古橋家6代古橋源六郎暉皃は国学に傾倒し、文久3年江戸に上って平田鉄胤の門に入ったが、これを機として維新志士や国学者、儒学者、経世家などの書画を購入した。これを7代義真がうけつぎ、一貫した思想をもち、生涯をかけて収集、殊に明治の維新期にその質量をともに深め、8代道紀またこれを継承し、いつしか一大コレクションとなった。
財団法人古橋台は昭和33年義真の50年祭を記念して懐古館を建設しこれが一部を展示したが、非公開であったので、明治維新100年を記念し、これを拡張公開して各方面の要請に応え、更に昭和46年旧酒倉を改造してその一環とし、書画に加えて陶器、漆器、その他民具などを併せ展示するに至った。1.2.3号館より成り、その延面積は約2,OOO㎡である。
本館は他の美術館とはその趣を異にし、混迷期に挺身して新時代を拓いた先覚、先哲の遺墨の殿堂であるから、これらの遺墨を通じてその人格に接し、心を新たにせられる、ならば幸甚である。
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