SWINGLOGIC:スイングバイで少年野球を加速する

エネルギーを節約し宇宙探査船を遠くに飛ばす「スイングバイ」で飛距離アップ

イチローの悲劇

2019年02月08日 | 少年野球

かつて誰もがダウンスイングで素振りをしていた時代があった。バッティング理論は「理論」 なのに、なぜか時代により肯定されたり、否定されたりする。また、受け取る側の経験や好き嫌いで、正しいかどうか判断されてきた。

イチローの打ち方は、プロ入りした当初コーチに全面否定された。コーチが見たこともない打ち方をしていたから(いわゆる想定外)否定してしまった。スイングバイ理論を理解していれば「イチローはパワードスイングバイでバットを加速している」という結論に至り、「悲劇」は起きなかったはず。

イチローの例のごとく「弱み」と「強み」は表裏一体なのである。「弱み」を「強み」に「裏返す」作業により、選手を進化させることこそがコーチングの醍醐味であると思う。

選手は体格・性格・経験・知力・体力ひとりひとり個性がある。同様にコーチの側にも個性があり、自分の側にアジャストしたくなる。成功体験を持つコーチならなおさらだ。

だが、成功体験のような経験則は、しばしば「裏返し」の作業すべきところを「置き換え」に向かわせる。選手及びコーチ本人に、「弱み」と向き合う時間を与えない。

仰木監督の一声で、イチローの「置き換え」の悲劇は収まった。監督がスイングバイを根拠にコーチを納得させたとは思わない。おそらく、イチローに対し「弱み」と向き合う時間を与えようとしたのではないか。そして、こういうユニークな選手には「裏返し」が起こり、「大化けする」可能性があるということを、「経験上」感じていたのではないか。

もし、「裏返し」が起きなかったとしても、納得して次に進むことができる。この選手からその機会を奪うことは罪でしかない…
とまで考えたかは知るよしもないが、科学的根拠に基づいたアドバイスは、名監督の経験から導かれるアドバイスに匹敵する。


 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする