王の後ろに花嫁衣装を着たハンナがいた。
約束の場所には、祭壇に三角形につみあげられた果物や饅頭のような供物が捧げられていた。
王はハンナを祭壇の中央に立たせ、空に向かって叫んだ。
「偉大なる神々たちよ、精霊たちよ、お約束通りに致しました。」
すると辺りが暗くなり、強風が吹き荒れた。
「人間の王よ、娘を置いて立ち去りなさい。」
強風が吹き荒れるなか、王はハンナを祭壇に残し立ち去った。
ハンナは祭壇にしがみつき、今にも吹き飛ばされそうである。
次の瞬間何かがハンナをとらえ消えてしまった。
王が振り返ると、そこにはばらばらになった祭壇が無惨にも壊れ散らばっていた。
王は、
地面に頭を垂れ、無力さと人間の儚さに泣き叫んだ。
続く
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