箴言 31章
きょうは冬至。一年でいちばん昼が短い日です。明日からは夏至に向かって少しずつ昼が長くなります。暗い日々を過ごす人々にとっては希望への一歩だと思います。日本ではこの日には「柚子湯」に入り、カボチャを食べます。私も小さい頃に、カボチャと小豆を煮た「冬至カボチャ」を食べたことを思い出します。
箴言の終章は、「しっかりした妻」についての格言で知られています。30章のはじめにも出ていた「マサ」というのは、アブラハムの子どもの一人イシュマエルの子孫が住んでいた地方だと考えられています。
ここには王の母がわが子に向けて、王にふさわしい歩みがどのようなものかを教えている箇所です。2節の3行に分かる並行句が心に留まります。母親がわが子を深く愛していることが伝わるとともに、「何を語ろうか」の繰り返しは、語ることが分からないのではなくて、むしろ明確であることを強調しているのです。
最初は「……してはいけない」という戒め。ここには女たちに力を費やすことと強い酒を飲むことを戒めています。これらは、箴言でこれまでに何度も語られてきた「愚かな者」のすることでした。王はこれらのものを自分の欲するままにできる立場を得ているのですが、それゆえに自制が求められているのです。
8−9節には王が何を行うべきかが語られています。それは弱い立場にある人々のために「口を開く」こと。政(まつりごと)はすべての人のために行うものですが、とくに「口のきけない人」「不幸な人」「苦しむ人」「貧しい人」の権利を守ることに傾注すべきだというのです。ここ数日の報道を読む時に、政治家が誰のため、誰の権利を守るために働くべきなのかを、改めて考えさせられる箇所です。
そして、箴言の最後は「しっかりした妻」についての格言。その終わりにふさわしく「主を恐れる女はほめたたえられる」とあります。現代でもイスラエルでは、安息日に家族が記念の夕食を囲む時に夫がこれらのことばによって妻に感謝を表すと聞きます。そして、私も……。