みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

主にあって

2020年02月07日 | ピリピ人への手紙

ピリピ人への手紙 4章1−9節

 聖書を読むために来た方が、手作りのタルトを持ってこられました。読み終えた後、コーヒーといっしょにいただきました。その美味しいこと! さくさくとしっとり、バランスの良い甘さを楽しめます。アーモンド・プードルの風味も…。「食レポ」のようになってしまいましたが…。

 4章2節から3節に、二人の女性の名前が出てきます。二人の間には「同じ思いになれない」人間関係の課題があったようです。パウロがこの手紙を書いた理由の一つには、二人の間に和解が訪れるように…という強い願いがあったのかもしれません。いや、パウロは二人の問題はピリピ教会全体の課題を象徴しているとして、この問題の解決を図っているのです。

 パウロはここで、二人がなぜ一致できなかったかとか、どちらが悪いとかいうことには触れていません。ただ、「主にあって同じ思いになってください」と勧めています。「同じ思い」ということばは、すでに2章2節や5節にも出てきました。考えてみますと、人はそれぞれ姿形も心に思うことも違います。そのような者がいっしょに歩む、生きるのは簡単なことではありません。自分の思いを通そうとするとたちまち違いが、仲たがいが生じます。

 教会の人たちはみんな思いを一つにしているように思われるし、自分たちもそのはずだと考えているようですので、「理想」と「現実」の差に驚くようなことも多いのではないでしょうか。

 「主にあって同じ思い」ということばを心に留めました。この手紙でパウロは、危機の中にあった教会にキリストを知るように、キリストを見上げるようにと勧めてきました。ここでも「主にあって」、「キリスト・イエスにあって」を繰り返します。そのように見ると、4節の喜べとの勧めは、人と人との不一致の解決と無関係ではないように思えてきます。

 互いに相手を見て責め合うのではなくて、視線を上に…と促されているようです。


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