拈華微笑 ネンゲ・ミショウ

我が琴線に触れる 森羅万象を
写・文で日記す。

 南小島への船出

2021年09月27日 | ヨーロッパの風

  一昨日の9月24(金曜)は、スイスの『隣近所祭り』の日で、我が新築のアパート(162世帯)でもスイス人男性とカナダ人女性の

  夫婦のリーダーシップにより中庭で持ち寄りパーティーをした。

  40人〜50人ほど集まっただろうか、何せ皆が皆ほぼ同時に入居した新参者であるので、友人とまでも行かなくとも親しい知り合いぐらいの

  関係を作ろうかとする人々がそれぞれ飲み物とスナック菓子を持ち寄って集まってきた。

  相方はいざ参加しましょう・・・という時、急に引っ込み思案になったが、逆に普段引っ込み思案な私はせっかく機会を作ってくれたカップルの

  思いに答えようと、相方の手を引くように中庭に降りた。

  最初は4,5人しかいなかったのでオーガナイズしたカナダ人の女性に話しかけたが、彼ら夫婦のここに至るまでのストーリーが凄いので我々はすぐ

  彼らの話に引き込まれ、照れ屋の質は引っ込んでしまった。カナダ人の奥さんと、スイス人の旦那の出会いは京都であった。その後、旦那の仕事の都合で

  アメリカ、シンガポール、オーストラリアと移動し、このアパートもオーストラリアからインターネットで申し込み、一ヶ月前にスイスに来たとのこと!

  次にブラジル出身の独身女性は2階に住んでいるが、天井が話題になり、なんと高さが3m30cmもあるという。そもそも1階2階は店やオフイスとなり

  ほんの一部だけを賃貸アパートになっているが、そのせいで天井がやたらに高いへやになっているらしい。

  次に話をした中年女性はメキシコ人であった。スイスに来るまでにベトナムに2年、スイス・イタリア語圏、ドイツ語圏を経てここフランス語圏のモルジュ

  の新居にやってきたという。詳しいことを聞く場面ではないのでわからないが、どんな経過をへてここスイスまで来たのか好奇心が湧いてしまった。

  大学生の息子は小さい頃から日本が大好きで、夢は日本に旅行することだそうだ。

  次はオリジナル出身は見るからに若いインド人男性であったが、アフリカはモザンビーク生まれで、現在はチューリッヒで働き、ジュネーブにいる奥様と一緒に

  住むところとしてここモルジュの新居に移転したという。フランス語がペラペラ、おそらく英語もドイツ語も達者なのだろう・・・

  次は相方が紹介してくれたのは、我々の真向かいに住んでいる80歳ぐらいのスペイン人女性で、近くに住む彼女の娘さんとその息子が一緒にいた。

  とても小柄なおばあちゃんで、肩を痛めて手術をしたばかりだそうで、アパートの入り口のドアが重すぎて一人で開けることが出来ないそうだ。

  カタコトのフランス語で少しの間お話した。その他、学生カップルがいて、男性の方は今年卒業して目下就活している。女性はいかにもオリジナル出身が

  ウクライナ方面…という感じの眼の美しい女性だが、大学に入ってからずーっとリモートワークであるのが、辛い・・・と嘆いていた。

  お菓子をめがけて、我々の足元にやってきた妖精のようなカフェ色の肌をしたマリアちゃん7歳は、あまりに可愛い!!ちょっとお話していると若く

  美しい黒人のお母さんがやってきた。彼女自身はスイス生まれ、旦那さんはアフリカのギニア出身だそうだ。

           

  他にもスイス人カップルとも話をしたが、とにかくじつにインターナショナルなアパートのようだ。

  皆さん一様に言った事は『この新しいアパートが大変気に入っている』…ということであった。

  建物の名前ではないが、ilot-sud(イロスッド)といって、モルジュの都市計画でイロは区画・(小島)の意味があり

  『モルジュ駅南側都市計画』…の元に出来た建物なので通称『イロスッド』と呼ばれる。

  フランス語でイロ(ilot)は小島の意味もあり、そして建物は7角形で中庭を取り囲む大小2つの塔(16階と11階)が船の塔のようにそびえ立つので

  私は我が家のガラス張りのテラスに手をかけて中庭や遠くのモンブランを眺めるとき、

  『船』に乗っている錯覚をいつも覚えるのだが、『南小島』を目指しているのだろう。

  

  

  

  



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