Ma Vie Quotidienne

一歳に二度も来ぬ春なればいとなく今日は花をこそ見れ

読書  希望の地図 3.11から始まる物語  重松清著

2015-03-05 22:48:31 | Book


以前、有名な作家さんの作品を立て続けに読んでいた時期があって、
「よし、次は重松清だ。」と思っていたのですが、
震災関連の本をたくさん読むようになって
フィクション小説を読むのはお休みしていました。

そんなときに、この重松さんが書いた震災関連本を見つけて即購入。
でもいままで読んでなかった
読書はしていたんですがね・・・

前置きはさておき・・・

2012年3月11日発行の本です。
ドキュメントノベル、事実に基づいた小説って感じかな。

震災から半年・・・
不登校の13歳、光司が、
父親の友人のフリーライター田村章の東北取材に同行し、
津波のあとの町を見てまわったり現地の方のインタビューを見学したりするなかで
少しずつ成長していく・・・といった内容。

田村章というのは、実際に重松さんのペンネームのひとつだそうです。

実際、
この物語の中に出てくる取材やインタビューの対象はみんな実在しているので、
フリーライター田村章が東北で取材っていうのはドキュメントで、
男の子が同行して・・・っていうのはフィクションなんだと思います。

重松さんの小説の作風って
少年少女の葛藤や家族の絆みたいなのがテーマのことが多いような気がしますが、
まさにそんな感じのストーリでした。

取材地は、
写真救済プロジェクトをおこなう東京の富士フィルムから始まり、
山元、石巻、仙台荒浜、気仙沼、南三陸、
釜石、大槌、宮古、大船渡、陸前高田、
飯舘、いわき・・・

各インタビューから
実在の地元の企業のリーダーが自分の会社のことだけではなく
地域のために活動する様子が分かります。

八木澤商店やホテル観洋、三陸鉄道など馴染みのある企業や
今まで知らなかった小さな企業や町の活動など・・・・。

取材の内容や投げかけられる問いかけを13歳の光司がゆっくりと反芻していくので、
こちらもゆっくりとインタビューの内容について考えることができます。

あのころ私も、自分に何ができるんだろうかと葛藤していたことを思い出しました。
これからも忘れずにいたいと思います。



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