逝きし世の面影

政治、経済、社会、宗教などを脈絡無く語る

クーデター危ぶむ声も 前空幕長問題で自民幹部

2008年11月14日 | 軍事、外交
田母神俊雄前航空幕僚長が歴史認識に関する政府見解を否定する論文を公表した問題をめぐり13日、自民党の各派総会で、青年将校らがクーデターを企てた2・26事件などを引き合いに「シビリアンコントロール(文民統制)をしっかりしないといけない」と危ぶむ声が相次いだ。

山崎派では、防衛庁長官も務めた山崎拓会長が「最高指揮官の麻生太郎首相が村山談話を踏襲すると言っている以上、現職自衛官が論難することは許されない。
憲法秩序の中の自衛隊とわきまえてもらいたい」と批判。

石原伸晃幹事長代理は「かつて世界恐慌が起き、政治不信を背景に青年将校が台頭した。
金融恐慌の今、日本では若者が政治への不満を募らせている」と強調し、野田毅元自治相は「政治が緊張感を失っているのではないか」と指摘した。

麻生派の中馬弘毅座長は「陸上や海上(自衛隊)は大丈夫か。
だらしない政府はつぶせと首相官邸を取り囲み、放送局を占拠すれば一挙にクーデターとなる。
2・26事件は青年将校だったが、今回は長だ」と訴えた。
2008/11/13 【共同通信】




『侵略戦争を肯定』

「つくる会」幹部が講師 (自衛隊幕僚学校 田母神氏新設の講座)

幹部自衛官を教育する自衛隊統合幕僚学校(東京都目黒区)で、侵略戦争美化の歴史教科書づくりをすすめる「新しい歴史教科書をつくる会」の福地惇副会長(当時は理事)が講義していた事が判明。

同学校は侵略戦争肯定の懸賞論文を発表した田母神俊雄前航空自衛隊幕僚長が校長を務めていた。
福地氏は文部省主任教科書調査官時の1998年に教科書検定基準の「近隣諸国条項」を批判し、更迭された。
講義は2006年4月17日で、統合幕僚学校一般課程の「歴史・国家観」講座。
テーマは「昭和の戦争について」。
「つくる会」の西尾幹二前名誉会長のホームページに掲載された講義案によると、「満州事変・満州建国は日本の侵略ではない」とするなど田母神氏の懸賞論文とほぼ共通している。
「歴史・国家観」講座は田母神氏が学校長のときに、新設された。
同氏は航空自衛隊内誌の「鵬友」(〇四年三月号)で「今年の一般課程から『国家観・歴史観』」という項目を設け、五単位ほど我が国の歴史と伝統に対する理解を深めさせるための講義を計画した。
主として部外から講師をお迎えして実施してもらっている」と記述しています。

『統合幕僚学校』 

東京都目黒区の陸上自衛隊目黒駐屯地にある幹部自衛官の教育研究機関。
陸海空各自衛隊の将補や1佐、2佐クラスが「学生」で、高級幕僚業務、自衛隊統合運用、安全保障学などを通常10カ月で履修します。
将官や上級幕僚になるための「登竜門」とされています。






『防衛大教科書で侵略正当化』

「日清から大東亜まで」過去の戦争「自衛を基本」

防衛大学校で必修科目となっている「防衛学概論」で使用される教科書『防衛学入門』が、第二次世界大戦について「自衛を基本とし権益の増大とその衝突」などと記述されていることがわかりました。
同教科書は十日までに本紙が政府関係者から入手したもの。
日本政府の立場に反して、日本は侵略国家ではないとした論文で更迭された田母神俊雄前航空幕僚長の論旨とも類似する内容で防衛大学校の歴史教育が問われます。


『防衛学入門』は安倍内閣当時の二〇〇七年三月に、同大学校防衛学教育学群国防論教室が編さん。
同書は「防衛大学校において教育する防衛学の全体を範囲とし、4年間の教育期間に取り扱う防衛学各分野を総合したもの」(はしがき)と位置づけられ、「安全保障」「現在の戦略」「わが国の防衛と自衛隊」など七章、全文百四十三ページです。

第四章第二節「世界戦争史」では第二次世界大戦までの戦争について「苦役的・刑罰主義的なヴェルサイユ体制下に置かれたドイツにおいて、民族主義が燃え上がって報復を決意するのは当然の結果であった。
また、この熱狂的な民族主義は、イタリア、日本、スペイン等に伝搬していった」と記述し、ヒトラーのナチスドイツや日本軍国主義の侵略を当然視しています。

第四章第三節「日本戦争史」では、日本の過去の戦争を「日清戦争、日露戦争、第一次世界大戦、満州事変、支那事変及び大東亜戦争」と当時の呼称のままで表記。それらの「戦争原因は欧米列強によるアジア侵略からの自衛を基本とし権益の増大とその衝突であり」と明治以後の日本の侵略戦争(行為)をすべて「自衛が基本」との戦争観で書かれています。

五百旗頭(いおきべ)真防衛大学校長は「毎日」(九日付)への寄稿で「防大における歴史教育の内容がどのようなものであるか、改めて調べてみた。あの戦争を賛美するような講義内容は…まったく見あたらなかった」としていました。
2008年11月11日(火)「しんぶん赤旗」





『無法発言を煽る産経新聞』

戦後レジームからの脱却を標榜していた安倍晋三首相も、歴代の内閣や現麻生太郎首相も踏襲している日本政府の統一見解である村山談話を『言論弾圧の道具』と公の場で嘯く自衛隊幹部を『表現の自由』等の理由で擁護する産経新聞ですが、それも当然。
アパグループの懸賞論文審査員4人の内の一人は産経新聞の元記者で現産経新聞客員編集委員の花岡 信昭だった。
この人物が田母神俊雄前航空自衛隊幕僚長を『最優秀』として当選させている。
因みに選考の際、中山泰秀自民党代議士代理の秘書は無記名だったので『事実誤認と文章表現が拙劣』だとして0点をつけている。





『つくる会と自衛隊とアパのずぶずぶの関係』

アパの元谷外志雄が只で四十数分間も乗せてもらったF15戦闘爆撃機は自衛隊納入費用が300人乗りのジャンボ機と同じ桁外れの高額な値段である。
セスナを一機借りて15分程度乗るだけでも数万円かかります。
出来レースでアパグループの懸賞金300万円は当然田母神の懐に入らないと計算が合わなかったのでしょうか。?
因みに民間人では滑走路を走行した例は有るが実際に飛行した例はない。
自民党元総裁安倍晋三の秘密後援会安晋会副会長でアパグループの元谷外志雄がただ一人の例外中の例外。





『田母神俊雄の後ろ盾の首相たちとは』

辞任を迫る防衛省に対して首相経験者2人も自分と同じ(考え方)で支持されている、辞める理由が無いと抵抗したそうです。
報道では其の一人は石川県出身で神の国の森首相ですか、もう一人が誰かは書いてない。不思議。
常識的には航空幕僚長任官当時の安倍首相なんですが、何で秘密にするかの理由が不明。元職なら森も同じで秘密にする必要性がない。

国会参考人招致で真っ先に挨拶に行ったのがイラクで『自分から戦闘に巻き込まれて戦争状態を作り出す』と言った戦争オタクの関東軍大佐とソックリの例のひげの隊長(陸自一佐)
田母神にしてみたら全く同じ趣旨の発言なのに一方は国会議員に栄転で自分は首では納得いくまい。
記者会見でも不満をぶちまけている。

森首相以外のもう一人の首相の話ですが、麻生太郎と田母神航空幕僚長は同じ青バッジ(救う会)をつけて記者会見に臨んでいた。
何としても現首相との思想的政治的な一体感を強調したいのだろう。
森首相以外のもう一人が現職の麻生太郎ならマスコミは此れは幾等なんでも名前を明らかにするわけにはいかない。

もう一人の後ろ盾の首相は一年前に首相任期途中で突然職務を放り投げた安倍晋三だという説も有る。
何と、一年の短期間で国民が懲りて、本人も懲りたはずだが安倍晋三本人は「いずれもう一度首相を」と考えているとの説も有るが、これは此れで別な意味で恐ろしい。





『田母神の何が問題なのか』

2・26事件当時の1930年代はアメリカ発の世界大恐慌の影響で日本では不況の嵐がふき荒れていた。デフレ不況と経済の閉塞感。
現在のアメリカ発の金融崩壊不況と経済情勢が酷似している。
軍事情勢もダラダラ続く戦争目的も勝算も不明な出口の見えない対中戦争と、現在のダラダラ続く勝ち目の無い対テロ戦争との類似性。
普通の一般国民の右傾化と段々と政府や軍部に迎合する傾向を強め報道を自主規制するマスコミなど70年前との同一点は多い。

当時軍の類似行動(5・15事件)での甘い処分が結果的により重大な2・26事件を引き起こしたともいえる。
今回のような懲戒免職ではなく円満退職扱いでは必ず将来に禍の種を残すでしょう。


『大量殺人兵器を扱う者の資格』

田母神論文を読んでみたんですが中学生程度のレベルで、別な意味で恐ろしさを感じる代物。
出来の悪い中学生が大量殺人兵器の使い方を日々訓練しているんですよ。こんな恐ろしい事が他に有りますか。
特に今回の田母神は自衛隊制服組トップであるばかりでなく、以前は大佐中佐クラスの幹部の教育機関である統合幕僚学校長をしていて自分の特異な歴史観を自衛隊全体に教育していた。
そして自分の考え方は少数派ではなく多数派で有るとの認識で、自衛隊幹部で自分に従がう者の数は1000人以上に上ると主張する。
これでは今の自衛隊は、シビリアンコントロールの日本国の法律に定められた自衛隊では無くなって居る可能性さえある。

田母神問題については五百旗頭真防衛大学校長が『文民統制の重要性。国、国民への「服従」は誇り』と題して(11/9毎日新聞コラム『時代の風』欄)で批判している。
『軍人が自らの信念や思い込みに基づいて独自に行動することは、軍人が社会における実力の最終的保有者であるだけに、きわめて危険である。』としてシビリアンコントロールの重要性を述べている。





『田母神史観が正しければ田母神は間違っている』

田母神論文に因れば、『正しい国(大日本帝国)』の『正しい軍隊(皇軍)』の行った『正しい戦争(大東亜戦争)』が、何故か正しくない国(連合国)に負けてしまい勝者(連合国)による東京裁判(正しくない裁判)が行われ正しくない結果に終わった。ことになる。

何であれ正しい者達が負けたままで、有耶無耶に済まして其のままで済む筈がない。
正義は、幾等時間がかかろうと勝たねばならない。
どのような世界であれ正しい者が勝ち間違ったものが負ける。間違いが一時的に勝つことも有るが長い目で見れば必ず正しい者が勝つし、また勝たねばならない。
正義が勝って物事は初めて治まる。
誰であれ間違った結果(敗戦)は何十年かかろうとも正しい結果(戦争の勝利)になるように努力するべきです。

田母神史観が正しいなら論旨を首尾一貫させる為には、今からでも遅くない。
鬼畜米英。
悪の帝国アメリカが勝ったままで正義の大東亜戦争を終わらしてはいけない。
我々日本人に一欠けらの愛国心や正義の志が有るとするならイラクやアフガニスタンを真似て間違った戦争(大東亜戦争)で勝った連合軍(占領軍)に対する抵抗運動を組織し最終的な勝利の日まで正義の戦いを行わなければならない。
田母神氏のように軍事組織関係者は特にそうです。


今の日本が戦後63年間も戦争をしないで済んでいるのは、
悪い国(大日本帝国)の悪い戦争(大東亜戦争)が負け、東京裁判(正しい結果)が行われたと、日本人全体が納得したからです。
今頃になって日本が負けて終わった戦争の結末が、どうしても納得できない狂気の田母神史観なら、今でも(イラクやアフガンを手本に)戦争を続けるしか方法が有りません。

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