ショートシナリオの館

ボケに抵抗するため、日常生活の中から思いつくままに書いています。月2回・月曜日の投稿を目指します。

 お姉さま事件です! <パート‐7>

2016-09-19 09:08:54 | 日記


第20話 焼きナス騒動

  妹: お姉さま、事件です!早く台所に来て~。
  姉: どうしたの?わ~、何これ。ロースターの中で何かが爆発しちゃってるわ。
  妹: ナスよ。家庭菜園で収穫したのを焼きナスにしてくれと、お父さまに頼まれたの。
  姉: あなた、ナスをそのままロースターに入れたのね。ナスの皮は硬いのよ。あらかじめ包丁
    で切れ目を入れたり、フォークを使って数箇所に穴をあけて空気の逃げ道を作らなければ
    ダメなの。
  妹: さすがお姉さま。何でも良く知っているのね。焼くだけなんだから簡単だと思って、安受
    けあいしたのが大失敗。あらかじめお姉さまに相談すべきだったわ。
  姉: ちょっと、今日はどうしたの?貴女らしくない素直なお返事で、なんだか怖いわね。
  妹: あら、私はいつも素直よ。私のお腹はいつだって下心がなくて真っ白なの。それが私の取
    り柄。お父さまはまだ畑にいるから、今から行って別のナスを貰って来るね。今度はお姉
    さまの指図通りにフォークでつっついて穴を開けてから、焼いてみるわ。直ぐに戻って来
    るから後をお願いします。お父さまに早く食べさせてあげたいの。それに、一度の失敗に
    めげず、再びトライするのを見たらきっと喜ぶわ。まあ、ちょっとした親孝行ってとこ
    ね。
  姉: おや、貴女がそんなに親孝行だったかしら?いいわよ、いってらっしゃい。
    行っちゃった。ン?今、後をお願いしますって言ったわね。あやしいぞ。ヤヤ、ロースタ
    ーの中に爆発したナスがそのままじゃないの。この中の掃除は一体、誰がするのよ。
    私のことを持ち上げたり、お父さまを引き合いに出して親孝行だとか言っちゃって。あれ
    は計略だったのね。ア~ァ、妹の腹黒い下心が読めなかった私がバカだったわ。
    まんまとヤラレタ!
  妹: シメシメ、思惑通りに事が進んだわ。お姉さまのことだから、私が戻るまでにはちゃんと
    きれいにお片付けしてくれるわよね、きっと。さてと、私はお父さまのところで、しばら
    くゆっくりしちゃお~。

第21話 ホームに降りられない

  妹: お姉さま事件です!駅に着いたけど、電車とホームの間に大きな穴が空いてるよ!
    電車がホームを削っちゃったのかな?これじゃ、怖くて降りられないよ~。
  姉: 何を言ってるの!さっき、車内アナウンスで「電車とホームとの間に大きな隙間が空いて
    いるから注意して下さい」と説明してたでしょ。
  妹: そうなの?私、寝てたから聞こえなかった。
  姉: この駅はホームが大きくカーブしているから仕方ないのよ。
  妹: そっか!それなら、電車がホームに合わせて曲がってくれれば、ホームとの間にこんな隙
    間ができないのにね。誰か、そんな電車を作ってくれないかな。
  姉: くだらないことを言っていないで、ドアが閉まる前に急いで降りるわよ。
  妹: うん、わかった。でも、お願いだから、手をつないで降りてちょうだい。
  姉: 相変わらず、世話のやける妹だわ。それじゃ、飛ぶよ。いち、に、の、さん。




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