もぐ菜のみっしり茶匣(はこ)院

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二次創作@オジサマ専科 Vol.2 Memories BLver(29)

2012-08-10 00:02:01 | 腐女子の御伴
gentleman's&boy(3)のサイドストーリーになります。オマケです。




         夏の腐女子会@残暑お見舞い サーチアンドデストロイ!!(29)




斉藤がカフェレストランの個室に案内されて着くと、伊東と藤宮が向き合う様にテーブルを挟み椅子に座って居た。

伊東は藤宮を厳しい表情で見つめており、藤宮は俯きグスグスと泣いてる。

「あぁ、泣かすな。藤宮君、ごめんね。」

「もう、やだ。帰る。こんな、おっかない人と、一緒に食事するなんてヤダもん。古川さんの事を色々と聴きたかったのに。」

伊東は考え込み斉藤の方を向き尋ねた。

「古川さん?? もしかして、古川さんとは、古川透様の事でしょうか。」

「あぁ、そうだ。それが??」

伊東は正面を向き直し藤宮を見ると、眉間(みけん)に皺(しわ)が寄り深くなった。

「そう、虐(いじ)めるな。その子は、俺にとって大切で、俺の初恋の人の子供なんだ。」

「初恋の人??」

予想もしてない斉藤の言葉を聴き驚く、伊東は言葉が止まる。

「伊東、今日はどうした。冷静沈着(ちんちゃく)な、お前らしくない。」

斉藤は個室のドアから少し歩き、藤宮の隣の椅子に座った。

「何か飲み物でも、オーダーしましょう。」

伊東はいつもの表情になり言うと、メニュー表のページをめくり始め見た。

斉藤は優しく両手で、藤宮の顔を上げさせて愛おしい見つめた。

「よく似てるね、彩子さんに。君に出会えて嬉しいよ。まさか、君から俺達に連絡してくれるなんてね。ほんと、可愛い。つい、ちょっかいを出したくなるんだ。」

伊東が咳ばらいを二回しても、斉藤は聴いておらず藤宮をただ見つめて居た。

斉藤は藤宮の頬に唇(くち)づけてしまった。

「そんなに透の事を知りたいの?? ほんと手の焼ける子で困るね。良いよ、まず俺と付き合ってからね。いくらなんでも、そう簡単に透は君にやれないさ。」


藤宮は立ち上がると、斉藤も立ち上がった。


藤宮は手の平をグーにして斉藤目掛けて殴る。斉藤は顔をかわすが頬を拳(こぶし)が掠めた。

「おっ、危ない。」


斉藤が身を避けた瞬間に腹にボディーブローを食らい体勢を崩し、屈み込もうとした瞬間に背中から二、三発踏まれ床に斉藤は倒れ込んだ。

余りにも一瞬の事で伊東が助ける暇もなかった。

「君は何をした!!斉藤本部長!!」

藤宮は怖くなり個室から飛び出し駆け出し逃げ去った。


伊東は斉藤の傍(そば)に駆け寄り抱き起こす。

「痛てぇ、あんなバカ力が出るなんて。ジョークなのに、本気にしやがんの。」

「斉藤本部長、しっかりしてください。これは、暴行事件ですよ。警察に相談しましょ。」

「確かにそうだけどさ、俺のちっぽけな妬(や)きもちだ。男子相手に、ちょっかい出した俺が完全に悪いよ。」


「いくらなんでも、暴力を振るうなんて許せません。」

「俺が悪かっただけさ。伊東、すまないが家まで俺を送ってくれ。」

「こんな傷だらけの、貴方(あなた)を放り出して帰れませんよ。それと、こう言う馬鹿げた事は止めてください。」

斉藤は笑顔で答えた。

「伊東でも、妬(や)きもちを妬(や)くんだな。それも新鮮で良かったぞ。あはは。」

「今日ずっと胸騒ぎが、してたのが分かりました。ご自宅でケガの手当をしましょう。」

「すまない、お前に借りが出来たな。俺は借りは返す男だ。俺の出来る範囲で、お前の希望を叶えるが何かあるか??

「昔から斉藤本部長からお名前はお伺(うかが)いしており、大きな仕事のプレゼン前に電話をおかけして居る古川透様と言う方の、お顔を是非(ぜひ)とも拝見(はいけん)したいのですが。」

「なんだよ。お前、透に会いたいの??」

「はい。」

「分かったよ。透に相談しておく。」

「身に余る幸せでございます。」




仔稲荷(こいなり)さんとお盆の付喪神(つくもかみ)(30)

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