@じゃんだらりん

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皇女アナスタシアの真実 /著・柘植久慶

2008-05-02 | 【読書】歴史
>ロシア革命のさなか、虐殺された皇帝家族の一人が生存していた!? 二十世紀最後の謎、ロマノフ王朝最後の皇帝ニコライ二世の第四皇女アナスタシアにまつわるミステリーを歴史・軍事面から検証する。第一次世界大戦、ロシア革命、第二次世界大戦、冷戦時代と一世紀にわたる歴史の暗闇をいま解き明かす! 話題のアニメ映画公開に合わせて世に問う、興味つきない渾身の書き下ろしノンフィクションノベル。



通説では、彼女を初めロシア皇帝一家は全員ロシア革命の際に虐殺されている。しかしながら、当時から既に「アナスタシア」と名乗る女性が複数表れていて、この著書に登場するアンナ・アンダーソン夫人はその中でも”最も本人の可能性が高い”とされた人物だ。

初版が出た時はディズニーアニメに便乗した商売と思ったけど、内容的にはそれほど荒唐無稽やこじつけ論はなく、むしろ「この人、やっぱりホンモノじゃん」と思えてくるから不思議。

実際には、発見された皇帝一家の遺骨を最新のDNA鑑定などで調査し、99%ぐらいまで「全員死亡」が確定的な状況なわけだが。

虐殺直後にレーニンが「皇帝は殺したが他の家族は生存」と嘘発表したり、殺害場所も、殺害人数も、埋葬場所も、関係者ごとにバラバラの証言だったりしたことも「実は・・・」と噂される原因だったかも。

「少なくとも、末娘だけは助かった」或いは「助かっていて欲しい」という世間一般の願望がアンダーソン夫人のような「自称・アナスタシア」を続出させた一因とも思える。





・・・【自分の想像を追加】

ロシアのラストエンペラー・ニコライは世継以外の男子に恵まれず、女子ばかり授かるので、アナスタシア以後に誕生した女子をこっそり里子に出したりしていたらしい。

そして里子を預かる家系やその関係者なら、ロシア皇族の内輪話の2つや3つ、知っていても不思議じゃないし、聞きかじったことをもっともらしく喋れば(或いは、喋らせれば)無知な庶民は「このお方こそ」と思うも無理はない。

「ロシア皇帝の血を引く娘が、少なくとも一人はこの世に居る」

このことが公然の秘密だったとしたら、革命後のどさくさに紛れ”あわよくば”と自称アナスタシアが大量発生したのも判る。

勿論、アンダーソン夫人がこの中の一人だったかどうかは定かはナイ。




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2 コメント

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Unknown (ツシマ)
2008-07-13 19:56:04
今年はニコライ2世一家没後90周忌の年にあたります。ニコライ2世一家の遺体がまとまって発見されたそうですが、だからといって一家が同時期に同じ場所で処刑されたことにはなりません。柘植氏の推理のように白軍に奪回されて復位されると困るので廃帝と廃太子はエカテリンブルグで処刑されたでしょう。しかし当時白軍やドイツ軍に対して圧倒的に劣勢だった赤軍とレーニンが残りの家族を含めて一挙に処刑したとは理屈にあいません。ロシア内戦では白軍はカザンまで進出しているので、おそらく皇后と皇女はモスクワあたりまで移送され、赤軍が内戦で勝利するまで外交カードに使うため生かされその後用済みになってから処刑し、遺体をエカテリンブルグまで再移送して家族全員を合葬したとする方が話の辻褄は合います。アナスタシアも遺伝子検査で否定されたことになっていますが、アンナ・アンダーソン夫人の血液型と彼女の「小腸」とされる病理組織の血液型との適合検査がアンダーソン夫人の逝去によって不可能であった以上いわゆる「小腸」とシャンツコウスカ女史の遺伝子検査が一致したことには疑義が生じます。即ち小腸が「すり替え」られていてる可能性を排除できないのです。もっともこういう意見が頻出してくると今度はどこかからアンダーソン夫人の「凍結血液組織」が降って湧いたようにでてきてやっぱり血液型は「違っていた」ということにでもなるのでしょうかね。事件の真相はロシア政府をはじめ、関係国であるデンマーク王室や英国政府・王室、皇后の母国ドイツ等の公文書が公開されない限り解らないでしょうね。90年たっても公開されないということは現代政治にまで影響するようなよほど重大な事実があるということでしょうか?。
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初めまして。コメント有難うございます (じゃんだらりん)
2008-07-13 20:37:42
この事件の特異さは、百年近くたってもいまなお真相が不明であることですよね。

JFK暗殺でもそうですが、国家が真実を隠蔽しようとすれば、大概のことは闇に葬れてしまうのが世界の真実でもありますから。

既にソ連は崩壊してますし、仰るとおり、やましいことが無ければ各国の公文書はとっくに公開されてるはず。

当時を知る関係者で、未だに健在な組織であり、もしもスキャンダルを蒸し返されると困る存在、といえば、やはりきな臭いのは各国の王室ですね。

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