哲学者か道化師 -A philosopher / A clown-

映画、小説、芸術、その他いろいろ

『燃えよ!ドラゴン』

2006-06-16 | 映画
「覚えておけ。
 敵は人間の心が生み出した幻影にすぎない。
 それにとらわれては相手の真意を見抜けん
 幻想を打ち砕けば、敵を倒せる」(『燃えよ!ドラゴン』より)

 一昨日の『死亡遊戯』に引き続き、ブルース・リーの『燃えよ!ドラゴン』を観賞。この映画は、世界的な名言"Don't Think! FEEL!"を残した作品。あらすじとしては、妹の仇でもある少林寺を裏切った格闘家が、自分の帝国としている島で格闘技大会をするので、参加してぶっつぶす、という単純なもの。まあ、話だけ見ればB級のアクション映画である。しかし、この映画が単にそう言って切り捨てられないのは、ブルースのマーシャル・アーツにおける武闘と哲学が二つ一組のものとして要点を担っているからである。端的には、最初に引用したセリフがこの作品を武闘においても哲学においても貫く、テーゼとなっているからである。もっと言えば、このテーゼのために映画を作ったようなものなのである。このセリフの哲学的側面については、これを語ればそれで済むのだが、武闘的側面については、映画を直接参照のこと。筆者はあまりになんのひねりもなく表現されているので(失礼)、笑ってしまった。何はともあれ、独特の掛け声とパフォーマンスで、敵をバッタバッタと倒していくブルースのアクションは見もの。堪能されたし。

「心を空にしろ
 形を取り去り無になれ
 水のように」(ブルース・リー)

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