Shevaのブログ
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GOUNOD FAUST





Faust, Royal Opera House, London June 2004

"Faust'' Worth Selling A Soul For
------The Wall Street Journal

MUSIC OHM com.
Opera reviews - Faust

Royal Opera @ Covent Garden, London, 11, 15, 19, 23, 27 June, 2 July 2004

FAUST
Opéra en 5 actes de Charles GOUNOD
Livret de Jules Barbier et Michel Carré

Mise en scène : David McVicar
Décors : Charles Edwards
Costumes : Brigitte Reiffenstuel
Lumières : Paule Constable

Faust : Roberto Alagna
Marguerite : Angela Gheorghiu
Méphistophélès : Bryn Terfel
Valentin : Simon Keenlyside
Siebel : Sophie Koch
Dame Marthe Schwerlein : Della Jones
Wagner : Matthew Rose

Choeurs, Orchestre
et Ballet du Royal Opera House
Direction : Antonio Pappano

Londres, le 27 juin 2004

ファウスト(テノール):ロベルト・アラーニャ
マルグリート(ソプラノ):アンジェラ・ゲオルギュー
メフィストフェレス(バス):ブリン・ターフェル
ヴァランタン(バリトン):サイモン・キーンリーサイド
ジーベル(メゾソプラノ):ゾフィー・コッホ

※ネタバレ注意。

すごい作品です。
震えが止まらないです。
マクヴィカーはこのオペラをまたまったく変えてしまった(んだと思う)
あのドン・ジョヴァンニのように
あの「リゴレット」のように。

台本もかなり変わっている。
舞台は多分20世紀初頭。
フランスが戦争に明け暮れている時。
マーゲリートは貞淑なお針子ではなく、キャバレーの踊り子。
しかもブロンド。
いつものあまあま、べたべたなアラーニャ・ゲオルギュー夫妻の部分もありましたが、後半はがらっと変わった!

5幕もあって長いのです。
最初アラーニャが老人で出てきたときはギャグかと思ったが。いきなり高い声で歌いだして、
あんた老人ですか?

4幕のワルプルギスが圧巻。おいおいおい、やっぱマクヴィカー! 
よくこのROHでブーイングが飛び交わなかったなと。
リゴレットもすごかったから。

サイモン・キーンリーサイドのヴァランタン、すばらしい。
2幕は「カバリエ・バリトン」を堪能し、
3幕4幕はそのすばらしい演技と剣術で魅せました。

ブリンもすごい。
とても語れないがワルプルギスで彼は…!!!
ちょっとーまじ?


第1幕
 Act 1. Faust's cabinet

パイプオルガンの前に佇む巨大な男。
黒い大きな天使の羽根をかざす人々。
彼らは巨大な男に従っているようだ。
男はメフィストフェレス。

よぼよぼの老人が出てくる。
彼はわが身を呪っている。
「楽しいことはなかった、若ければなあ」
彼は毒薬を飲んで自殺しようとする。
思わず悪魔を呼んでしまう。
現れたメフィスト。
「俺がまともなかっこなんで驚いた?」
「あっち行けよ!」
メフィストは美しい女(マーガリート)(アンジェラ・ゲオルギュー)の幻影を見せる。
たちまち夢中になったファウスト。
ファウストはメフィストと契約して、その代わりに若返らせてもらう。
ここがおもしろい。あっという間に若返ったファウストは、側転して、コートを脱ぎ捨てる。
喝采。

そして悪魔のけつを槍でどつく。
ブリンの表情が笑える。

第2幕
 Acte II. The carnival at the city gates. One sees a cabaret on the left

2人は街に繰り出した。ファウストは悪魔の角をつけている。

キリストの像がある広場、
兵士達がたむろっている。
ヴァランタン(サイモン・キーンリーサイド)も兵士で軍服。
長いサーベルを下げている。
彼はお守りのロケットに鎖をつけて身につけている。
これは彼の愛する妹のマルグリートのもの。
ちょっとシスコン気味の兄ちゃんです。
自分が戦争でいないあいだは天使が彼女を守ってくれるのだと歌う。

Valentin's Aria
♪Avant de quitter ces lieux
(Before leaving these places)
  「私の父祖が生れた国をさる前に!」

Avant de quitter ces leiux,
Sol natal de mes aïeux,
A toi, Seigneur et Roi de cieux
Ma sœur je confie.
Daigne de tout danger
Toujours, toujours la protéger,
Cette sœur se chérie,
Daigne de tout danger la protéger,
Daigne la protéger de tout danger
Délivé d'une triste pensée.
J'ira chercher la gloire, la gloire au sein des ennemis,
Le premier, le plus brave au fort de la mêlée
J'ira combattre pour mon pays,
Et si, vers lui, Dieu me rappelle
Je veillerai sur toi fidèle
O Marguerite! Avant de quitter ces leiux,
Sol natal des mes aïeux
A toi, Seigneur et Roi des cieux,
Ma sœur je confie!
O Roi des cieux, jette les yeux,
Protège Marguerite, Roi des cieux!


大拍手。

人々が楽しんでいるとその輪に現れるメフィスト。
自分にも歌わせろといい、彼が歌うと皆あやつられ、酔ったようにあやしく踊りだす。
魔法をかけている。
彼は人々の手相を見始める。
ジーベルの手相を見て、
「お前が手にする花はすべて枯れる」
これは予言ではなく、そういう呪いをメフィストがかけているのだ。

ミスター・ジーベルはメゾソプラノの女性が演じている。
彼は、マルグリートの兄のヴァランタンの親友で、マルグリートに恋心を抱いている。
出征したヴァランティンの代わりに彼女を見守っている。

そしてヴァランタンには、
「お前は俺の知ってるやつに殺されるな」

ヴァランタンはこいつはあやしいやつだと本能で直感する。

ヴァランタンは剣とさやで十字架の形を作り、彼に向かって掲げる。カコイイ~
メフィストはますますこの信心深い男らしいイケメン男が憎くてたまらなくなる。
…あいつが一番大事にしてるものを破滅させてやる…(と思ったに違いない)
人々は十字架のキリスト像を奥へ運んでいく。
幕が下りて、メフィストが残される。

そこへ酔っ払ってへろへろのファウストが客席のサイドのボックス席から落ちて転がる。
超ご機嫌。
「おい、あの女に会わせろよ」

2人はキャバレーへ。

喧騒の中、ジーベルはキャバレーに出勤するマーガリートを待っている。
しかし追い出される。

ファウストとメフィストはタキシードに着替えてきた。
ファウストはマルグリートに言う。
「高貴なお方、美しい方、僕にエスコートさせてください、」
「私は高貴でも美しくもないのに」
心打たれるマルグリート。
しかしマルグリートは固辞して行ってしまう。

第3幕
 Acte III. Marguerite's garden

マルグリートの家の前。
ジーベルがうろうろしている。
彼は足が不自由らしく、ひきずって歩く。
それで兵役にも行けないらしい。
彼は花を摘む。しかしあっという間に枯れてしまう。
「あいつのせいだ! あいつが呪いをかけたんだ…
そうだ、この聖水で!」
彼はマルグリートの聖水に手を浸す。
すると花を摘んでも枯れなくなった。
「やった、勝ったぞ、あいつに!
あしたこそ告白するんだ!」と花を置いて帰るジーベル。

その様子を伺っていた、メフィストとファウスト。
「ふん花なんか…」
メフィストは宝石でいっぱいのカスケットをでーんと手前に置く。
「これでいちころ」

「ちょっと一人にしてくれないか?」
「仰せの通りに、(この地上では)」
メフィストは去る。
愛の歌を歌うファウスト。大々々々拍手。
ファウスト去る。

夢見心地で帰ってきたマルグリート。
彼女はあの男に恋をしてしまった。

恋心を歌う。
すると宝石箱を発見。
目を輝かせて宝飾品をつけ始める。
♪宝石の歌。

隣の厚かましいおばさんが見ている。
「あんたを崇拝する男が置いてったのねえ!」
「まさか…」

そこへメフィストとファウスト。
四重唱。

メフィストは常に不幸をもたらす男。
隣の夫人にこう告げる。
「楽しくないお知らせを持ってきたかもしれません。」
「あなたのご主人が戦争で亡くなりました。」

しかし夫が自分に何も残さなかったと知ると夫人は怒る。
そしてあからさまにメフィストを誘惑する。
しけこんだ二人。

二人っきりになったファウストとマルグリートはキスキスキス。
おいおい。
まあいいか夫婦だから。

「もう遅いわ、さようなら」
「あした結婚しよう」
「いいわ」

隣のおばさんはメフィストに結婚を迫る。
そのおばさんにメフィストは紙切れを渡す。
何かと思ってみると札束。
思わず虚仮にされたと怒り狂うが、数えてみて多いので「まっ、いいか」

メフィストは移動式の階段を押して、マルグリートの家の窓につける。
ファウストは昇っていって、マルグリートを抱きしめる。
ああ~窓が閉じられた。
これはメフィストの策略だったのだ。

第4幕
 Acte IV. Marguerite's room

教会

祈っているマルグリート。
神に許しを請うている。
しかし祭壇にいたのはメフィスト。
徹底的に彼女は地獄に落ちたのだと歌っていじめる。
絶望していくマルガリート。


 

広場

戦争から帰ってきた兵士達。
戦争の歌を歌う。

戦場から帰ってきた、ヴァランタン、愛する妹の家に向かう。
必死に止めるジーベル。
妹マルグリートは妊娠し、相手の男、ファウストはヤク中になってしまって家に寄り付かなくなった。
そのていたらくを見たヴァランタンは激怒。
メフィストが無理やりファウストを連れてくる。
ファウストは腕にヤクを打っている。
おいおいいつの時代だよ。

ファウストは寝てしまう。
メフィストは歌う。
「カトリーヌ、窓を開けちゃダメだよ!
その指に結婚指輪をするまでは」
結婚前に体を許してしまった女マルガリートへの強烈な皮肉の歌。

声を聴きつけて家から出てきたヴァランタン。
「妹の仲のよいお友達はお前だな!」
剣を抜くヴァランタン。
ファウストと決闘になる。
ラリったままわけわからずに戦うファウスト。
彼はヴァランタンがマルグリートの兄と初めて知りがく然とする。

メフィスト
「大丈夫、おれがついてるから。」

決闘。
ヴァランタンは鞘を投げ捨てフェンシングのポーズ。
片腕を背中に回して、めちゃかっこいい~
圧倒的にヴァランタンが優位だが、
メフィストが彼の剣を押さえる。
ファウストは彼の腹を刺す。
倒れるヴァランタン。
逃げさるメフィストとファウスト。
人々が出てくる。
妹が出てくる。
ここがすごい。
死にかけているヴァランタンは妹を軽蔑し、彼を介抱しようとする彼女を何度も突き飛ばす。
屈辱でみじめで、不幸でどうしようもないマルグリート。
ここゲオルギューもすごくよかった。
キーンリーサイドのものすごい演技に触発されている。
サイモンの圧倒的な演技力がすごい。
妹を拒否して、最後に、
「呪われた女よ地獄へ行け」と言い放ち、
目を開けたまま絶命。

マルグリートはぷっつーん。キレタ。
「ぎゃはははっははは、ぎゃははっはは」
笑い出す。
錯乱。
発狂してしまった。

4幕了。

第5幕 ワルプルギスの夜
 Act V. The mountains of the Harz. The night of Walpurgis

ワルプルギス。

ここはどこ?
「ここは俺の世界さ」
「お前を連れてきた。ここでは俺が主人だ」

このあとメフィストがマントを脱ぐと(割愛)

もしかしてメフィストは…という設定なのだろうねえ。
メフィストはファウストに忘れ薬を飲ませる。

彼をもてなすという名目でものすごいものを見せるメフィスト。

最初は普通のバレエ。喜んでいるメフィスト。

そしてプリマが出てきた。
ヴェールを脱ぐと、妊娠している。
妊婦は妖精たち全員にいじめられ、辱められる。

頭を抱えるファウスト。

血だらけのヴァランタンがよろよろと現れる。彼も妖精たちに小突き回され、リンチされ、
ついには集団で剣で刺される。

客席で見ていた男達がジッパーを下ろしながらやってきて女達と舞台でやり始める。
妊婦のバレリーナも襲われる。
メフィストはクレオパトラをなでさすっている。

ものすごいんですけど…
いいんでしょうか。

最後に赤ん坊を抱えて出てきた女の赤ちゃんをファウストの傍らに置いてみないなくなる。


牢屋。

気の狂ったマルガリートが牢屋の中でうろうろしている。
メフィストとファウストが出てくる。
メフィストは牢屋の鍵をファウストに渡し、
「時間がない、マルグリートも連れて行くんだ(地獄に)」とファウストに命令する。

ファウスト「はずしてくれ…」
メフィスト「おおせの通りに(地上では)」

ファウストは、マルガリートが絶望のせいで気が狂い、破廉恥罪で?収監され、
赤ん坊を自分の手で殺してしまったと歌う。

マルガリートを牢屋から出し、自分といっしょに来るよう説得するが、
マルガリートにはわからない。
そこへメフィストが来ると、
彼女は正気に戻り、
「悪魔の影が見える!」
彼女は、自分は神に従うと歌い、倒れる。
どこからともなく声が。
「彼女は救われた!」

そこにパイプオルガンから
黒い大きな羽根を生やした大天使が現れる。
「キリストは甦った」と歌われる。
メフィストは地の底に沈んでいく。

舞台下手にうずくまっていたファウスト、いつのまにか
元の老人の姿に戻っている。

全幕了。

原作 charles-gounod.com








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