逝きし世の面影

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通商産業省原子力安全基盤機構の恐怖の炉心溶融シミュレーション

2011年07月25日 | 放射能と情報操作

通商産業省の独立行政法人原子力安全基盤機構は3月11日の福島第一原発事故の前に、沸騰水型原子炉(BWR)マークⅠ型(福島第一原発1~3号機)の全電源喪失・全冷却水喪失という過酷事故を想定した、原子力防災専門官向けに『炉心溶融シミュレーション』作成したが、今回その画像が明らかになった。
3月11日に発生した福島第一原発事故の現実と、この原子力安全基盤機構シュミレーションビデオ映像の内容の余りの一致点には驚くばかりである。

『防災用事故シナリオ理解のための教材』(BWRマークⅠ型)

(ナレーションを全て文字におこすと、)
今からご覧いただく映像は、沸騰水型原子炉の設計基準事項を超えるような、いわゆる、シビアアクシデントを想定し、視覚的に説明したものです。
この例では20数時間に及ぶ事故の経過を、およそ5分の映像にまとめています。

(防災用事故シナリオ理解のための教材『事故事例』BWRマークⅠ型)

それでは、マークⅠ型格納容器(福島第一1~3号基)を例に、原子炉圧力容器につながる大きな配管が破断し、大量の放射性物質が環境に放出される様子をご覧いただきます。
これは事故発生後に制御棒が完全に炉心に挿入されたことにより、原子炉が停止し、その後炉心を冷却する為の、全ての注水に失敗するケースです。
配管破断事故が発生すると、冷却材が流出し、原子炉圧力容器内の水位が低下します。

制御棒は挿入されますが、注水に失敗するため炉心が露出します。
炉心が露出すると燃料の冷却が出来ないため、残留熱により燃料温度が上昇します。
そして最も温度が高くなる炉心中央部の燃料が溶融します。(事故発生から約30分後)
溶融した燃料は、やがて原子炉圧力容器下部に到達します。
解析により、事故発生からおよそ『1時間』で、この状態になると予測されます。(圧力容器下部到達 1時間後)
原子炉圧力容器は厚さおよそ12~15センチの鋼鉄製ですが、溶融した燃料は非常に高温であるため、ついには原子炉圧力容器を貫通します。
解析により、事故発生から約『3時間後』で、この状態になると予測されます。(圧力容器貫通 3時間後)
貫通した溶融燃料は、原子炉圧力容器を支えるペデスタルの中間床面に到達します。
そして、コンクリートの床を浸食しながら、ガスを放出し格納容器の温度および圧力を上昇させます。
マークⅠ型格納容器では、その後溶融燃料がコンクリートで形成されたペデスタルの中間床面を貫通し、さらにその下部にあるコンクリート床面上に落下します。

ペデスタル下部のコンクリート床面に落下した溶融燃料により、ガスが発生します。
このガスが格納容器内に充満して、温度および圧力が徐々に高くなります。
そして圧力が格納容器の限界を超えた時に、格納容器のフランチ部から原子炉建屋内に大量の漏洩が起こると想定し防災対策を講じます。
漏洩したガスには気ガスやヨウ素等の放射性物資るが含まれており、原子炉建屋を経由して排気塔から環境に放出されます。(事故発生から20数時間後)

今回は防災用事故シナリオ理解のために、配管破断に起因する最悪の事例をご覧いただきました。
万一こうした事態に至った場合でも、住民の方々に安全・安心していただけるように日頃から防災担当者への訓練を通して原子力災害時の対応能力の習熟に努めております。

『想定の範囲の福島第一原発の過酷事故』

『事故は想定外だっな』との東京電力の言い訳は、この通産省独立行政法人作成の原発関係者向け『教育ビデオ』の存在が、責任逃れの卑劣な真っ赤な嘘であることを証明している。
しかも『格納容器の限界まで圧力が上がったのでベント云々』との東電の説明と、この原子力安全基盤機構のシュミレーションでは内容が違いすぎる。
原子力安全基盤機構が事故前、原子力防災専門官向けに作成しいた炉心溶融シミュレーションでは、『圧力が格納容器の限界を超えた時の想定』とは、原子炉本体が未だ破壊されず健全で放射能封じ込め機能が働いている状態ではない。
その正反対で、炉心は溶融し原子炉本体は破壊されている。
核燃料が溶融し→圧力容器を貫通し→ペデスタルの中間床面を貫通し→下部のコンクリートを溶融し→そのもう一つ下のコンクリート床も浸食する→溶融燃料によりガスが大量に発生し→格納容器の圧力の限界を超えるので(ベントなどで)外部に放射性物質の希ガス類が放出される。
原子炉のベント開始時点では、炉心には核燃料は残っていない可能性が高いので、今までマスコミや東電の説明であるベントで原子炉を助けることなど、馬鹿馬鹿しくて問題外である。
工程表の冷温停止とは、原発本体が未だ破壊されていないとの前提で成り立っているが、その前提が完全に間違っている可能性が高すぎる。

『まったく無力だった原子炉格納容器』

鋼鉄の厚みが15センチあり170気圧の高圧にも耐えれる構造の圧力容器が溶融した超高温の核燃料で破壊された後では、絶対安全の切り札的存在で『外部に放射性物質を絶対に出さない』との原子炉格納容器は何の役にも立たなかった。
そもそも格納容器とは、3センチの厚みしかなく数気圧の耐圧性能しかなくて放射性希ガス類を封じ込めるのが目的で、水を貯めるなどは想定外である脆弱な構造。
通常は大気圧と同じ1気圧での運用を想定している格納容器は、水蒸気や希ガスなどの放射性物質に汚染された気体の外部流出を防ぐ程度の目的であり、汚染冷却水の漏洩を防ぐなどの耐水性はまったく考慮されていない。
ましてや数千度の超高温の100トンの溶融した核燃料などの外部漏洩を防げるなど、最初からまったく考慮していないのです。
数百億円もする原子炉格納は現在製作出来るのは高度な鍛造技術を持つ日本以外には無い状態で、寡占状態が続いている。
ところがこの格納容器は原子炉の過酷事故時には、何の役にも立たず『安全性』には何の意味も無いことは明らかである。
安全性を高める多重防護であるなら、原子炉圧力容器以上の強度(厚みや耐圧性能)がなければ意味を成さないが、数十センチ~1メートルの厚みの鋼鉄製の格納容器では製作に天文学的な経費が必要である。
これでは『安全性を高める』目的の原子炉格納容器は絶対に造れない。

『使用目的が不明の、洋式便器のフタ』

この原子炉格納容器とは、原子炉の安全目的の為(安全性の向上)に存在したのではなくて、『原子炉は安全』との宣伝目的(宣伝効果の向上)で存在していたのです。
これでは格納容器の意味とは、洋式便器のフタと同じで『あっても無くても』通常の使用時には無関係なのです。
日本に昔からある和式便器では通常はフタが無い。
ところが洋式便器では逆で通常はフタがあり、無い形式の便器の方が例外である。
これは原子炉でもまったく同じで、実用一点張りの旧ソ連製原発は最初からこの格納容器(原発のフタ)が無く、日本などの商業炉ではフタがある。
米英でも純軍事用の原子炉ではフタの無い形式の方が多く、フタのあるほうが珍しい。
西洋便器のフタですが日本製のモノは薄いプラスチック製がほとんどであるが、外国では木製で丈夫に出来ている形式のものがあり椅子代わりに使用できる構造になっている。
これは古い西欧家屋では化粧室としてトイレが利用され、その時の椅子が便器だったことに由来しているようです。
現在でも極端に狭いワンルームなどではトイレとバスが兼用であるところもあるが、それ以外では便器のフタと原発の格納容器とは、『臭いものにフタ』程度の意味しかない有っても無くても如何でも良い程度の、瑣末な話である。



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4 コメント

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新聞テレビで記事になるのは何ヶ月後か (現田石)
2011-07-26 01:33:47
ご無沙汰しました。現田石です。
話題の動画が実物だとすると、企画・製作から配布・視聴にいたるまで多くの人間がかかわっていたでしょうから、おおごとですね。今後、隠し通すことができるでしょうか。
ところでソースはここでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=wwYk62WpV_s
いちおうソースを勝手に推定してみました。

ともあれ、この動画を原発関係者は皆見ていたはずなのですが、この動画の存在が、大手新聞や放送で記事になるのは、何ヶ月後になるか気になります。
映像に負けて、記事がかすむ (宗純)
2011-07-26 12:08:07
現田石さん、動画のURL、有難うございます。

>『動画の存在が、大手新聞や放送で記事になるのは・・』
は、今後永久に無いかも知れませんよ。
マスコミ関係者が誰も今まで知らなかった筈は無いのです。
事故以来4ヶ月間も頑張って隠蔽していたのですから、これからも最大限頑張るでしょう。
しかし、それにしてもこの映像は強烈ですね。
当方のブログで、この動画の載せないのは折角私が書いたブログ記事がかすむからなのですよ。(冗談ですが)
これがテレビで流れれば、今まで何ヶ月もマスコミで流れていた原発報道の信憑性が吹っ飛んでしまいます。
収拾に向けた工程表も吹っ飛びます。
東電や政府やマスコミが語っていた安易な予測は完璧に間違いであり、事態はもっと深刻。
コンクリートを溶かしつつ沈下している溶融核燃料は人類が誰も経験していない未知の領域であり誰も知らない初めての出来事で、これからの正確の予測は無理なようです。
今後出来る事は限られており、汚染が広がらないように周りを遮蔽ダムで囲んで冷えるのを待つ以外にないが、政府や東電は半年後のステップ2以後に地下ダムを考慮するとの話ですよ。
遅すぎる。
7月13日になって突然海江田通商産業大臣が小出裕章に『話が聞きたい』と電話したが即座に断ったそうです。
小出氏によると、『えーっと、私のなにか話を聞いてくださるということでしたけれども、私はそういう余裕がないということでお断りしました』。
何で原発事故のA級戦犯の海江田や斑目が4ヶ月の経っても平気でそのまま居座っているのですか。
即座に逮捕して事故の責任を問いただすべきだと思いませんか。
海江田の電話を即座に切った小出さんの正しい毅然とした判断が、日本では何故誰も出来ないのか。腹が立つ。
やめられないとまらない (JUNSKY)
2011-07-26 15:05:51
かっぱえびせん の宣伝なら
「やめられないとまらない」に罪はありませんが、

菅総理や海江田経産相がやめられない

原発の暴走は一度始まったら誰にもとめられない

のは、大きな罪ですね!

汚染水の処理技術も米仏にはあったのに日本には無かったということが、「安全神話」にどっぷり浸かって事故対策を全く考えていなかった日本の原発技術開発史の大きな欠陥だった訳です。
米仏は、故障続きではあるが、曲がりなりにも事故処理技術は持っていた。
ブラックボックスの技術移転で猿真似をしているととんでもない事故に繋がるということが、原発と中国高速鉄道の事故で立証されてしまいました。
最新号のビッグコミックの【ゴルゴ13】がこの問題を取り上げているので、今後の展開に注目です。
ゴルゴ13が中国の高速鉄道の車輪でも狙ったのか? 乞う御期待!
袋叩きでも辞めない管直人首相 (宗純)
2011-07-27 14:37:47
JUNSKYさん、コメント有難うございます。

それにしても近年世襲政治家による、たらい回し的な政権交代が続き、日本の多くの有権者はそのおばっちゃま政治家のひ弱さ打たれ弱さには辟易していたのです。
ところが、今回の管直人は例外で野党だけでなく身内の与党や自分の内閣の閣僚からも『辞めろ。辞めろ』の声を揃えての大合唱。
それでも辞めないのですから政治家としては、これはもう政治家の手本であり鑑ですよ。
誰にでも出来るワザではありません。
素晴らしいある意味見上げた立派?な態度ですよ。
自分の周りの全員からの集団によるイジメとは結構辛いもので、昨今はマスコミでいじめ自殺が喧伝されているのですが、これでも投げ出さない管直人はエライ。

美しい国の美しい言葉『日本の真髄』
2008年03月04日 | 社会

日本のうつくしい真髄十選の代表的なものが『いじめ』なのです。   
日本には『和をもって尊しとなす』という伝統があります。
しかし日本にも多くの人がいますから、中には『和』の心を理解できない人も入るでしょう。
そのような人に『和』の心を教えるために古来から行われてきたのが『いじめ』です。
確かにいじめによる身体的・精神的苦痛は苦しいものですが、多くの人はそれを耐えた後に『和』の心を理解し、日本社会に溶け込んで生きていくことが出来るようになります。
このようにいじめは日本の伝統的な教育手法であると言えるでしょう。
現在、学校では『いじめ自殺』が大きな問題となっていますが、あくまでも防ぐべきは『自殺』であり、日本の伝統である『いじめ』ではありません。
従って、いじめに耐えることが出来る強い子供を育成することを、『いじめ自殺』対策の基本とするべきです。
与野党やマスコミ総がかりのいじめに耐える管直人などは、最優等生であるのですね。

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