ⅩⅩⅨ「山の王者」を観る聞く、 スイス、フランスとオーストリアの狭間に、フランスの占領下、武器を取り上げられて、戦闘は無意味だと、決して勝てないと神父の言葉に従うしかない人々、その中で受け入れない青年、神父の姪を恋する青年一人銃を放さなかった、しかし、たやすく神父に説得されて、かくて主人公、高い山間、風景が、山が、崖っぷちが、花が、光が、影が美しい、神父の語る平和、皆が武器を捨て、平和を願ったのだと、村人に語りかける教会の中、刃向かっても、軍隊には叶わないと、見事に理性的、そんな説教の最中に響く銃声、神父の理性、知性を打ち破るべく、獲物を捕らえて、花を摘む、絶壁の主人公、背景の美しさ、主人公に横恋慕の女は知って登ってくる、相手にしない主人公、麓に戻って、皆が詰め寄る、一人銃を手にして反抗する主人公に対して、だが、そこに現れる神父の姪、恋する神父の姪の言葉、見つめ合う二人、あまりに美しい娘、横顔、正面から、視線、表情、見事です、青年もまた美しい、この場では銃は差し出せないままに、己の小屋の中に、姪の元を訪う始まりの銃を簡単に手放した青年、主人公のことを悪く言う、聞き入れないままに娘は窓の外に視線を、銃を差し出して去る主人公の背、メイドが銃を手にして部屋に、知って、笑みで、走る走る、主人公の元、窓から見つめる青年のいらだち、こうして、結局は銃を置く主人公、主人公を横恋慕する女、その後ろに女の母、そして、姪を恋する青年、若者たち4人の関係、純愛ドラマだが、此処にもまた空回りが、乱暴な者と思われている主人公との結婚を許さない神父、だが、フランスの占領が終わって、祭り、仮面舞踏会、面を着けて誘う女、神父の姪と間違う主人公、酔っぱらって、視線が、ふらふら、危うい、かくて、姪と思い込んで、全く違う娘を抱く、あの横恋慕の女ですら無いのだ、ここに既に、危なさが、皆で面を取ってと、すると全く知らない女、主人公の駄目さ、愚かしさが、主役がこんな駄目さで良いのか、このだらしなさ、怪しさこそが、ルピッチ、主人公は姪を見いだして、飛び降りていく、面を被っていないから、今度は大丈夫、慌てて、先ほどの娘の元に、飾りの王冠を取り戻してまた高見から飛ぶ、このときの、主人公に去られた、娘のうつむいた姿、遠く小さく映されているが、可愛い、ここにも恋があったろう、現実はこんな恋だろう、姪はあくまでキスも許さない、堪らない主人公、欲望、姪は何も出来ない、また、求める青年も、強引では無い、こんな愚かしさが、理性が、何を作り出す、姪は家に帰りたいと、この祭りの中に、溺れてしまわないように、怪しさの中に、二人は仕方なしに橇で帰る、嫉妬の青年、横恋慕の娘、橇の中の二人、どこか項垂れて、不和、そんな二人の乗る橇の前に現れる横恋慕娘、仮面の女として、見事、この間、乗せてしまう、二人のこのときの間故に、誰とも知らず、不和を、不審を逃れるために、姪は、この女を乗せてしまう、愚かしさ、斯くて姪を送って、残った二人、横恋慕娘と知って主人公は女を振り払って部屋の中に、だが、なんと、どこから入ったか、女は面を外して、衣装も脱いで、見てしまう、何を、判らない、主人公の視線ばかり、この先には何が有るのか、真に女が居るのか、単なる主人公の欲望の産物か、切り返しのショットは無いままに、翌朝、ベッド、目覚める主人公、誰も居ない、全ては夢か、姪からの手紙、昨晩のことは忘れましょうと、笑みの主人公、だが、外から見詰める横恋慕女の母の視線、主人公に解決して貰うと、昨晩のことはと、姪は神父の許しを得て走る走る、すれ違う姪と母、母と娘は神父に話す、質す、昨晩のことを、主人公も拒めないのだ、斯くて主人公と女は結婚することに、鐘、不幸な鐘、結婚式、鐘撞きは今日の結婚は不幸な結婚だと、判るのだと、主人公の視線、女の視線、横恋慕の青年にとっては、邪魔者は消えてくれた、こうして姪との結婚式、待たしてもどこか不幸な結婚、青年は既に全ては忘れ去られたと安堵している、思いこんでいる、だが、雪の嵐の日、主人公は妻の言葉にいらだち、怒り、カメラは引いて、テーブル全体が映し出されて、主人公がひっくり返す、飛び出す主人公、嵐の深まる夜、主人公は戻らない、誰に助けを求めても拒まれる妻、ついには姪とその夫の元に、夫が戻らないと、このときの戦きの姪の表情に知る男、妻の心の底、堪りません、理解してしまった、二人の表情、視線、間、繋ぎ、映画です、緊迫です、主人公の妻は去るが、青年と妻の不審と不安は募る、妻は夫に頼むが、怒り、あんな者は死ねば良いのだと、祈りの天使のごとき妻の姿、見つめる夫、顔が、ゆっくり影の中に消えて行く映像、光と影、顔に当たる光と影、素晴らしい、姪は壁の銃が無いのに気づく、ついには姪は外に走り出す、山の中、主人公を見いだす姪の夫、夫の構える銃、主人公の腕に銃弾が当たる、主人公も撃つ、倒れる青年、青年の嫉妬が、結局は死に、置かれた筈の銃がこんな形で使用されてしまう、あとを追いかけた姪と主人公、語らう、そこに人々が、皆は主人公の暴力としか見ない、居たたまれない二人、主人公の妻まで現れて、罵る、犯罪人のごとくに、石を投げつける、主人公と姪は二人嵐の中に逃れる、消える、山の中、もはや、祈るしか無い、姪の祈り、天使の祈り、主人公も祈る、二人の罪は恋してしまったこと、雪崩が彼ら二人に覆い被さる、雪崩の流れが素晴らしい、迫力、サスペンス、この雪の中に消えて、結局死でしか恋を成就させられなかった二人、そして村、平和とは何だ、占領時はフランスに屈し、若者たちの恋には自由を与えられない、許したときには遅かった、いや、ラストに至っても、何も許されてなど居ない、ピエロ、あの舞踏会の格好、酔っぱらって仕舞って、愚かしい主人公、なぜに、あのときに限って、横恋慕女に填ってしまう、女は主人公に何を見せたのだろうか、主人公は何を見たのだろうか、いや、何も無かったのかもしれないのだ、目覚めた主人公には、だが、母と女の言葉に従う神父と村、姪、主人公自身、あくまで拒否すれば、この拒否できない人々、二人はこの村の掟の裏をかけなかった、横恋慕の女と青年をやり過ごして仕舞えなかった、巧みに、二人にそれぞれ恋しているのだから、利用してしまえなかったか、それだけの策が無かった二人の敗北、これは二つの大国に繰り返し占領されることと同様に、大国の裏をかかなくては、生き延びられない小国の敗北とも、もっともらしい正義が取り巻く、夏の山の風景、美しさ、ロマン、雪の山の風景、空回りのロマン、祭りの中、酔いの中誑かされて、誰にと言うのでも無く、愚かしさ、しかし、ラスト、真に二人は死したのだろうか、判らない、此処で裏をかいて生き延びたのだとも、漸くに、二人の決心は決まったのだとも、ラストの光、天国、月明かり、嵐のあとに陽が昇った、二人の夢でしか無いのか、二人同じ夢の中にあるだろうか、これまた危ういままに、関係の空回りはどこまでも、

