技術的には比較的短期間で可能だが政治・外交的なアメリカや周辺諸国からの反発が予想されて、日本政府は核兵器の開発を断念する。
佐藤栄作首相は、日米首脳会談で日本国の核兵器開発の断念の見返りとしてジョンソン大統領に核での報復(核の傘)の確約を取り付け、この直後に有名な日本の非核三原則が発表された。
一見平和政策(緊張緩和)に見える日本の非核三原則と、超強硬な狂気の軍事政策である核による報復政策(核の傘)とは別々のものではなくて、何と政策的に一連の『セット』で一体であったのです。

『実戦を考え反核に向かうドイツ、対照的な姿勢の日本』

日本国は一応はアメリカに核武装を放棄する決定を伝えたが、その後も核兵器への未練は捨てきれず1969年に、旧同盟国(日独伊三国同盟)で置かれている立場が似ている西ドイツと内密に核兵器の保持について秘密会合を繰り返していた恐るべき事実が関係者の証言で明らかにされている。
日本側の危険で夢想的な核武装論ではなくて、当時の西ドイツは東西冷戦の最前線であり実際の、次に起きると想定される具体的な戦争(実戦)を想定していた。
その為に、日本側の積極的な態度とは対照的に、ドイツは国家存亡に繋がる自国の核武装には消極的であり、最後まで賛成することは無かったらしい。
秘密会合や研究だけではなくて、日本で初めての東海村原子力発電所(15万キロワット)を使った、具体的な核兵器用の高純度プルトニウムの生産計画もシュミレーションされていた事実も報道されている。
日本の原子力発電推進の意味から、問題とされた石破茂の機微技術の部分を除くことは、そもそも原理的に無理がある。
石破発言とは、『王様は裸だ』と真実を叫んだ正直な子供のイソップ寓話と同じ種類の、何とも腹立たしい話であったのです。


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軍事的自尊心のために裸の大様の行列はますます華やかに (現田石)
2011-08-24 17:23:10
奇しくも2011年8月22日、文化放送「吉田照美 ソコダイジナトコ」の週刊エンターにて、小出裕章助教が、次のように言及しています。

私はそのこと(=「核を求めた日本」という番組の内容)をずうっと政府の外交文書等で知っていましたので、まあようやくNHKもこういうことを言い出したんだな と、思いましたけれども。(引用終わり)

つまり、外交文書等でも裏づけのある真実なのでしょう。一方、石破発言は、軍事的自尊心のために裸の王様の行列をますます(大金をかけて)華やかに挙行し続けようとの強い意思の表われと私は受け取りました。
理性は力があってこそ (愚樵)
2011-08-25 04:57:08
宗純さん、こんにちは。

国家として自主独立を求めるのであるなら「核を求める」ことはどう考えても「正しい」ことです。日本国は平和国家を謳っていますけれども、「核を求める」ことと理念としての平和を謳うことは必ずしも矛盾しません。問題は、「核のある平和」か「核のない平和」かの違いにだけ。

理念を実現するの理性です。闘争が機軸の民主主義を議会という戦争代償行為で平和的に統合するのに、主軸となるのは理性をおいてない。そして、理性が万全でありさえすれば、核を所持していたところで何ら問題はない。使わなければよいのですから。

使わなければよいなら、所持しなければよい。確かにそれは理屈です。ですが空論です。核は力なのです。そして理性は力があってこそ意味がある。力を制御できるからこそ理性に意味があるのです。ですから、最高に理性的な国家とは最高の力である核を完全にコントロール出来る国家。そういった意味では石破議員が想定する国家こそが、実はもっとも理性的な平和国家。武力の放棄を謳った平和憲法を掲げ、最高の力である核を平和利用する。が、一方で、いざ有事というときのためにいつでも核を軍事転用するための備えは怠らない。民主主義国家としては完璧です。

ですが日本はその道を歩まなかった。国民の反対もあり歩もうにも歩めなかったという現実もあるでしょうが、それよりも重大な事実は、核を求めた権力者自己の保身が完全民主主義国家への道を歪めたことです。核施設は東京に、それも皇居に作るべきだった。天皇には核の守護神となってもらうべきだった。核という巨大な力を制御するには、理性が常に最高度の緊張感をもって保たれたければならない。すなわち臨戦態勢でなければならない。平和でかつ臨戦態勢であるという矛盾を実現するには、つねに自身に刃をむける「ダモクレスの剣」が必要。それは核施設を東京へ建設することで、容易に実現できたのです。

しかし、権力者はその道を選ばなかった。「原子力は安全」などと嘘をついた。国家よりも自身の保身を優先したわけです。石破議員も、なるほど主張は正しいが、所詮は口先だけ。自身は権力の果実だけを味わい、ゴミは国民へ押しつけたい。正しい主張の合間からその魂胆が透けて見えてしまいます。
現実と理想との葛藤 (青い鳥)
2011-08-25 06:02:10
>『日本は絶対に核兵器を持つべきでない』とことわった上で、原発を持つことは一年以内に核兵器を開発できるという…>核の機微技術の確保による『抑止力』を意味し、剣道の寸止めのようなものである
>自民党が『脱原発』に反対する理由として、『日本は絶対に核兵器を持つべきでない』とことわった上で、原発を持つことは一年以内に核兵器を開発できるという核の機微技術の確保による『抑止力』を意味し、剣道の寸止めのようなものである…いずれも要諦を鋭くえぐられてますね。 宗純さんのご指摘に賛同します。「善いこと」と「悪いこと」、それと、「正しいこと」と「正しくないこと」とは、そもそもカテゴリーが別のものなのですね。今までわたしは、「坊主憎けりゃ、袈裟まで憎い。」派でしたが、短絡に過ぎたと反省しないとなりませんね… 確かに、石原・タモ紙と、石破政務調査会長は、違いますね…。なる程…。
‘機敏技術’、「寸止め」それに、愚樵さんご指摘の「完璧な民主主義…。」論…。「盲信的な護憲論者である、わたくしめ。」と致しましては、実に悩ましく、転向するか、しないかの重要な点でありますね…。「実に悩ましく、苦渋の極み…。」 以前、愚樵さんのブログで「折り合い」について勉強させて頂いたのですが…。まさに「核抑止論なるものは…」わたしの思想の中で、「絶対矛盾的自己同一」のスパイラルに入り込んでしまい、出られなくなるんですね…。「核は悪。」と「現実的国際社会でのパワー・バランスの中にいる日本」どっちの立ち位置に立つのか?
やはり「機微技術」を持ち「寸止め状態」を保ち乍ら、唯一の被爆国として、「核兵器廃絶」に向け国際社会に根気よく訴え続けるか…。
現実にドッブリ浸かり、理想をかなぐり捨てるのも、希望の芽を摘む様で癪に障る…。実に悩ましいですね。転向はしたくないし…。これが「イデオロギーの呪縛」というものでしょうか…?。
原発事故の前と後では意味が正反対 (宗純)
2011-08-25 12:11:14
現田石さん、コメント有難うございます。

小出さんですが、このNHK放送『核を求めた日本』が原発事故の後ではなくて、5ヶ月前の時点でも放送だったことに着目していて、『日本国の核武装に対する地ならし効果を狙った世論誘導ではないか。』と、疑っているのですが、
私も、このことは十分に注意するべきであると思っています。
この放送が、3月の原発事故の後に再放送されるなら素晴らしい。
ところが多分絶対に不可能であろうと思っているのですよ。
まあ、ネットなら今でも繰り返し見ることは可能ですが、ネットを見る人とは最初からNHK放送の内容を既にある程度は知っている人達だけなのです。
マスコミ放送はその点が正反対で、今までまったく知らない人が見るモノなのですね。
同じビデオでも、見る目的も対象者も正反対なのですよ。
小出氏の危惧ですが、今後NHKで再放送されるなら杞憂に終わるでしょう。
再放送しないなら、間違いなく核武装世論誘導用の地ならしとか免疫効果の高等戦術で悪質なプロパガンダですね。
10年ほど前から、それまでの憲法9条のある日本国ではあり得ない『核武装論』が政治家の間に上るようになっていたのですよ。
また3・11直前までは小出氏の原発反対などは、1割程度の少数意見でしかなかったので、無視できる程度のささやかな力しかなかった現実がある。
当時は、今とは大違いで政府やマスコミによる刷り込みが大成功していたのですね。
そして原発事故を見ても事故の数ヶ月後では、原発の賛否が拮抗状態であったのです。
とことが半年が経過して福島の惨状から、今では完璧に様変わりして以前は絶対多数だった原発推進派は数字の上ではゼロですね。
辛うじて現状維持派が1割程度の残っているだけです。
原発反対派が8~9割なのです。
ところがマスコミも往生際が悪すぎる。
普通世論調査なら賛成・反対・判らない(現状維持)の三択ですよ。
あるいは賛否に積極的か消極的かを入れて五択にする。
最新世論調査では、今すぐ原発停止が11%徐々に原発停止が74%。現状維持が14%。
この三択可笑しいとは思いませんか。
原発問題物の是非を問うなら当然質問にこれ以外に原発積極推進とかゆっくりと安全確認しつつ建設するが無いと、駄目なのですね。
片一方だけしか聞いていないのです。
原発ですが、少しでも知識がある人なら即座に中止すると決定しても本当に廃止できるのには何十年もかかることを知っている。
ですから徐々にも即時も原発に関しては全く同じ意味であるので、それなら原発は意思は圧倒的な多数意見になっている。
【機微技術】ではニュース検索で「Hit」無し (JUNSKY)
2011-08-25 14:17:29
自民党政調会長で元防衛大臣というこの面では“大物”のの石破茂が【機微技術】保持のための原発であったという重大な発言をした、というのは、このブログ記事で初めて知りました。

早速、【機微技術】でニュース検索を行なってみたところ「Hit」無しで、この話がマスコミでは『タブー』であるらしいことが推察されました。
一方、Web検索では、こちらの記事も含めて幾つか「Hit」しました。

たとえば、富士通のサイトでは
【機微技術とは、武器、あるいは、民生品であっても大量破壊兵器などに転用できる物に関する技術のことで、国家(国際)安全保障に甚大な影響を与え得るものを言います。

機微技術は、現在、国際レジームのなかで管理されており、各国では、それに適した国内法制度を整備して運用しています。基本的には輸出入規制がそれに当たりますが、規制の対象は広く、物品の海外への販売やサービスの提供、海外企業の買収、技術提携、共同研究などにまでおよびます。】

また、「weblio」では、
【機微技術 (軍事的に利用される可能性のある核技術)
sensible nuclear technology (SNT) 】

「政府 文部科学省」のサイトでは、
【経済産業省では「安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンス(大学・研究機関用)」を作成しております。】

 などなど、核を中心とする軍事技術などを指していることが解りました。

「石破発言は悪いことですが、間違いではないのですよ。 」 という冷静な判断も賛成いたします。
 反核活動家は、石破氏をボロクソに批判するのではなくて、「良く本音を言ってくださいました」と“感謝”しながらも、自公民政権の政策を糾して変えさせてゆく努力こそすべきところですね。

 重要な情報提供ありがとうございました。

愚樵さん、それは悪い空論です (宗純)
2011-08-25 16:32:58
コメント有難うございます。

愚樵さんがご自分の愚樵空論で行う分には良いと思いますが、他所のブログで空論を行ったのではしゃれになりません。
少しも面白くない。
それは正に空論であり間違いですよ。
この記事でも何遍も何遍もしつこい位に繰り返していたのは、石破発言は政治判断として『悪い』が、同時に歴史認識として『正しい』(客観的歴史事実と合致している)ですよ。
これを意識的に、誤魔化して『正しい政治判断』との持論に誘導するのは感心しません。
それは不真面目な態度ですよ。
それにしても今回の石破発言に対する護憲派の感情的で過激な非難を繰り返す理性的でない反応ですが、心底がっかりさせられる。
これでは左右の違いがあるだけで、『歴史教科書を作る会』のお馬鹿過ぎる主張と全く趣旨が同じであるのですよ。
あるいは『自軍に悪い知らせをもたらした兵士が殺される』との話の二番煎じ。
悪い現実から目を背けたいのは判らないでもないが、それでは現実の危機回避にとってはマイナスにしかならない。
刃物を持った暴漢に襲われた時に、欧米では母親は子供を守る為に自分の背中側に回して、相手に対しては正面から立ち向かう。
ところが日本人の母親は子供を抱きかかえて危険な相手に背中を向けて仕舞うのですね。
これでは攻撃から守れないのですよ。
不利であれば不利であるほど、身を守る為に正面を向く必要があるのです。
良い情報は遅くても良いが、悪い情報が遅くては役立たない。
この記事の最初に書いてあるのは、原発事故では住民たちは生きている間には故郷に帰れない悲惨な現実です。
これを日本国は半年後にやっと住民に知らせる覚悟が出来たのですね。
ところがソ連では事故後数日で、全住民の恒久的な疎開を始めている。
半年間も避難所の体育館の床にごろ寝など狂気の沙汰であり、信じられない酷い有様です。日本では危機管理では、暴漢に背中を向けて仕舞う幼子を持った母親と、国民を守る責任がある政府の態度がシンクロしている。
同じであるのですよ。
今起きている恐ろしいことを正面から見なければ、その内に運が良ければ神風が吹いて危機が去るかも知れないと思っていたのですよ。
情けない。
本当に涙が出そうですよ。
『核で国を守る』ですが、確かに一概に間違いであるとは言えないでしょう。
例えばフセイン政権が核武装していればイラク戦争は無かったのです。
その意味では北朝鮮の核武装は『間違いではない』し正しい政策であるとなるのですが、実に困った話です。
リビアのカダフィ政権に核兵器があればNATOの空爆は無かったのは間違い無い事実なのです。
無いから攻撃された。
イラク侵攻でフセインが殺されるのも見てカダフィは即座に多分イギリスの謀略(濡れ衣)のテロ行為を認めて大量破壊兵器も廃棄して、攻撃の口実を潰すが、8年後にフランスのサルコジにリビアに反撃手段が何も無い事実を突かれて、空爆されたのですね。
核兵器とは必ず何時かは『使う』との覚悟がないものは持つべきではないし、そもそも『使う』為に用意するのです。
アメリカですが冷戦中は空はB52戦略爆撃機に水爆を積んで24時間1年中高空で待機していたし、海では矢張り戦略原潜が深海に潜んで来るべき人類滅亡の第三次世界大戦の最終戦争を一時も抜かりなく準備していたのですよ。
日本人以外では使う予定が無いものは準備しないのです。
これは原発でも同じで、事故では日本のような周辺住民は一時的な避難とは大違いで、即座に全員を別の安全な場所に完全に疎開させる。帰れないと知っているのですよ。

今度の原発事故ですが、アメリカは20年以上前からマーク1の致命的な脆弱性は判っていた。
原発メーカーのGMは水素爆発を避けるため仕方無しに設計変更してベントを新たに付け加えるのですが、勿論日本にも連絡する。
ところが日本の電力会社では、放射能のフィルターが高価なのと場所を食うのでベントの配管を設置しただけで誤魔化す。
実際にベントすると放射能がダダ漏れ状態になるので、政府のベント実施要請にも実施せずにやり過ごして、怒った官直人が直々に福島第一まで出張っていいく異常事態に発展する。
首相まで出てくるので東電は仕方無しにベントを行おうとするが、そもそもこのベントは、アメリカの様には使う予定が全く無い。
停電すると動かない仕組みだったのですから、無茶苦茶。不真面目の極みです。
全電源喪失するからベントするメルトダウンが起きるとの肝心な話が忘れられている。
世界に無く日本だけにあるレストランの本物そっくりの食品見本と同じで、見かけ上はベントなのですが実際に使うことは全く考えていない何ちゃってベントかベントの見本品。
核兵器までが使う予定が全く無いのですから、これは食堂の前に飾ってる料理見本と同じで、基本的にインチキですね。
まだ見ていなければ、是非とも見て下さい (宗純)
2011-08-25 17:33:15
青い鳥さん、コメント有難うございます。

このNHKのドキュメント番組『核を求めた日本』ですが、内容的には外から今まで推測されていた事柄ばかりであり、小出氏など今まで日本政府の核政策を見つめていた者にとっては一つも目新しい事実は有りません。
ただし、外側から状況証拠で『○○であろう』と推測しているのと、現実に当事者が直々に『○○であった』と証言しているのとでは、全く同じ内容なのですが、重さには大きな違いがある。
見れば『よくもここまでぬけぬけと。それを言ってしまったら終わりだろうが。』的な腹立たしい話が語られているのですよ。
当時の日本政府ですが佐藤栄作はA級戦犯岸信介の実弟なのですが、発想が丸っきりの日本帝国の小役人なのですよ。
進歩がまるで無い。
3百数十万人の日本人の命で購った貴重な経験が完璧に無視されていて、日本政府と大日本帝国とはやっぱり地続きだったのか。との感慨に今更ながらに気が付かされます。
日本は核兵器を作って超大国に成れると本当に信じていた。
断念した理由とは政治や外交、経済への悪い影響が出る事が予想されたからですね。
分かり易い例なら、『核で国を守る』との政治とは、今の北朝鮮と同じであるのですよ。
しかし、これでは北朝鮮とは大違いで、今までの日本人が営々と築き上げてきた平和国家日本との信用を完璧に失うからですね。
北朝鮮ですが、核武装することで軍事的には意味があるが、政治的経済的には大損害を被っている事実は、日本人なら誰でもが判ると思います。
今の北朝鮮ですが、プラスマイナスなら間違いなくマイナスが大きい。
ましてや日本国では准戦時下の北朝鮮以上にマイナス面が大きいのですよ。
ですから日本に核武装の選択肢は最初から無いのです。
日本と良く似た立場のドイツを見て下さい。
東西に国家が分裂していて、しかも地続きだったのですね。
それで西ドイツは本気で現実の戦争を考えていたので講和条約を結ぶやいなや間髪をいれずに憲法改正から徴兵制、共産党の非合法化へと突き進む。
周辺国と200キロもの海で隔てられた天然の要害の地で世界史でモンゴルとアメリカ以外には攻められなかった日本国とは、他国と地続きで二回の世界大戦で国土の基本的な部分である旧プロイセンを全て失ったドイツでは戦争の概念に大きな違いあるのです。
西ドイツですが、自国内で核兵器の保持には十分実戦を想定したシュミレーションしたはずなのですね。
そこで得られた結論は、今度の核戦争に舞き込まれたら自国が滅亡するとの当然過ぎる結論である筈です。
次回の第三次世界大戦の核兵器の勝敗では国土の広さと人口の多寡が決定的に重要であり、ソ連やアメリカ中国は残る可能性があるが、日本やドイツでは基本的に無理なのですね。
日独秘密会合の後、ドイツは正式に非核化の道を歩み出すが、対照的に日本は表向きの顔とは別に国連などの非核化の決議には4割り程度の低い賛成率なのですね。
非核化の建前と本音が違っていたのですよ。
今の原発に対する日本国の態度と、ドイツの態度の違いも、この日独の核兵器への未練の違い(執着度)から出ているのです。
また宗純さんの悪いクセ (愚樵)
2011-08-25 19:28:02
・宗純さん

まあ、私のコメントが「空論」であるということは認めますが。

>これを意識的に、誤魔化して『正しい政治判断』との持論に誘導するのは感心しません。

これは宗純さんが誤り。私は「政治判断」だとはしていません。確固とした原理に基づいた論理的判断です。それを明確にするためにちゃんと拙ブログの記事をTBしたではありませんか。

私が上のコメントで示したかったことはなにか。原理的に正しいことは政治的には困難だということです。原理的に正しい選択をできることは政治的に有利である、と言い換えてもいい。そう捉えれば、なぜ今以て日本は国連憲章では敗戦国なのか、IAEAの主要核査察対象国が北朝鮮やイランなどではなく日本なのか、その理由も見えてきます。

つまりは、原理的に正しい判断をさせない政治的状況をつくりだすことが、それらの「装置」の役目なのです。左翼の核廃絶運動も、そうした「装置」を助ける役割を果してしまっている。オバマの、なんら実行を伴わない核廃絶宣言がノーベル賞を受賞したのも、「装置」を強化する狙いからと考えるのが合理的というもの。

その点、宗純さんの嘆きにはまったく同感。日本においては理性や論理を重視するとしている連中ほど、実は感情的。感情がラディカルな思考を阻害してしまっている。だから、国際社会の政治力学に対抗する「空論」ですら組み立てることが出来ない。

もちろん、悪いものには悪いと批判はすべきです。ですが批判だけでは何も変わらない。脱原発問題では一部論者が感情的な批判だけでなく有効な対案の提示を行なっていますが、そういった動きは護憲派には見られない。あるしても有効期限が切れたマルクスを持ち出す程度が関の山。

もっとも私はいまさら「がっかり」などしてはいませんが。想定済み、ですからね。想定外の「びっくり」を、いつか味わってみたいものです。
何とも悩ましい… (青い鳥)
2011-08-26 08:41:00
再度の投稿をお許しの程…
宗純さん、愚樵さんのお考え、両お方の論理的思考については、日頃、非常に納得させられ、わたし自身の思想や思考が今までにない衝撃を受けているところです。
>その点、宗純さんの嘆きにはまったく同感。日本においては理性や論理を重視するとしている連中ほど、実は感情的。感情がラディカルな思考を阻害してしまっている。だから、国際社会の政治力学に対抗する「空論」ですら組み立てることが出来ない。

これ、愚樵さんのご指摘ですが、わたし自身に全くあて嵌まるのですよ…今まで『あいつは「右」的思想の持ち主だから、間違っている。絶対反対だ!。」と、誠に非論理的な考えを意固地に持っておりました。やはり教条主義的な「お題目なるもの」で、己自身をがんじがらめに束縛していた事に遅まき乍らに、気づかされた思いなのです。
宗純さんご指摘の、「日本が、まっ赤な嘘をついてまで、原発に拘り続けた理由。」(機微技術)なるもの…ストンと腹に落ちましたし、『石破発言は、「悪い」けれど「正しい」。』も良く理解できました。
いずれにしましても、宗純さん、愚樵さんのお二方ともに、論理的思考で物事を捉えられてみえますので、今後とも勉強させて頂きたいなぁ…と思い、横槍を入れさせていただいた次第です。悪しからず…。
時々大人が喋らないタブーを平気で口にする石破茂 (宗純)
2011-08-26 13:38:36
JUNSKYさん、コメント有難うございます。

石破茂ですが、まさに軍事オタクか兵器オタクの鑑みたいに人物で、ロシアの首脳と会談する予定があるなら徹夜してでも頑張ってロシア製兵器のプラモデルの完成させるらしいですよ。
大人になりきれない部分があり、この人は友人としては面白いかも知れないが、決して身内には持ちたくない困った種類の人物ですね。
やっていることや主張は概ね滑稽なのですが、しかし大人の常識が無い分、時々は他の人なら決して喋らない種類の素晴らしい本音が聞けるのですよ。
今度の話なんか、常識ある大人たち全員がが半世紀もの長い間隠していたタブー中のタブーを平気な顔でペロッと喋って仕舞うのですから、記事の最後に書いたように、
石破発言とは、『王様は裸だ』と真実を叫んだ正直な子供のイソップ寓話と同じ種類の、何とも腹立たしい話であったのです。
この掟破りの子供染みた行動には我々常識ある大人としては、笑ってよいのやら、それとも怒ってよいのやら、何とも難しい選択が迫られるのですよ。

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