逝きし世の面影

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墓石を敷石に使う傲岸不遜な億万長者トランプ

2016年11月27日 | 政治
『ゴルフ場に墓石を使うトランプは中国と似ている』2016年11月25日(金)ニューズウィーク日本版

譚璐美(作家、慶應義塾大学文学部訪問教授)
<もしもヒラリーが大統領選で勝利していたら、中国にとっては「傲慢不遜な相手」だったかもしれない。一方、トランプと中国には思考方法で共通するところもあり、中国にとって「与しやすい相手」だろう> 
振り返れば、今回、アメリカで見た大統領選挙の模様はすさまじかった。11月8日午後8時(アメリカ東部時間)に始まったテレビ各局の開票速報は、時間とともに熱を帯び、刻一刻と移り変わる熾烈な戦いを午前3時まで報道しつづけた。
結果はご存知のとおり、アメリカだけでなく世界中の大方の予想を覆して、ドナルド・トランプ候補がヒラリー・クリントン候補を制して、次期アメリカ大統領に確定した。その瞬間、信じられない現実に呆然とする人、驚愕に満ちた眼差しを向ける人がいる一方で、熱狂する人波に囲まれて勝利宣言をするトランプ候補自身、心なしか不安そうな表情を浮かべていたのが印象的だった。

だが、ニューヨークの金融界の専門家たちは、かなりのところ、この結果を予想していたようだ。

ウォール街で長年金融に携わってきた人々の間には、ヒラリー・クリントンと直に接した経験から、彼女の強引な手腕に悩まされ、金に執着心の強い性格に辟易していた金融マンが少なくなかったらしい。
ヒラリー候補の「メール問題」では、ウォール街から多額の裏金を巻き上げていたという疑惑がもたれたが、ウォール街ではもはや既成事実であり、「あいつほど金に汚い政治家はいない!」と、公然と口にして憚らない人もいたほどだ。選挙戦の終盤になって「メール問題」が再浮上し、ヒラリー候補の支持率を押し下げた背景には、共和党による水面下の工作だけに止まらず、複合的な作用が働いていたのではないだろうか。
【参考記事】元大手銀行重役「それでも私はトランプに投票する」

熾烈だったアメリカ大統領選挙の様子を、中国はどう見ていたのだろうか。

ヒラリー・クリントンが初めて中国を訪問したのは1995年9月、第4回「世界女性会議(World Conference on Women)」に出席するため、クリントン大統領夫人としての「ファースト・レディ外交」だった。中国は彼女を歓迎し、厚遇した。次いで1998年、クリントン大統領夫妻はアメリカ企業の代表1000人以上を引き連れて訪問し、中国各地を巡って米中ビジネスの音頭取りを行い、中国側の協力の下で無数の契約を成立させた。
それ以来、クリントン一家の中国びいきは衆目の知るところとなった。アメリカの一部報道で、1997年に「クリントン大統領が中国から賄賂をもらった」と報じられたとき、私は香港取材中で、たまたま出会った香港財界の有力者のひとりに真偽を確かめてみた。

「ああ、あれはクリントン大統領の誕生日パーティーに招かれたので、お祝いのためにプレゼントしただけだよ!」

ことも無げに口にするその財界人の横顔には、中国経済を支える香港の財界人としての自信と余裕が漂っていた。
もっとも、2012年に発生した米中間の政治事件「陳光誠事件」は、オバマ政権の国務長官に就任したヒラリーの強面の一面も示した。ヒラリー・クリントン国務長官がたまたま訪中した折に遭遇したこの事件で、彼女は中国国内で軟禁状態にあった盲目の人権活動家・陳光誠氏をアメリカ大使館内に保護し、外交取引の末に、ユナイテッド航空をチャーターして、彼を家族ともどもアメリカへ避難させたのだ。中国政府にとっては苦々しい記憶だ。
今回、もしヒラリー候補が大統領選で勝利していたら、中国にとっては「金に執着心の強い、傲慢不遜な相手」と映り、今後の米中関係は硬化していたかもしれない。

中国では墓地をつぶす例が後を絶たない
 
では、トランプ候補のほうは、中国の目にどう映っていたのだろうか。
アメリカでも選挙期間中に物議をかもしたように、トランプ候補が清廉潔白であるというわけではない。数々の企業を経営するトランプ氏が、あの手この手で節税対策を講じて税金逃れをし、あるいはまったく税金を払っていなかったと報じる新聞もあった。
中国にとって、ビジネスで大成功したトランプ氏が、これまで培ったビジネス感覚を発揮して、政治の分野でも「利益重視」の姿勢で国家政策を決断してくれるならば、こんなに「与しやすい相手」もいないだろう。経済大国・中国にとっても「儲け話」は共通目的で、たとえ利害が対立しても、トランプ氏の思考パターンが読みやすく、対処法も簡単にみつかるからである。
【参考記事】辛口風刺画・中国的本音:「中国の夢」vs「アメリカの夢」の勝者は?

それにしても、選挙戦の直後、私はふと思い出した。2年前に見たトランプ氏のテレビ番組である。トランプ氏が、自分の所有するゴルフ場を案内しつつ、満面の笑みをたたえて、こう説明したのである。

「この石段を見てくれ。なんだと思う? 実は、これは墓石なんだ。もとは墓場だったからね!」

他人の意表をつくことばかり好んで口にするトランプ氏の言葉に、居合わせた人たちは一様に押し黙った。
「不遜」とも「傲慢」とも感じられるトランプ氏の所業だが、よく考えてみれば、墓地をつぶして、別のものを作ろうという思考方法は、中国と共通している。
経済発展著しい中国では、地方政府の肝いりで、全国の農村で工場団地を作るために農地を没収し、墓地をつぶす例が後を絶たない。土地をならし、墓石を"再利用"して石畳の道を作ったり、工場の建物の礎石にしたりするのである。かつて土葬であった土地柄ならば、遺体はコンクリートとない混ぜになり、地中深く埋没させられてしまったはずである。
トランプ氏は図太い神経の持ち主として、モラルの欠如など笑い飛ばす人間である点で、中国とよく似ているのである。
今後、アメリカは中国と意気投合するか、あるいは激しく反発し合うかだが、議論百出した末に、最終的には利益を共有するような打開策を講じることになるだろう。

『安倍首相とトランプ氏の共通の趣味』

トランプ氏が次期アメリカ大統領に選出された直後、日本の安倍首相はいち早くニューヨークへ駆けつけて会見を実現させ、「互いに信頼関係を築いた」と自信をみなぎらせた。
互いにゴルフ好きなことから、安倍首相は50万円以上もするゴルフのドライバーをトランプ氏に贈り、お返しにゴルフ・ウェアをもらったともいう。
【参考記事】安倍トランプ会談、トランプは本当に「信頼できる指導者」か

今後、ふたりが共通の趣味であるゴルフを一緒に楽しむ機会があれば、トランプ・ゴルフ場に招待された安倍首相が、満面笑顔で墓石を踏んで歩く姿が見られるかもしれないと想像させた。
だが11月21日、トランプ次期大統領は突如、来年1月20日の大統領就任日に、環太平洋経済連携協定(TPP)から脱退することを、動画サイト「ユーチューブ」を通じて明言した。
「我が国にとって災いとなりうる」という理由からだ。

このニュースは、保護主義を懸念するTPP加盟予定の各国に大きな衝撃をもたらしたが、ほんの数日前に「互いに信頼関係を築いた」と言い切った安倍首相にとっては、さらに大きな衝撃となり、裏切られたと受け取ったかもしれない。
来年以降、トランプ大統領率いるアメリカの国家戦略は、未だはっきりとは見えてこない。選挙戦で公約したことを、どの程度実施しようとするかも不確定だ。「トランプ降ろし」が背後で着々と進んでいるという話もある。
日本は、現状に一喜一憂して慌てて対処するよりも、自国の理念をしっかりと腹に据えて、揺るがぬ意志でじっくり対応すべきときではないだろうか。

[執筆者]
譚璐美(タン・ロミ)
作家、慶應義塾大学文学部訪問教授。東京生まれ、慶應義塾大学卒業、ニューヨーク在住。日中近代史を主なテーマに、国際政治、経済、文化など幅広く執筆。著書に『中国共産党を作った13人』、『日中百年の群像 革命いまだ成らず』(ともに新潮社)、『中国共産党 葬られた歴史』(文春新書)、『江青に妬まれた女――ファーストレディ王光美の人生』(NHK出版)、『ザッツ・ア・グッド・クエッション!――日米中、笑う経済最前線』(日本経済新聞社)、その他多数。新著は『帝都東京を中国革命で歩く』(白水社)。
11月25日Newsweek



『氷の中に約5000匹の魚 批判相次ぎスケートリンク中止』11月27日 NHK NEWSWEB

北九州市のテーマパークは、およそ5000匹の魚を氷の中に埋め込んで作ったスケートリンクについて「命を粗末にしている」などと批判の声が相次いだことを受けて、27日から営業を中止しました。
営業を中止したのは、北九州市のテーマパーク「スペースワールド」が今月12日にオープンしたスケートリンクです。
「氷の水族館」と名付けられ、1周250メートルのスケートリンクの氷の中にサンマやイトヨリなど25種類の魚およそ5000匹を埋め込み、「前代未聞のアトラクション」などとPRしていました。
これに対し、26日から「命を粗末にしている」とか、「魚がかわいそう」、それに、「悪趣味だ」などとする批判が公式フェイスブックなどに相次ぎ、検討した結果27日から営業を中止しました。
担当者によりますと、魚は死んだ状態で仕入れていたということで、今後、およそ1か月間スケートリンクを閉鎖し、氷を溶かして取り出したあと、供養して肥料などに再利用することも検討するとしています。
スペースワールドの竹田敏美総支配人は「いろいろな魚を勉強する機会にしてほしいと企画した。寄せられた意見を重く受け止めたい」と話していました。
テーマパークに来ていた30代の女性は「魚は、もともとは生きていたので、その上で子どもたちを遊ばせるのはどうかなと思います」と話していました。
また、40代の男性は「生きたまま入れられたわけではないので、それほど騒ぐ話でもないのではと感じています」と話していました。
ネットで批判の声相次ぐ
スペースワールドの公式フェイスブックには、26日から企画への批判的な声が数多く寄せられていました。
「悪趣味過ぎます」とか、「命の軽視と冒とくでしかないです」などという厳しい批判のほか、「子どもたちにどんな思い出を残したいのですか?」、「子どもも『お魚さんがかわいそう』と悲しんでいました」などと、訪れた子どもへの影響を心配する声もありました。
また、「楽しかった思い出の場所なのに」とか、「この企画のせいでスペースワールドのイメージが悪くなってしまうのが怖いです」などと、多くの人が訪れる地元のテーマパークのイメージダウンを懸念する声も寄せられていました。
11月27日 NHK



『弱い者いじめのマスコミの悪行三昧!マスコミはトランプの墓石ゴルフ場の方は全員で無視しているのに???』

大繁盛するアメリカ資本の千葉の東京ディズニーランドや大阪のユニバーサル・ スタジオ・ジャパン(USJ)以外の日本国内のテーマパークは軒並み客の入りが悪くて青息吐息なのです。
ところが折角の企画を叩いて中止に追い込んだマスコミとかネットの動きは変である。(生きた魚を氷漬けして殺したなら大問題かも知れないが、廃棄処分の魚を再利用したものだった)
マスコミやネットは今までの宗教的な儀礼や慣習(モラル)を丸ごと無視する傲岸不遜なトランプの墓石ゴルフ場の方は、全員で無視しているのですよ。(何事によらず不見識なダブルススタンダードはインチキ臭い)
そもそも実際にスケートを楽しんだ北九州のテーマパーク『スペースワールド』の入場者からはあまり苦情が出ていない。おおむね好評だったのである。ところが今回は一部インターネットで取り上げられ脳科学者茂木健一郎のバッシングなどの影響で炎上状態になり急遽テーマパークのアトラクションが中止に追い込まれた。



一見似ているが一字違いで大違い『億万長者から政治家になったトランプと政治家をやって億万長者になったクリントン』

トランプ次期大統領ですが、億万長者らしく大統領の給料を受け取らないと言い切っている。法律問題で年間1ドルにするらしいが、年俸数千万円など膨大なトランプの資産総額に比べれば微々たるはした金で、ほぼ意味が無いのである。
対してクリントンの方は南部アーカンソー知事時代からの40年間の政治生活で、いつの間にか貧乏な中産階級下位(ローアーミドル)が億万長者になっていた。(資本主義ではトランプは違法ではない、ところがクリントンは間違いなく犯罪である)
今回Newsweekでニューヨーク在住の中国系(在日華僑)の慶大教授が指摘するまでも無く『ウォール街から多額の裏金を巻き上げていた』ことは、もはや既成事実であると思われている。
クリントンですが、『あいつほど金に汚い政治家はいない!』のである。
一切クリントンの不都合な『ウォール街から多額の裏金を巻き上げていた』事実を報じなかった今までのマスコミの報道姿勢が余りにもいかがわしいが、大統領選挙では当初から一貫してトランプの言動はこと細かく叩く一方で、今回のNewsweekの経費削減の合理化で『自分のゴルフ場で墓石を使う』「不遜」とも「傲慢」とも感じられる図太い神経のトランプ氏の所業は誰も取り上げない不思議。
比叡山を焼き討ちした織田信長ばりに既存の良識的なモラル(宗教的な慣習や礼儀)に挑戦する傲岸不遜なトランプを何故マスコミは誰も報じなかったのだろうか。



『うなるほど金を持っている大富豪(トランプ)に店晒し品(商品見本)のゴルフクラブ(50万円)を手土産に渡す致命的な不見識。! 』

ロシアのSPUTNIKは2016年11月24日『安倍首相、トランプ氏に中国製ゴルフドライバーをプレゼント』と皮肉っている。
安倍晋三首相が世界の首脳に先駆けてトランプタワーに一番乗りした時の手土産にしたのが国産で最高の価格が付いている50万円の本間ゴルフ社製のドライバーですが、財政難により同社は2010年に中国人に買収されていたのでスプートニクの言うように、ある意味では中国製のゴルフクラブだった。(純粋な日本企業とは言えない)
しかも店頭に展示していた『商品見本』なのですから間違いなく多くの人々が試し打ちしたものである。(他人の手垢のついた展示品なので普通は誰も買わない、店側も大幅に値引きして販売する)

『貧乏人根性(精神が貧しい外務官僚や安倍晋三)の度し難い根本的な勘違い』

次期アメリカ大統領トランプ氏への安倍晋三首相のプレゼントとして選ばれた唯一の理由が、『店で一番高価格だったから』なのですから情けない。
まさに典型的な貧乏人の発想である。
トランプへの贈り物が実質的に中古品であった事実は右翼国粋主義とか頭が空っぽで目が節穴のネットウヨの機関紙的な産経新聞系列の夕刊フジ(2016.11.21 ZAKZAK)が『50万円「黄金ドライバー」担当者を直撃! 安倍首相がトランプ氏にプレゼント 』と日本外務省の裏話をすっぱ抜く。(貧乏人が見得で買うことはあっても、金持ちは誰も欲しくない代物)
この本間製ドライバーが高額なのは注文を受けてから使用者に合わせて特別に作られる別注品(フルオーダーの一点もの)だからなのです。
ところが、今回のうなるほど金を持っている大富豪(トランプ)に対して、店晒し品の中古ゴルフクラブ(50万円)を手土産に渡す不見識というか、非礼な外務省官僚の勘違いですが、これはレストランの入り口にある商品見本を誤って客に食べさせようとしたくらいの余りにもお粗末な間違いである。
普通なら誰もしない種類の大失敗だが、それほど日本の外務省が(クリントン当選のマスコミのプロパガンダを頭から信じていて)まさかなトランプ当選で正気を失うほど大慌てしているということでしょう。


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2 コメント

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外務省は理性的判断能力を初めから持ってない (現田石)
2016-11-27 16:40:52
外務省は(独自の)理性的判断能力を初めから初めから持ってない、という見方もできると思いますが、それにしても外務省は大慌てしているということでしょう。
今回の、「店に並べてある商品見本を誤って客に売りつけてしまった」ような話がほんとうなら大笑いです。これが本当の「ホンマかいな」。


マスコミ総がかりの情報操作に踊らされた外務省??? (宗純)
2016-11-28 16:22:36
現田石さん、コメント有難うございます。

日本国の外務省ですが、『何が何でも対米従属』一本やりというれっきとした(独自の)理性的判断能力を持っています。
それならアメリカという風向きを読む能力が卓越しているはずなのですが、・・・
今回は丸々マスコミのトランプ叩きの怪しいプロパガンダを真実だと信じ込んだのですから哀れである。
kの原因ですが、たぶん、『マスコミの全員が同じ主張をしているから、たぶん真実で間違いない』との判断なのでしょうが、あまりにも愚かである。
開いた口がふさがらない。
一切『トランプが勝つかも知れない』と思っていなかったことは確実ですよ。分かっていればもう少しまともな手土産を用意する。
日本としての情報収取の応力云々どころか、
これではマスコミの大手新聞の社説の論評に自分の判断を丸投げしている善良だが愚かなB層そのものなのです。
これは駄目ですね。笑い話にもなりません。

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