みちのくの山野草

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㈢ 読者の皆様がご自身でも検証を

2024-07-01 12:00:00 | 菲才でも賢治研究は出来る
《コマクサ》(2021年6月25日撮影、岩手)

  ㈢ 読者の皆様がご自身でも検証を
 以上、ここまで主に、次のような杜撰だと思われることやどうも危ういと思われる事柄、
  ⑴ 「サムサノナツハオロオロアルキ」もなかった賢治
  ⑵ 羅須地人協会時代の上京についてのあやかし
  ⑶ 羅須地人協会時代は「独居自炊」とは言い切れない
  ⑷ 〈悪女・高瀬露〉は冤罪である
  ⑸ 「ヒデリノトキニ涙ヲ流サナカッタ」賢治
  ⑹ 稲の最適土壌は中性でもアルカリ性でもない
  ⑺ 下根子桜からの撤退は凄まじい「アカ狩り」のせい
  ⑻ 「聖女のさまして近づけるもの」は露に非ず
について、いわば「賢治神話」の検証等をしてきたが、どうやらこれらについては一度一から出直して考えてみる必要があるということを納得していただけたものと思っている。そして、私の恩師の岩田純蔵教授が、
 賢治はあまりにも聖人・君子化され過ぎてしまって、実は私はいろいろなことを知っているのだが、そのようなことはおいそれとは喋れなくなってしまった。
と嘆いた「いろいろなこと」の幾つかにこれらは当たるかも知れないと私は少しく自信を持つことが出来たし、安堵もしている。さて、皆様は如何お感じになったでしょうか。
 なお、私としてはこれらの事柄については幾つかの拙著において何度か公にしていることであり、しかも、本論の「はじめに」で掲げたような《『筑摩書房』宛のお願い文書》を正式に、当時の株式会社筑摩書房代表者 喜入 冬子 様にお届けしているから、筑摩書房もそれは十分に承知のはずだ。がしかし、筑摩書房へのお願いは全く通じなかったようで、直接的な反応は残念ながら何一つない。
 つきましては、もう筑摩書房には頼れませんので、読者の方々におかれましてはこれらのことをどうかご自身でも検証していただきたい。そして、私の考え方が間違っていればそのことをどうかご指摘賜りたい。

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 ある著名な賢治研究者が私(鈴木守)の研究に関して、私の性格がおかしい(偏屈という意味?)から、その研究結果を受け容れがたいと言っているという。まあ、人間的に至らない点が多々あるはずの私だからおかしいかも知れないが、研究内容やその結果と私の性格とは関係がないはずである。
 おかしいと仰るのであれば、そもそも、私の研究は基本的には「仮説検証型」研究ですから、たったこれだけで十分です。私の検証結果に対してこのような反例があると、たった一つの反例を突きつけていただけば、私は素直に引き下がります。間違っていましたと。
 一方で、私は自分の研究結果には多少自信がないわけでもない。それは、石井洋二郎氏が鳴らす、
 あらゆることを疑い、あらゆる情報の真偽を自分の目で確認してみること、必ず一次情報に立ち返って自分の頭と足で検証してみること
という警鐘、つまり研究の基本を常に心掛けているつもりだからである。そしてまたそれは自恃ともなっている。
 そして実際、従前の定説や通説に鑑みれば、荒唐無稽だと言われそうな私の研究結果について、入沢康夫氏や大内秀明氏そして森義真氏からの支持もあるので、なおさらにである。

【新刊案内】
 そのようなことも訴えたいと願って著したのが『このままでいいのですか 『校本宮澤賢治全集』の杜撰』(鈴木 守著、録繙堂出版、1,000円(税込み))

であり、その目次は下掲のとおりである。

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            〒025-0068 岩手県花巻市下幅21-11 鈴木守  ☎ 0198-24-9813
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