みことばの光的毎日

聖書同盟「みことばの光」編集者が綴るあれこれ

恐怖に打たれての一言

2018年08月01日 | マルコの福音書

マルコの福音書 9章1−13節

 8月を迎えました。「みことばの光」はきょうからマルコの福音書を読み進めていきます。イエスはすでに、エルサレムでご自分を待ち構えていることに焦点を定めておられました。きょうの箇所には、高い山の上でのイエスの変貌の出来事が記されています。

 1節から読みます。しかし、1節は前の出来事につながっているようにも思えます。さらに、「神の国が力をもって到来しているのを見る」とは、いつ起こることなのでしょうか。何を指しているのでしょうか。このあとすぐのイエスの変貌かもしれません。あるいはイエスの十字架と復活、聖霊の降臨、やがての再臨のことでしょうか。以上のうちの一つではなくて、すべてのことと関わりがあることなのかもしれません。

 三人の弟子たちは高い山の上でのイエスの変貌を目撃しました。ペテロは普段自分のそばにおられるイエスのあまりの変わりように、そして三人の会話が聞こえてきたのでしょうか、イエスといっしょにいるのがモーセとエリヤだと言うことがわかりました。ペテロはすっかり混乱して、幕屋を三つ作ると申し出ます。ずっとここに三人がいてほしいという願いからのことばでしょうか。

 目で見て恐怖に包まれた三人を雲がおおうと、今度は天からの声が聞こえてきました。「これはわたしの愛する子」ということばは、イエスがバプテスマをお受けになった時にもありました。三人の弟子たちは目で見て、耳で聴いてこれまで経験したことのないイエスのお姿を知ったのです。

 心に留めたのは、「自分たちといっしょにいるのはイエスだけ」という8節のことばです。夢のような時が終わり、すべてが日常に戻った時に、イエスは彼らといっしょにおられたのです、モーセやエリヤと一緒に立ち去ることなく…。ペテロも、ヤコブも、ヨハネも、安堵したのではないでしょうか。

 「彼の言うことを聞け」という天からの声を、私への語りかけでもあるとしていただきます。


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