みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

わたしがそれです

2022年07月14日 | ヨハネの福音書

ヨハネの福音書 4章16−26節

 最上階に住んでいるので室温が高くなるのですが、比較的しのぎやすいのは台所。この夏は、ここで過ごすことが多くなるかもしれません.

 「わたしに水を飲ませてください」との一言から始まったイエスと女性との対話。女性は、「主よ。私が渇くことのないように、ここに汲みに来なくても良いように、その水を私にください」と言うまでになりました。しかし、彼女はなお、そのような水があるものだと考えているに過ぎません。

 しかしここでイエスは、この女性の大きな課題に切り込んでいきます。彼女が驚いたのは、目の前のユダヤ人の教師が彼女の個人的な生活を知っているということでした。

 自分の暗部、弱みを知っている相手が誰かということは、明暗を分けます。はやし立て、攻撃し続ける相手ではなく、そこから立ち上がるために愛し、力を注いでくれる相手だとしたら、それは何とありがたいことだろうかと、ここから考えました。

 女性は、心にトゲのように刺さっている問題を言い当てられたことにたじろいだからでしょうか、話題を宗教問題へと変えようとしました。ユダヤ人とサマリア人と間で異なっている、礼拝場所についての論争です。ユダヤ人の教師なら、この話題に飛びついて来るはずだから、自分のことをあれこれ言われずにすむと思ったのかもしれません。

 女性のその場しのぎの話を、イエスははぐらかすことなく、長年の論争に終止符を打つ時が来ると言われました。礼拝される側にいるイエスのことばです。24節は、礼拝についてよく引用されることばです。これが、一人のサマリア人の女性との対話の中で出たものです。

 ここで女性の心は、飲み水のことからキリストが来られることへと移っていました。イエスから「あなたと話しているこのわたしがそれです」と聞いた女性は、次に何をしたのでしょうか。それはまた、明日に…。

*「ヤコブの格闘」


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