みちのくの山野草

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3047 宮澤政次郎の証言

2012-12-25 08:00:00 | 賢治渉猟
 『解説 復元版 宮澤賢治手帳』(小倉豊文著、筑摩書房、昭和58年)を見ていたならば、次のような高瀬露に関することが書かれていた。
 彼女の協会への出入に賢治が非常に困惑していたことは、当時の協会員の青年達も知っており、その人達から私は聞いた。それを知った父政次郎翁が「女に白い歯をみせるからだ」と賢治を叱責したということは、翁自身から私は聞いている。労農党支部へのシンパ的行動と共に――。
               <『解説 復元版 宮澤賢治手帳』(小倉豊文著、筑摩書房、昭和58年)48pより>
 高瀬露とのことに関して、父政次郎翁が賢治に対して「女に白い歯をみせるからだ」と叱責したというエピソードは何人かの人物が書いているが、いずれの場合にもそれをどのようにして入手たものかを明らかにしていないはずだ。
 ところが、小倉は当の政次郎本人からそのことを直接聞いているということをここに述べていることを私は初めて知ることができた。これでその典拠が明らかになったから、この叱責は歴史的事実としてほぼ間違いなかろう。それゆえ、父政次郎のこの証言はすこぶる重要なものとなる。
 またここには、小倉が政次郎から直接聞いたこととして、賢治は労農党稗和支部のシンパであったということも述べられている。そしてなおかつそれは父政次郎も知っていたということが導かれる。これもまたかなり重要な父政次郎の証言である。

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