今年のおせち
今年はいつもに増して、のんびりした時間を過ごしています。
みなさまはいかがですか。
東日本大震災以来、「食べ歩き」や「おうちごはん」の記事はちょっとお休みしていました。
でも・・・「不謹慎」「自粛」・・・そんな言葉が飛び交う中、ちょっとおかしな方向へ進んでいるような気がします。
身近なところでは、中野駅周辺の「桜まつり」が中止になりました。
今朝のテレビで、中野の個人デリバリー店の取材をした様子が映っていました。
毎年「桜まつり」で入る、オードブルやお弁当の注文が、今年は会社関係などの大口からはゼロだそうです。
注文がゼロということは、当然売上もゼロですよね。
例年の2割しか売れない、そう話す店主さんの表情も硬いです。
パートさんも断って、店主一人で仕込みをしていました。
ということは、断られたパートさんも、収入がなくなることになります。
自粛より何より、収入が減ったり途絶えたりすれば、物を買ったり外食したりは出来ないでしょう。
被災地の復興には莫大なお金が必要になります。
ただでさえ不景気と言われる世の中だったのに、震災後もっと景気が悪くなってしまったら・・・困りますよね。
贅沢をしよう、とは思いません。
でも、行きたい所へ出かけたり、身の丈に合った外食をしたりするのは許されるのではないでしょうか。
たとえ僅かでも、外にお金を使って経済を回していかなければ、益々不景気になるのではという気がします。
ということで、私も外出・外食記事を復活させます。
それだけではなく、復活させるには、もうひとつの理由があるのです。
原発が収束に向かわないので、海外のミュージシャンの来日がキャンセル、または延期になっています。
ビルボード東京は震災からずっとお休みしていますし、コットンクラブもほとんど休業に近い状態。
ブルーノート東京は、日本人アーティストに切り替えたりしていますが、それでも前ほどスケジュールは埋まっていません。
こんなに大きなジャズクラブでも、大変な影響を受けているのです。
小さなクラブや、個人事務所に近いプロモーターの方々も苦しいだろうなぁと思うと、胸が痛みます。
放射能の数値がどんどん上がり、全ての来日公演がキャンセルかと思えた時、フィル・ウッズ・グループだけが日本にやってきてくれました。
震災以降、22日23日の2日間だけが3月のコットンクラブの公演という寂しさ。
きっと家族の反対もあっただろうに、来てくれた彼らには敬意を表したい思いでいっぱい。
80歳という年齢なので、ERMのような迫力はない代わり、まるでいぶし銀のように味のある綺麗な音色。
単音をロングトーンで吹いただけで歌うのには、本当に驚かされました。
そしてそれが、まぎれもなくフィルの音なのにも・・・
私の大好きなウッドロアやMデュボアのSummer Knowsの音・・・。
ただ、満席じゃなかったのが残念だった。
こんな時だし、計画停電の話もあったから、まさしく「自粛」だったのかとも思うけれど・・・
原発がどうなるのか予測もつかない状態の時、わざわざ東京に仕事に行くのはリスキー。
それは至極当たり前の考えだし、否定する気は毛頭ないけれど、それでももしあなたの好きなミュージシャンが来てくれたのなら、聴きに行ってあげてほしいと思います。
お店を支えるためにも、ぜひ・・・。
私も、可能な限り行きたいと思うな。